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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1525話

「誰だ」

 暗闇の中に俺の声が響く。
 同時に、俺の隣で眠っていた凛と綾子もそれぞれに動きを見せる。
 連合軍の基地では毎晩この2人を抱いていたのだが、この船の中でそんな真似をする訳にもいかない。
 客室は完全防音という訳ではない以上、下手をすれば凛と綾子の快楽に溶けた声が船の中に響き渡る可能性もあった。
 また、一応広い部屋を用意して貰いはしたが、それでもホワイトスターにある俺の寝室や、連合軍の基地で俺達が使っていた部屋とは比べものにならない程に狭い。 
 それでもベッドはセミダブルくらいの大きさだから、一応3人で寝る事も出来るのだが。
 そんな訳で、今は俺の隣で寝ていた凛と綾子は、人に見せられないような格好ではない。
 普段ならネグリジェや、それどころか全く何も着ていないままで寝ている凛と綾子だが、ここが船だということもあってパジャマを着ている。
 そんな2人が俺の言葉と同時にそれぞれ起き上がり、反応を示す。
 凛の手には宝石が指に挟まれており、綾子の手はベッドの側にある物干し竿へと手を伸ばしている。
 ある程度の広さがある部屋ではあるが、それでも物干し竿を自由に振り回せる程の広さがある訳ではない。
 ……普通ならそう考えるのだが、それはあくまでも人間であった場合だ。
 半サーヴァントである綾子にとって、周囲に壁があったりする程度で物干し竿を振るうのに影響はない。
 いや、正確には当然影響はあるんだろうが、それはあくまでもサーヴァントとかのレベルでの事であって、この世界の人間を相手にした場合は全く問題がないと表現した方がいいか。
 ともあれ、凛も綾子も寝ていた状態から瞬時に戦闘態勢に入ったのは、ハワードの船であっても、そこまで信用していなかったからか。
 ああ、凛が結界を張っていないってのもあるかもしれないな。
 ともあれ、扉の向こう側に声を掛ける。
 最初は偶然通りかかっただけかと思っていたんだが、俺達の部屋の前で動きを止めたとなれば、明らかにここに……正確にはここにいる俺達に用があったんだろう。

「どうした? 何も気が付かれていないと思っているのか? まさか、そんなに見え見えなのに、気が付かれていないとは……幾ら何でも思っていないよな?」

 そう告げるも、扉の向こう側の気配が動く様子はない。
 さて、一体誰が忍び込んできたのか。
 まさか、今になってトールギスを俺に渡すのが惜しくなったハワードの手の者? それとも意外な線でOZがここにトールギスがあるのを確認したのか? それともトールギスの正体を知ったデュオかヒイロ辺りが俺達の様子を窺いに来たのか?
 ……このパターンだと最後の選択が一番ありそうだな。
 ただ、ガンダムのパイロットの割りには気配の消し方がなっていない。
 いや、この世界だと気配とかは全く必要がない……とは言わないが、それでもネギま世界のようなレベルまで鍛える事はないのだろう。
 この辺、今までにも生身の戦いの世界では同じような感じだったしな。
 とはいえ、このまま放って置く訳にもいかないだろう。
 このままだと、何をやってもこっちはなあなあで済ませるといった感じで向こうに認識される可能性がある。
 扉の向こうにいるのがガンダムパイロットであっても、それは面白くない。
 空間倉庫から拳銃を取り出す。
 純粋な俺の好みとしては、拳銃よりも機関銃……それも重機関銃の方が好みなんだが、戦闘車両とかに据え付けて使うような重機関銃を、まさか片手で振り回す光景を見せる訳にもいかないし……それ以前に、どこにそんなのを持っていたとハワードに突っ込まれる可能性もある。
 ああ、それとこの船を沈没させてしまう可能性もあるか。
 ともあれ、そんな理由で現在俺の手の中にあるのは拳銃だ。
 もっとも、拳銃ではあってもただの拳銃ではない。シャドウミラーの技術班が作りだした、非常に高性能な代物だ。
 60口径という、シャドウミラーで訓練を受けたような者でなければ、撃った瞬間手首、肘、肩の骨が外れたり折れたりしてもおかしくないだけの威力を持つ。
 ……正直な所、連射出来ないという点では重機関銃よりも制圧力とかは低いかもしれないけど、これだけでも十分に物騒だよな。
 扉の向こうにいる相手も、そんな中の気配を感じ取ったのか……はたまた、単純に勘によるものか。ともあれ、現状では色々と危険だと理解したのだろう。向こう側から慌ててた声が聞こえてくる。

「待った待った待った! 別に俺は敵じゃねえって! 今から部屋の中に入るから、物騒な真似はしないでくれよ!?」

 この声と口調で扉の向こうに誰がいるのかが分かった。
 凛に視線を向け、手に持っている宝石をしまうように目で言うと、凛はそれに頷いて宝石から手を離す。
 サーヴァントだった時は、念話を使って自由に話が出来たんだが……もう今の俺は凛のサーヴァントじゃないから、当然念話は出来ない。
 凛と綾子は契約を結んだままだから、念話を使えるんだろうが。
 それでもこうして目と目でお互いの意志を確認出来るのは、どことなく嬉しい気分がある。
 そうして凛が宝石を離し……拳を握り締めたところで、扉が開く。
 おい、俺が頼んだのは宝石から手を離す事であって、別に拳を握れとは言ってないんだが。
 凛の生身での戦いの技量は、それなりに高い。
 いや、俺がはっきりとその技量を知ってるのは聖杯戦争の時だけだから、今がどうとかいうのは正確には分からないが……それでも、素人を相手にしてはまず完勝出来るだろうというだけの技量なのは間違いない。
 ただ、魔術なしで純粋に身体能力のみでの戦いとなれば……扉の向こうにいる男に勝てるかどうかってのは、正直微妙な可能性がある。

「お邪魔しまーす。……いやー、ハワードが俺以外の客もいるって言うから、ちょっと様子を見に来ただけど……まさか、こんな場所でハーレムを作ってるような奴とは思いも寄らなかったよ」

 そう告げたのは、神父服のような黒い服を身に纏った男……W世界の主要人物の1人、ガンダムデスサイズのパイロット、デュオ・マクスウェル。
 逃げも隠れもするが、嘘は吐かない……だったか。
 当然向こうは俺が自分を知っているとは思っていないので、緊張はしているがそこまで緊張し過ぎているって様子じゃない。
 にしても、ハーレムか。ホワイトスターにある俺の家に比べれば、随分と大人しいんだがな。
 それでもセミダブルのベッドに凛と綾子という極めつけの美人2人と一緒にいるんだから、デュオがそんな風に思っても仕方がない。
 取りあえず俺はデュオの顔を知らない事になっているんだし、その辺を誤魔化すとしよう。

「その服装から考えると、神父か? けど、何だってこんな子供の神父がこの船にいる?」

 まぁ、実際には確か十代半ばくらい? その辺だった筈だから、別に子供という程に子供じゃない。それこそ、子供という意味なら俺は10歳前後の姿にもなれるし、デュオと同い年くらいにもなれるのだから。

「子供ってなぁ……こう見えて俺はもう15歳なんだぜ? 大人……って程じゃないけど、子供扱いは止めてくれよな。デュオって呼んでくれ」
「ふふっ、大人じゃないけど子供でもない、ね」

 どこかからかうような笑みを浮かべて告げる凛だったが、デュオはそんな凛に対して小さく肩を竦めるだけだ。
 女に耐性がある……って訳じゃないんだろうが、別に初心って訳でもないんだな。
 まぁ、凛の着ている服が俺と寝る時に使われていたような、強烈な色気を感じさせるネグリジェとかだったら話は別だったかもしれないが。

「で、結局お前は何をしに来たんだ? まさか、私達の部屋を覗きに来ただけか?」
「いやいや、そんな事はないって。ただ、色々とあって遅くなったけど、挨拶をしたいなって思ってただけで。でも、夜だし……そう思って迷ってたんだよ」

 さて、どうだろうな。デュオの性格を考えれば、ちょっと様子を見に来たってのは間違いのない事実だろう。だが、だからといってそこまで全てを信じてもいい訳がない。

「そ、それにしてもさ。あんたのその武器、何なんだよ。こんな部屋の中でそんな武器を使おうとしても、使いようがないだろ? サルベージ船って言っても、この部屋の広さしかないんだからよ」

 デュオの視線の先にあるのは、言うまでもなく綾子の持っている物干し竿。
 まぁ、普通ならデュオの言葉は間違ってないんだが。
 ともあれ、デュオが俺達に会いに来たというのは間違いないし、敵意の類も……こうして見る分には、多分持っていないのだろう。
 いや、もしこっちに害意を持っていても、どうしようもないだろうが。

「それで、わざわざ俺達が寝ている時間に挨拶に来たのか? 随分と不躾な時間だな」

 もっとも、現在このサルベージ船は昼夜関係なく船のクルーが働いている。
 ウイングガンダムに、ガンダムデスサイズ、その上トールギス……とてもではないが、普通ならどれかを後回しにしなければいけない忙しさだ。
 それでもトールギスはもう最終調整を残しているのみで、ハワードが直接作業をしなくても部下に任せる事が出来るって話だったし、ウイングガンダムはヒイロが自分のMSを他人に弄って欲しくないとか言っている。そうなると、実質的にはガンダムデスサイズだけがハワード達の作業対象となるのだろう。
 ……まぁ、俺の原作知識があっていれば、折角ハワード達がガンダムデスサイズを整備しても、その部品をヒイロがパクっていくんだが。
 そうなれば、最終的には結局デスサイズをもう一度整備する羽目になるだろう。
 色々な意味でご苦労様と言ってやりたい。

「あんたが持ち込んだMS……あれって、プロトタイプ・リーオーって言われてる奴だろ? どうやってあんなの手に入れたのか、ちょっと聞きたいと思ってね」
「それが本題か。……けど、飯の種の出所をそう簡単に口にすると思うか?」
「……だろうな」

 最初から全てを聞く事が出来るとは思っていなかったのだろう。ただ、もしかしたら情報を入手出来るかも。そんなところか。

「ま、このままだと俺はお邪魔だろうから、そろそろ帰るけど……1つだけ聞かせてくれないか?」
「何だ?」
「あんた、えっと……」
「アクセル。アクセル・アルマー。傭兵だ」
「……傭兵か。とにかく、アクセルは現在の地球の状況をどう思っている?」
「そう漠然と言われてもな。地球をどう思っているのか……何て答えればいいんだ?」

 俺の言葉に、デュオはその長い髪を掻き回しながら口を開く。

「ほら、最近色々と物騒だろ? だから、その件についてどう思っているのかなって。あんたもハワードのサルベージ船に乗ってるし、あんなMSを持ち込んでるんだ。表の人間って訳じゃないんだろ?」
「……そう言うなら、俺達が入る事が出来ない区画の中にいるデュオも十分に表の人間じゃないと思うけどな」
「どうだろうな。俺は別にお天道様に顔向け出来ないような真似はしてないつもりだぜ?」

 デュオの口から出ている言葉が本当かどうかは分からないが、それでも向こうにとっては俺の意見を聞きたいんだろう。
 ……まぁ、それも当然か。OZと敵対しているデュオが、ハワードのサルベージ船にやって来てみれば、そこにはプロトタイプ・リーオーと呼ばれるトールギスがあったのだから。
 つまり、デュオは俺をOZの手の者では……もしくはOZに所属してなくてもロームフェラ財団の手の者ではないかと、そう思っている訳だ。
 さて、どう答えるか。……いや、そうだな。ここは少し忠告をしておくか。

「そうだな、噂だとコロニーのMSが破壊活動を行っているって話だが……このままだと、コロニーを人質にされて投降させられる事になりそうだな」
「……人質?」
「ああ。OZにはバルジという宇宙要塞がある。そしてバルジのビーム砲は非常に強力で、コロニーの1基や2基は容易に破壊出来るだろう。それを使ってコロニーを人質にされれば……さて、コロニー側のMSはどう動くだろうな」
「っ!?」

 俺の言葉に、デュオが息を呑む。
 その可能性を考えていなかった訳ではないだろう。
 だが、そんな真似をするとも思えなかったといったところか。
 作戦の指揮を執るのがゼクス、ノイン……トレーズ辺りであれば、そんな真似はしないだろう。
 けどその作戦の指揮を執るのは、トレーズに対して狂信的と言ってもいい程に心酔しているレディ・アンだ。
 それがトレーズの利益になると思えば躊躇なくコロニーを破壊するだろう。
 エレガントな物事の運び方じゃないんだけどな。

「そうか。……うん、分かった。興味深い意見を聞かせて貰ったよ。じゃあ、そっちも忙しいだろうし、俺もこれで……」
「まぁ、待て」
「っ!?」

 俺が声を掛けると、デュオの身体は固まる。
 当然だろう。一瞬前までベッドの上にいた俺が、ふと気が付けば自分の目の前にいるのだから。

「折角来たんだ。土産にこれでも持って行くといい」

 そう告げ、俺が差し出したのは……以前何かの拍子に手に入れた大鎌。正確にはプラモデルで大鎌を武器にしている物の、大鎌の部分。
 普通であれば、何故こんな物を自分にと疑問に思うだろうが……ビームサイズを武器にしたMS、ガンダムデスサイズを操縦するデュオにとって、それは致命的なまでに確信を突いたものだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1213 
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