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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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491部分:第六十九話 アイオリアの選択その三


第六十九話 アイオリアの選択その三

「いいな、それではだ」
「はっ、では」
「今より」
 こうして彼等は一斉に姿を消した。そのうえで何処かへと向かうのだった。後に残るリゲルは今は一人でその遠くなっていく小宇宙を感じ取っていた。
 アイオリア達はそのまま中央部に向かっていた。車は順調に進んでいる。
「悪いな、運転を代わってもらって」
「気にするな」
 ダイダロスがダンテに応えていた。今は彼が運転している。
「元々交代で運転する予定だったからな」
「だからか」
「そうだ。それでだ」
 ここでダイダロスはさらに言ってきた。
「今のうちによく休んでおくことだ」
「そうだな。敵は何時来るかわからん」
 その休まなければならない理由はダンテもわかっていた。
「それではだ。今は」
「休め。いいな」
「そうさせてもらう。しかし」
 ここで彼はまた言ってきた。
「アイオリア様も青銅の連中も今は身体を休めているのだな」
「それが妥当だ」
 それでいいと返すダイダロスだった。運転をしているのでその顔は正面を見たままである。そこには何処までも続く荒地があった。
「長い旅になっている。それにやはり」
「狂闘士が何時出て来るかわからない」
「それだ」
 話がまたそこに至っていた。
「だからこそだ。御前も休め」
「そうさせてもらうか。それでだが」
「どうした?」
「御前はこの聖戦が終わったら聖域を離れるそうだな」
 このことを彼に問うたのである。
「確かそうだな」
「その予定だ」
 まさにその通りだと返すダイダロスだった。
「アンドロメタの聖衣がある場所に行くことになっている」
「アンドロメダの聖衣というとだ」
 その聖衣のことを聞いたダンテが思い至った様な顔になって述べた。
「アンドロメダ島だったな」
「そうだ、そこだ」
「あの島は確か」
 ダンテの顔は今度は怪訝なものになった。
「日中は灼熱地獄、そして夜は極寒の場所だったな」
「その苦しさはデスクイーン島に匹敵する」
「そうだったな。アンドロメダ島かデスクイーン島か」
 今度は別の島の名前も出したダンテだった。
「そう言われているな」
「その島に行くことになった」
「そうか。大変だな」
「いや、そうは思わない」
 大変かどうかというとそうは思わないというのである。
「それはな」
「いいのか?それだけ過酷な環境の場所に行っても」
「聖闘士はその程度でどうにかなるものではないが」
「それはそうだがな」
 それで倒れるようなことがあればそもそも聖闘士になることはできはしない。そういうことであった。
「そうか。覚悟はできているのか」
「そしてだ」 
 ダイダロスはさらに話していく。
「そこで後進の指導も教皇に告げられた」
「教皇からか」
「そうだ。やがて一人の青銅の少年が現れるという」
 このことを話すのだった。
「その若者を育てよということだ」
「青銅か」
「何かあるのか?」
「いや、青銅だというのにだ」
 そのことに疑問を抱くダンテだった。実際にその首をいぶかしげに振っている。
「教皇がそこまで気をかけておられるのはだ」
「妙だと思うか」
「確か魔鈴もそんなことを言われていたな」
 自身の同僚であるその白銀の女聖闘士のことも話した。
「聖域でペガサスの聖闘士になるべき少年を待てとな」
「それも教皇からの御言葉だったな」
「何かが起こるのか?」
 ダンテはまたいぶかしげな声を出した。
 
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