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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1517話

 格納庫に存在するリーオーのコックピットに乗り込み、機体を起動させていく。
 すると、少しのタイムラグと共にそれぞれのスイッチが光り始める。
 ……この辺のタイムラグが大きいように感じるのは、純粋に俺がシャドウミラーの機体に慣れているからというのもあるんだろうが、何より大きいのはリーオーその物がボロいからだろう。
 これが新品の機体ならともかく、スペシャルズのMSでもコルシカ基地のような場所にある代物だと、どうしても古い代物になってもおかしくはない。
 そういう意味では、俺が使っているこのリーオーはかなり骨董品という扱いになる……のか?
 骨董品扱いのトールギスが保管されていた基地のMSが、骨董品のリーオー……ちょっと洒落にならないな。
 そんな風に思いながら、コンソールを弄っていく。
 やっぱり乗る前に考えていたように、PTやSEED世界のMSとそれ程の差はない。
 それらの機体に慣れていれば、大体は本能的に動かす事は可能だ。
 勿論世界が違えば、全てが一緒という訳ではない。あくまで同じなのは大雑把なところだけで、それ以外の細かい所は色々と違う。
 ……そういう意味では、リーオーで操縦を覚えるというのはいいアイディアだったんだろうな。
 基本的にこのW世界のMSは、リーオーをベースにして発展している。
 正確にはMSの礎といえる機体はトールギスなんだが。
 プロトタイプ・リーオーとも呼ばれているし。
 まぁ、パイシーズやキャンサーなんかはリーオーの系譜とは呼べないような気がするけど。
 実際にリーオーの系譜と呼べるのは、エアリーズとトラゴスだけか?
 そう言えば、コルシカ基地にトラゴスはなかったな。
 タンク系MSはあまり好みじゃないから、あっても使わなかったと思うけど……選択肢としてあるのとないのとでは、色々な意味で大きく違う。
 それに使わないのなら、この基地を提供してくれたマフィアに対価として提供するという最終手段もあった訳だし。
 そんな事を考えながら、リーオーの挙動を確認していく。
 シールドの裏に懸架されているビームサーベルを装備させ、ビームを展開させないままで振り下ろす。
 本来ならビームを展開させてから機体を動かす練習をした方がいいのだが、初めて使う機体でそんな真似をして、壁とかを切断してしまっては大変だろう。
 そのままビームサーベルを振るう練習を何度か行い、俺の操縦した事のあるMS……ブリッツガンダムとの違いを何となく理解すると、シールドの裏へと戻してマシンガンを持たせる。
 当然本来ならマシンガンの中には弾倉が入っているのだが、今回は抜いてある。
 まぁ、こんな場所で実際にマシンガンを撃つ訳にはいかないしな。
 ペイント弾辺りなら使ってもいいかもしれないが、ペイントの液体を掃除するのも大変だろうし。
 マフィアから色々と文句を言われる可能性を考えると、こちらとしても妙な真似をする訳にはいかない。
 そんな訳で、俺がリーオーでやってるのは標的と目した場所にマシンガンのトリガーを向けるという行為のみ。
 ただ、この作業もそれなりに難しい。
 リーオーの動きが鈍いというのもあるが、やっぱりこれも機体の老朽化からくるものだろう。
 そんな風に考えながら、マシンガンを動かし……二十分程が経過したところで止める。
 リーオーには高機動スラスターパックみたいなのもあった筈だ。
 原作でレディ・アンが使ってた奴。
 だが、生憎とコルシカ基地にそれはなかったので、試す事は出来ない。
 出来れば使ってみたかったんだが。
 元々リーオーというのは、そんなに機動力が高い訳ではない。
 運動性はそれなりだが……敵との距離を詰めるのに、ブースターパックが有用なのは間違いないんだよな。
 今度、他の基地に侵入して盗んでくるか?
 ブースターパックだけなら、MSその物を盗んでくるよりも騒ぎにはならないだろうし。
 ……そう言えば、やっぱり今頃コルシカ基地は色々と騒動になってるんだろうな。
 倉庫にしまわれていたトールギスはともかく、リーオーやエアリーズといった機体がなくなってしまったのだから。
 特にスペシャルズはエリート部隊だ。
 幾ら田舎の基地ではあっても、そこに侵入されてMSや武器を含めて色々と盗まれてしまうというのは恥以外のなにものでもない。
 エリート部隊であるが故の、厳しさがあるのは当然だろう。
 今頃、映像データとかを必死に探している筈だ。
 まぁ、見つかっても俺の場合は顔を隠していたから問題ないが。
 ……気配遮断が機械とかにも通用すればな。
 そう思ってしまうが、それは色々と贅沢なんだろう。
 ともあれ、リーオーを色々と動かしながら、大体の操縦の癖を理解していく。
 本来ならエアリーズの操縦訓練もしたいところだが、残念ながらと言うべきか、ここで空を飛ぶエアリーズを使う訳にはいかなかった。
 いや、格納庫は広いし、ある程度の無茶は可能かもしれないけど……まさか、最初にエアリーズで空を飛ぶ訓練をするのに、こんな場所でという訳にもいかないし。
 かといって、この基地の外でエアリーズを飛ばすというのは、連合軍やスペシャルズ辺りにあっさりと見つかりそうな気がする。
 そうして一度見つかってしまえば、その機体がどこの所属の機体なのかを調べられる可能性が高く、最終的にコルシカ基地から盗み出された機体だというところまで察知されるのは、そう遠い話ではない。
 まぁ、エアリーズの場合は一応地面を歩く事も出来るのだから、ここでも操縦出来ない事はないんだろうが。
 だが、エアリーズはリーオーの発展型だ。当然その操縦方法はリーオーと似たようなものになっている筈。
 勿論空を飛べるMSである以上、その辺の操縦方法は違うだろうが……それを練習するには、実際に空を飛ぶ必要がある。
 結局エアリーズの操縦は諦め、リーオーの操縦を暫くの間続け……格納庫を後にする。
 基地と一言で言っても、それなりの広さがある。
 勿論有名所のような巨大な基地と比べると小さいのだが、それでも人が3人いるだけだと考えれば、間違いなく大きい。
 MSの操縦訓練を終えた俺は、そんな基地の中を歩き回る。
 拠点……というか、寝室という事にしたベッドのある部屋に影のゲートで戻っても良かったのだが、一応暫くこの基地が俺達の本拠地になるというのは間違いのない事実。
 そうなると、やはり周囲の様子を見て回る必要はある。
 この基地に案内していたマフィアの男に一通り施設の紹介はして貰ったが、それはあくまでも一通りだ。
 また、スライムを使って盗聴器や盗撮カメラの類を探ったので大体の構造は分かっているが、それでもやはりこうして直接見て回るというのは大きい。
 そんな風に見て回っていると……不意にいい匂いがしてきた。
 食欲を刺激する香りに誘われるように、移動すると、やがて到着したのは食堂と思しき場所。
 ここまで来れば、何故そのような匂いがしたのかを理解するのは難しい話ではない。
 漂ってくる香りが中華の香りだというのを考えれば、誰がそこで料理をしているのかは明白だった。
 食堂の中にある厨房へと顔を出すと、そこでは予想通りに凛が中華鍋を振るっていた。
 中華鍋の中を踊るのは、麻婆豆腐。
 刺激的な辛さを持っているのは、俺の目から見ても明らかだ。
 Fateの麻婆豆腐と言えば、色々と曰くがあるのだが……少なくても凛が作っている麻婆豆腐は、普通に食べられる代物なのは間違いない。
 厨房の入り口から顔を出している俺に気が付いたのだろう。凛は笑みを浮かべて口を開く。

「もう少しで料理が出来るから、待っててちょうだい。聖杯戦争の頃に比べれば、私も料理の腕が上がったんだから」
「それは嬉しいし、ありがたいけど……電気が通っている以上、ガスとかそういうのもあるのはともかく、よく料理の材料があったな」
「ああ。それなら冷蔵庫の中にしっかりと入ってたわよ。勝手に使うのもどうかと思ったんだけど、一応現在この基地は私達が借りてるんでしょ?」
「……冷蔵庫に食材?」

 本当にここがマフィアの隠し倉庫……もしくは隠れ家なのかどうか、微妙に怪しくなってきたな。
 勿論この基地を使う時、腹が減ったら何かを食べたくなるから食材の用意をしていてもおかしくはない。
 もしくは、何か必要があって隠れる時とか……いや、それなら豆腐とかの生鮮食品をそのままにしておくというのはおかしいか。
 ともあれこうして用意をしてくれたのだから、久しぶりに凛の作ってくれた料理を食べるというのも悪くない。

「綾子はどうした?」
「綾子? 綾子なら少し周辺を見て回ってくるって言ってたわよ?」

 中華鍋を大きく振るい、空中で麻婆豆腐を踊らせながら凛が告げる。
 ああいう派手な行為をしながら、それでも豆腐を崩していないというのはさすがだな。
 ……近衛から聞いた話だが、以前神楽坂が麻婆豆腐を作ろうとした事があったらしい。
 勿論普段料理なんか殆どしない神楽坂だから、近衛や凛のように最初から麻婆豆腐を作るのではなく、いわゆる麻婆豆腐の素を使っての料理だ。
 だが、それで用意した豆腐が何故か木綿豆腐ではなく絹ごし豆腐で、更に普段料理をしている訳でもなく、技術もないのにフライパンを大きく振るったことで、ただでさえ木綿豆腐に比べて柔らかい絹ごし豆腐は潰れ、砕け……最終的には麻婆豆腐ではなく、麻婆スープとでもよぶべきものになったらしい。
 まぁ、それでも材料としては妙な隠し味の類を使っている訳でもなく、普通に麻婆豆腐のものだったので、特に問題なく麻婆丼……というか、形状としてはカレーライスに近いのか?
 そんな具合にして食べる事が出来たようだが。
 この話の勝因は、やはり最初から麻婆豆腐を作るのではなく、麻婆豆腐の素を使ったところだな。
 だからこそ、見た目はともかく味は麻婆豆腐になった訳だし。
 ……凛くらいの技術があれば、絹ごし豆腐で麻婆豆腐を作って、中華鍋で煽っても大丈夫なのかもしれないが。

「アクセル? どうしたのよ、じっとこっちを見て」

 神楽坂の麻婆スープのことを考えながらじっと凛を見ていると、そんな俺を不審に思ったのか中華鍋を振るいながら尋ねてくる。

「いや、凛の言葉通り随分と料理の腕が上がったと思ってな」
「あら、そう? ……けど、アクセルに料理の腕って分かるの?」

 そう言われれば、俺としても何も言えなくなる。
 実際、俺の料理の腕は神楽坂よりも多少マシといった程度だし。
 いや、今の神楽坂はホワイトスターで一人暮らしをしてるんだし、もしかしたら俺よりも料理の技術は上か?
 麻婆スープは、俺が麻帆良であやか達と一緒に暮らしていた時のことだし。
 何しろ、マリューや千鶴といった風に料理の上手い恋人と同棲してるおかげで、自分で料理をしようとは思わないんだよな。
 勿論必要最低限の料理は出来る。
 例えば麻婆豆腐の素を使えば麻婆豆腐を作れるし、ルーを使えばカレーやシチューだって失敗しない程度に作る事は出来る。
 だが、結局はその程度でしかない。
 必要がなければ、やっぱり上達しないんだよな。
 ああ、それと俺の場合は空間倉庫があるというのも大きいな。
 美味い料理を見つければ、纏めて買って……いわゆる大人買いをして、それを空間倉庫に入れておくし。
 中では時間が止まっているので、いつでも出来たての料理を食べる事が出来る。
 こんな万能なものがあるのに、わざわざ料理を覚えたりはしない。
 そもそもの話、俺にとって料理というのはあくまでも趣味というか、味を楽しむものだ。
 栄養の摂取とかは、魔力生命体の俺には必要がない。
 勿論俺が食った物はすぐに俺の中で魔力に変換されて吸収されるので、決して無意味な訳ではないのだけど。

「アクセル? 格納庫にいないと思ったら、ここにいたのか」
「綾子も匂いに惹かれてやってきたのか?」
「まあね。凛の料理は悔しいけど美味いし」
「……綾子、あんたもカレーとかの鍋物以外にも料理を作れるようになった方がいいわよ? アクセルの下に行くのなら、向こうでは間違いなく強敵ばかりなんだから」
「いや、強敵ってな。別に戦う訳じゃないんだが。俺としては、仲良くやって欲しいんだけど」

 凛の言葉にそう告げるが、実際にレモン達に会えば仲良くやっていけるだろうという思いはある。
 俺の本能が関係しているのか、惹かれる女はその辺が我が儘だったりしないんだよな。
 ……正直、これは複数の恋人と一緒に暮らしていく上で、かなり重要な要素だ。
 自分が自分がといった風な性格の持ち主がいると、間違いなく揉め事が起きるだろうし。
 ただまぁ、この辺はやっぱり毎晩のように皆が揃って裸の付き合いをしているというのが大きいんだろう。
 自分の全てを見せて、見せられて……更に肌を重ね合わせれば、どうやってもお互いに情が湧くのは当然なのだから。

「はい、出来上がり。じゃあ、そろそろ食べましょうか」

 麻婆豆腐を始めとした料理を作り終わり、凛がそう告げ……こうして俺達のこの基地での生活は始まりを告げるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1213 
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