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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1514話

「馬鹿、もうあそこに行けないじゃない!」

 宿から出ると、凛が頬を赤くしてそう告げる。
 綾子の方も薄らと頬が赤くなっているのを見れば、照れているというのはしっかりと理解出来た。

「いや、俺だけを責められてもな。そもそも嬌声を上げたのは凛と綾子の2人だろ?」
「その声を上げさせたのは、アクセルでしょうが!」

 がーっと言ってくるその様子に、俺は短い間だったが冬木で暮らしていた時の事を思い出す。
 そうだよな、あの時もこんな風に凛や綾子と一緒に生活をしていた。
 聖杯戦争が終わるまでの、短い間だったけど。

「……何よ。いきなり笑ったりして」

 俺の様子に、凛が不審そうに尋ねてくる。

「何でもない。ただ、ちょっと聖杯戦争の時の事を思いだしただけだよ」
「……ふん」

 凛も同様なのか、数秒前の怒っていた様子を消して小さく溜息を吐く。

「それで、アクセル。これからどうするの? 出来ればあたしは下着とかその辺を買いたいんだけど」
「そうね。昨日のままっていうのは、ちょっと気持ち悪いし。昨日のはベッドに入る前に脱いだから、そういう意味ではいいけど……」
「あー、うん。そうだな。まずは買い物を済ませるか」

 俺の空間倉庫には、食料やら生活に必要な物は大抵が揃っている。
 だが、俺が男である以上、女の下着なんかは入っていない。
 まぁ、女の下着は男と違って色々と細かいからな。
 なのでこういうのは本人に買って貰うのが最善だった。
 昨日俺達に絡んできたチンピラ達の金があるので、資金的には問題ないし。

「……でも、ブランド物は買えないのよね」

 少しだけ残念そうな凛。

「さすがにブランド物を買うだけの余裕はないな。あいつ等がもう少し金持ちなら良かったんだけど」
「ああいう輩がそんなにお金を持ってる訳ないでしょ」
「いや、実はああいう奴等が結構金を持ってたりするんだぞ?」

 その資金源は合法じゃないが。
 ただ、そういう意味では俺たちの存在も色々な意味で合法じゃない。
 そもそも、このW世界の生まれでもないしな。

「凛、アクセル。あそこの店に寄ってみない?」

 綾子が視線を向けたのは、少し離れた場所にある服屋。
 少し見た限りでは、下着の類も充実しているらしい。
 何しろ『セクシーな下着で彼を悩殺! 激しく熱い夜を演出しましょう』とか何とか書かれているポップが店の外からでも見えるのだから。

「ふふっ、そうね。アクセルを悩殺する為にもそういう下着は必要かもしれないわ。じゃ、アクセル。そういう訳で行ってくるわね。それと、あまり騒ぎにならないようにしなさいよ」
「はいはい」

 そう言い、凛に持っている金を渡す。
 悩殺する下着というのも興味があるし、出来れば頑張って貰いたい。
 ちなみに綾子の物干し竿だが、こんな場所で持ち歩くのは不便なので、空間倉庫に収納済みだ。
 銃刀法違反とか、そういうのがある世界だと迂闊に持ち歩けないよな。
 これがせめて普通の日本刀なら竹刀袋とか、ギターケースとかで隠しようがあるんだが、物干し竿は一般的な日本刀とは比べものにならないくらいに長い為、そんな真似も出来ない。
 実際、この鞘を作るには凛がかなり苦労して魔術的技術を使って作ったって話だったし。
 元々この物干し竿を使っていたアサシンの佐々木小次郎も、サーヴァントだからこそ物干し竿を自由に持ち歩く事が出来ていたんだろう。
 半サーヴァントの綾子だけに、透明になったり、宝具の類を消すような真似は出来ないんだよな。
 服屋に向かった2人を見送り、俺はその場から少し離れた場所へと向かう。
 ヨーロッパらしく、ここの街並みはそれなりに古い石造りの物が多い。
 そして、ある意味当然のように古い街並みだけに建物は入り組んでおり……やがて俺はどこかの行き止まりの場所へと到着する。
 丁度建物の陰になっているような、そんな普通なら誰も理解出来ないような場所。

「さて、と。それで俺に何の用件があるのか、聞かせて貰おうか」

 振り返った俺の視線の先にいたのは、五人の男達。
 それぞれが下卑た笑みを浮かべて俺の方へと視線を向けている。

「へぇ、自分が狙われてるって分かってるのに、こうして俺達を誘ったのか? この人数差で、随分と強気だな」
「そうか? お前達程度の奴に襲われたからって、どうという事はないだろ」

 そんな俺の言葉が気にくわなかったのか、男達は見るからに剣呑な雰囲気になった。
 ……殺気とも呼ぶのも恥ずかしくなるような、稚拙な殺気が俺に向けられる。
 シャドウミラーの人員やネギま世界の人間はまだしも、マブラヴ世界の人間よりも明らかに劣っていた。
 いやまぁ、BETAとの戦いがすぐそこまで迫っており、10年以上戦いを続けている世界の住人と一緒にするってのが間違ってるんだろうが。
 ともあれ、俺にとってはいい財布なのは間違いない。
 昨日絡んできたチンピラ達から入手した金もそんなに多くはない。一般的に考えれば多いのかもしれないが、それでも俺、凛、綾子の3人が暮らすのに十分な金額かと言われれば、答えは否だろう。
 追加の生活資金……もしくは活動資金を入手出来るのだから、そういう意味で凛と綾子というのは格好の釣り餌に近いのかもしれなかった。
 まぁ、いざとなれば食いついてきた魚を逆に食い殺すだけの力を持った餌だが。
 そんな訳で、俺としては餌に食い殺されかねない魚の保護をする必要がある訳だ。

「おいこら、何を余裕ぶってやがる? こっちの人数が多いからって、ビビってるのを隠してるのか? ああ、安心しろ。お前の連れの女は俺達がたっぷりと味わってやるからな」
「……お前達でどうにかなるとは思えないんだがな」

 溜息を吐きながら、男達との距離を詰める。
 こっちが人数差にまったく怯えた様子がないのを気にしているのか、男達は少しだけ驚きを露わにしながら……次の瞬間、殆ど発作的に懐から拳銃を取り出す。
 こういうところが日本じゃないよな。
 いや、俺もアクセルに生まれ変わってからもう随分と経つから、日本以外の流儀にも慣れているけど。
 それでも日本だと、こういう時に出てくるのは大抵がナイフだ。
 だが、ここではあっさりと拳銃が出てきた。
 向こうはこれで自分達の勝利は決まったと、凛と綾子という極上の東洋美女2人を思う存分味わえると、そう考えたのだろう。
 しかし……当然ながら、俺の行動は向こうが拳銃を出してきた程度でどうにかなるものではない。
 先頭の男が銃口を俺に向けているにも関わらず、俺は一瞬の緊張すらしないまま歩を進める。

「おいっ、これが見えないのか? 死ぬのが怖くないのか!?」
「どうだろうな。その程度の拳銃で俺を殺せると思うのなら、やってみるといい……ぞ!」

 その言葉と同時に、一気に間合いを詰める。
 別に瞬動を使ったとか、気配遮断を使ったとか、そういう特殊な何かを使った訳ではない。
 純粋に地面を蹴って、間合いを詰めただけだ。
 ただ、このW世界の人間が……それも特に鍛えた訳でもないチンピラが、俺の身体能力に対処出来なかっただけだ。
 そうして瞬時に間合いを詰めると、拳銃を持っている男の手首へとそっと手を伸ばし……ゆっくり、ゆっくりと、手首の骨を砕かないように力を入れていく。
 まるで羽毛に触れるかのような、そっとした力加減。
 だが、それはあくまで俺にとっての力加減でしかない。
 普通の……拳銃を握っている男にしてみれば、手首が万力で締められたかのように感じられたのか、握っていた拳銃が地面へと落ちる。
 別にここで拳銃を撃たせるような真似をしてもよかったのだが、そうすれば間違いなく警官なり軍隊なりが飛んでくる。
 今の時点ではそういう勢力とは接触したくないというのが、俺の正直な気持ちだった。

「痛っ、離せ……離せよ、このクソ野郎が!」

 痛みに叫ぶ男から手を離すと、そのまま再び地面を蹴って男達の背後へと回り込む。
 俺にとっては幸いなことに、そして男達にとっては不幸な事に、俺が先程までいた場所は袋小路であり、逃げ場所は男達の後ろにしかなかった。
 つまり、男達の背後に回り込んだ現状を考えれば、向こうに逃げ場が存在しなくなったという事を意味している。
 向こうにもそれが分かったのだろう。5人の男達の顔に恐怖が浮かぶ。
 自分達こそが逃げられない檻の中に入ってしまったという事を理解出来たのを確認出来たところで口を開く。

「助かりたいか?」

 その言葉に、問答無用で頷きを返す5人。
 最初に俺に話し掛け、拳銃を向けてきた男も当然のように頷いていた。

「そうか。なら、迷惑を掛けた誠意を見せて貰わないとな。……俺の言いたい事が分かるな?」
「分かった! 払う! 金は払うから、勘弁してくれ!」

 俺に拳銃を向けてきた男がそう叫び、ポケットから財布を取り出すと俺の方へと放り投げてくる。
 他の4人も同様に財布を投げ……うん?
 投げられた財布の全てがかなり膨らんでいるのに気が付く。
 何でこんなに金を持っているんだ?
 見た感じ、昨日俺に絡んできたチンピラと似たようなものだが……
 そんな疑問を抱きながら、最初に投げられた財布へと手を伸ばす。
 その瞬間、男達の中で一番左にいた男が俺の脇を通り抜けようと走り出したが……次の瞬間には俺に足を引っ掛けられ、その場に転ぶ。
 転んだ男の背中に足を乗せ、逃げられないようにしてから再び財布を拾う。
 そう言えば、この世界ってMSとか軍の通信とかはあるのに、携帯電話の類が発展してないんだよな。
 この辺は世界による技術の進歩が多少なりとも関係してるんだろうが。
 そんな事を考えながら、財布の中身を確認する。
 俺が予想した通り、財布の中には大量の紙幣が入っていた。
 昨日俺を襲ってきた男達が持っていたのが、日本円にして大体10万円くらい。
 だというのに、この男達は1人で50万くらいの紙幣が財布の中に入っていた。
 こんなに紙幣が入っていれば、それは当然財布がパンパンになるよな。
 だが……当然疑問もある。
 こいつらは別に金持ちに生まれたという風には見えない。
 そんな奴等が、何故これ程の金額を持っている?

「お前等、何か人に言えないような事をしているな?」
『……』

 その問い掛けに、戻ってきたのは沈黙。
 後ろめたい事がある証だろう。

「いいものを見せてやろう」

 そう告げ、拾った拳銃の銃口を男達の方へと向ける。
 撃たれるかもしれない。
 そんな風に思ったのだろうが、銃声が響けば警察や……もしかしたら軍隊がやってくるかもしれないんだから、そんな馬鹿な真似をするつもりはない。
 俺がやりたかったのは、もっと別のもの……こちらが自分達の手が出せる存在ではないというのを思い知らせ、同時に従順にする為の一手間。
 それは即ち……

「嘘……だろ……」

 この拳銃の元の持ち主が、信じられないといった様子で呟く。
 当然だろう。何故なら、俺が握っている拳銃が見る間に形を変えていくのだから。
 そこにあるのは手品でも何でもなく、ただ純粋に俺の腕力……いや、握力によるものだ。
 拳銃の材質には金属以外に強化プラスチックとか樹脂製のものが使われている事も多いのだが、幸いと言うべきかこの拳銃は金属の塊だ。
 それだけに、目の前でその金属の塊を握りつぶされるのを見せられた男達は、一瞬にして戦意をへし折られてしまった。
 ……まぁ、これが五飛辺りなら、まだ元気だったかもしれないが。
 ヒイロだったら自爆して、デュオならこっちと意思疎通を図り、トロワは撤退し、カトルなら友好的に接してくる……といったところか?
 ともあれ、こいつ等がただのチンピラである以上、こうしてあっさりと諦めるのはある意味当然の事だった。

「さて、もう一度同じ質問を繰り返そう。くれぐれも……く・れ・ぐ・れ・も、言葉を間違えないようにな。……お前達、何をしている?」

 こうまでして俺がこのチンピラ達に詳しい話を聞くのは、別にそれを止めさせようとか、そんな風に思っての事……ではない。
 ただ、もしかしたら……そんな思いがあった為だ。

「その、盗んだ車とかを裏の人間に売り捌いてます」

 ビンゴ。
 やっぱりその手の悪事をしていたか。
 つまり、この金額はその報酬という訳なのだろう。
 出来ればMSとか軍用車とかを売り捌いているとかだったらもっと良かったのだが。
 ……まぁ、ただのチンピラにそんな真似が出来る筈はないか。
 それでも裏の世界の人間に伝手が出来たというのは、こっちにとっても予想外のラッキーだった。
 もしかしたら、上手い具合にハワード達と連絡を取る事が出来るかもしれない。

 ともあれ、聞きたい事は聞いた。
 後は拾った財布からそれぞれ紙幣を抜き出し……こうして俺は、日本円にして一気に250万円近い収入を得ることになる。
 紙幣を抜き取られるのを見ていたチンピラ達が絶望に近い表情を浮かべていたが……俺に喧嘩を売ってこの程度で済んでいるのなら、それはラッキーだと思うんだが。
 いや、マジで。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1213 
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