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Three Roses

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第二十一話 地位と力その十一

「お果たし下さい」
「王の座は至高の座にして」
「全ての責を負うものです」
 デューダー卿がこうマリーに話した。
「国を富ませ民を安らかにする」
「それも先を、広く見たうえで」
「そうしなければなりません」
「それが王の責務ですね」
「王冠を戴いたならば」 
 まさにというのだ。
「そこまでしなければなりません」
「そうですね、私は女王となれば」
 その時のことをだ、マリーは話した。
「お父様から三代の王に倣ったうえで」
「よりよく、ですね」
 大司教がマリーに応えた。
「この国を治められますね」
「そう考えています」
「そうですか」
「はい、そしてです」
 そのうえでというのだ。
「この国の民が長きに渡って繁栄と平和を謳歌する様にします」
「この国は苦難の中にあります」
 大司教はマリーにあえてこの現実を話した。
「王国と敵対し法皇庁とも疎遠であり」
「国の中もですね」
「疫病が時折起こり民もまだ生活が豊かではありません」
「財政基盤も弱く」
「「まだ諸侯の力が強く」
「旧教徒もまだまだ力があり」
「不安定な要素に満ちています」
 はっきりと不安定と言える状況だというのだ。
「この国は今は」
「だからこそですね」
「バランスよくです」
 まさにというのだ。
「どの勢力の勢力も抑えたうえで」
「政治を進めていき」
「王権を強めその力で」
 王に集めた強大な権限を使い、というのだ・
「この国を治めるべきです」
「王権もですね」
「今以上に強めねば」
「国は治められませんね」
「力は一つの場所になければ」
 ロドネイ公もマリーに話す。
「やはり国はまとまりません」
「強い力が一つの場所に」
「東方の言葉ですが」 
 こう前置きして言う言葉はというと。
「天に二日はありません」
「力は常に一つですね」
「それが最もいいですから」
「王権をより強め」
「そのうえで国と民を治められて下さい」
 女王になればというのだ。
「新旧双方の宗教も同じです」
「新教の勢力はこの国に根付きました」
 キャスリング卿もマリーに話した。
「後は旧教徒達もないがしろにせず」
「双方のバランスを取り」
「国を栄えさせていきましょう」
「私はこの国はよりよくなると思っています」
 マリーは側近達に自身が見たこの国のことも述べた。
「北の国と島国、半島と一つの国になれば」
「そしてその四国の力をまとめれば」
「その時は」
「畑も増やすことが出来よき漁場も多くなり牧場も増え」
 そうしてというのだ。
「四国の間の商業の行き来も落ち着き盛んになり」
「これまで以上にですね」
「栄える」
「四国がj一つになれば」
「互いに争うこともなくなり」
「これまでは争いに無駄な力を使ってきました」
 四国それぞれがだ、もっと言えばこの国が国境を接している他の三国と常に衝突と摩擦を繰り返してきたのだ。それによって。
 四国全てが国力を消耗してきた、だがそれがというのだ。 
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