聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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467部分:第六十五話 魔性の杖その六
第六十五話 魔性の杖その六
「わかったな。だからこそ」
「今は帰るってわけですね」
「そういうことだ」
こうして帰路に着く彼等であった。アンデスでの戦いはこれで終わった。しかしそれはまた新しい戦いへのはじまりでもあったのである。
「サリアよ」
「はい」
アンデスでの戦いを終えたサリアは既にトラキアに戻っていた。そこでエリスの前に控えてそのうえで一連のことを報告していたのであった。
そうしてだった。エリスはそれを聞いて静かに頷いていた。
「わかった」
「宜しいでしょうか」
「よい。御前は御前のやるべきことをやった」
エリスはこれまでの八大公の者達と同じ言葉をかけたのだった。
「それでよいのだ」
「有り難うございます」
エリスのその言葉を受けて頭を下げるサリアであった。そうしてそのうえでまた述べるのであった。
「あの地での戦いに倒れた者達もその言葉で浮かばれます」
「いや」
しかしであった。また言うエリスであった。
「あの者達はまた姿を現わす」
「またですか」
「そうだ、まただ」
こう述べるのだった。
「だからそれは安心していいのだ」
「といいますと」
「何かが起こるのですか」
「アーレス様を信じることよ」
そしてエリスがここで出した名前は自分達の主の名であった。そのアーレスである。
「それだけでよいのだ」
「そうですか。それでは」
「我等は」
サリアだけでなく他の八大公達もその言葉に頷くのだった。
「再びあの者達に会うことを楽しみにしています」
「その時を」
「うむ。そうしてだ」
言葉を続けていくエリスであった。
「次の戦いだが」
「はい、次は」
「どの場所で」
「オセアニアだ」
そこだというのだった。
「オーストラリアになる」
「あの南太平洋の大陸ですか」
「あの地においてですか」
「左様。あの地になる」
そうだと話すエリスであった。
「そこに向かうのは」
「一体それは」
「誰になりますか」
「リゲルよ」
ここでエリスが名を呼んだのは彼であった。
「御前が行くがいい」
「わかりました」
そのリゲルがであった。エリスの言葉に応えたのであった。そうしてそのうえでエリスに対して顔を向けたのだった。
「それではすぐに」
「おそらくは」
また言うエリスだった。
「あの地に向かう黄金聖闘士はだ」
「はい、その者は一体」
「レオになる」
彼だというのである。
「あの者が出て来るであろう」
「面白いです」
リゲルは彼の名を聞いて期待する笑みを浮かべた。今から戦いを楽しむその笑みであった。戦う前からもうそうしているのだった。
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