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ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
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進路指導のウィザード
  会談前の日々

日曜の夜、グレモリー眷属とシトリー眷属が風呂から出て夕食を摂ってからそれぞれの家に帰ったが、朱乃と白音だけは我が家に泊まる事になったらしい。修行と言うより監視側だったので、今回のご褒美を貰う為なのかもしれない。今は夜食を食べていた俺、普段なら食べないが今回は流石に腹が減ってしまった。

「うーん。夜食を食べ終わったとしても、何かがあったような」

「「一誠さん」」

「ん?朱乃と白音か。どうしたんだ、こんな遅くに」

「最近一誠さんが考え事をしていると母様から聞いたので、相談役になれないかと思いまして」

「・・・・何かあった事をグレモリー眷属には聞かれたくないのかと」

「流石だな。まあ最近の俺達は強さもそうだし、メガ進化についても散々やってきたが『PMW』からの報告によると新たなポケモンとZ技に関してな」

普段の俺達なら既に寝ているが、この二人はグレモリー眷属で悪魔稼業しているのでこの時間に起きていても自然である。今回新たなポケモンとZ技に関する事を聞いていたけど、今後起こる邪龍を仲間にするかがポイントとなってくる。それならば対ドラゴンに効果のある技を教えといた方が良いのか迷っていた。

「確かに新たなポケモンや技も増えましたが、今は魔法使いや吸血鬼に関してやるべきだと思いますわ」

「波導弾やエレキボールなどを教わって連携技を考えているみたいですが、朱乃さんの言う通りかと」

「ま、ここで考えても仕方ないしな。明日は学校だし、久々に一緒に寝るとしよう。恐らく寝室にはレイヴェル達が待機してるはずだ」

そう言って俺の部屋に行くと待機していたレイヴェル達だが、俺はここで本来のレイヴェルとは違う一面をストーリー原案の時から知っていた。

親しい者の前では礼儀正しく、慎ましいが基本的にリアス並みの我が儘プリンセス。ヒトの物を欲しがる癖があり、俺らと暮らしている内に見えてくるはず。だけど俺らが介入した事で、本来起こるイベントすらカットする程だ。

昨日は隣に朱乃と白音だったが、更に隣にソーナ達が一緒になって寝てたのは俺らの秘密となっている。学校に来てはいつも通りの風景かと思いきや、俺は昼休みに生徒会室に来ていた。俺と匙で、珍しくボードゲームをしていた。

「チェックメイトだ、まだまだだなぁ、匙♪」

「クソ!何故だ、何度やっても最終的に勝てないのはいくら何でも理不尽過ぎる」

『我が分身よ、もっと冷静になって攻略しないと永遠に一誠に勝てんぞ』

全勝している俺に対して、匙は全敗となっていたのでどちらが白星と黒星かハッキリしていた。それを見ていた匙の影を媒介して見学していたヴリトラ、ドライグも観戦しているがヴリトラのような真似は出来ない。なので神器内にてボードゲームをしている残留思念達を見て観戦している様子で、レーティングゲームの競技内の一つであるスクランブル・フラッグを模したボードゲーム。

『ルールを説明すると、広大なゲームフィールドに旗が何本も立っていて交互に駒を動かして奪い合うゲームだ』

『制限時間内に全部奪取するか、相手よりも多くキープすると勝利となるし取られた旗を奪う事も出来る。その時使うダイスの目によって、防衛か強奪の二択しかないのさ』

『だから相棒は隙を開けさせてから、最終的に旗を全て奪取してる訳か』

『これを実際のゲームに置くと、ルールによってダイスを使ったりして攻守をどこにするかで勝敗が決まる。ま、一誠の旦那は全てを見通す心眼を持ってるから広大なフィールドとの睨み合いはしないだろうよ』

と神器内にいる残留思念達からルール説明を聞いたドライグ達、全部筒抜けであるがまあいいとして旗の死守を如何様な手段をしても良し。フィールドに隠すか敵を誘って囮にしたり旗を捨てて態勢を立て直すも良し、戦術が得意な軍師達にやらせるとソーナやシーグヴァイラでさえ負けてしまう時がある。

グレモリーは力押しが強い眷属だから、頭を使うゲームだと難儀となってしまいパワーに任す事でハメられる。

『一誠はどんな戦だろうとも冷静に分析をして戦う前線スタイルだ。我が分身も余り熱くなり過ぎると、ハメ技で一気に負けてしまうぞ』

「うるせえよヴリトラ。兵藤は神でこっちは転生悪魔で下級だ、それに会長の『兵士』は分析係じゃないから俺は『王』の指示に従えばいいんだよ。それより聞きたい事があるんだが」

「その通りだな。『兵士』は『王』の指示を聞けばいいし、俺らが対バアル&グレモリー戦をしている間にシーグヴァイラ対ソーナとしたそうだな。確かソーナが何とか勝てたらしいが、二人共戦術家で俺らで言うなら軍師タイプだな。聞きたい事とは?」

『ヴリトラの尤もな意見ではあるが、前線で戦う兵士だからそれはそれでいいのではないのか』

『ふむ、下級悪魔で「兵士」とはそう言う感じか。だがまあ我が分身は成長速度も良くなってきてるし、そろそろ禁手化可能かもしれん』

「そう言う事さヴリトラ。お前の言う事も一理あるがな・・・・それよりお前は妻子持ちってのは本当か?」

今更その質問が飛んでくるとは思わなかったが、もしかしてソーナから聞いたのか?と質問すると無言で頷いたので俺はスマホの待ち受け画面を匙に見せる。月中基地本部で撮影したので、俺と奏と優斗との家族写真を見せると仰天しながら見ていた。ソーナが俺の婚約者になった事に関して静かに祝っていたし、本来の匙とは違うリアクションだ。

「ま、お前の夢は俺が壊してしまったかもしれんが今のお前には好きな人がいるだろ」

「まあな。最初は主と結ばれるのが夢だったが、会長がお前の婚約者になってから俺は生徒会内にいる女子ら二人と恋してる状態となった」

「努力次第で結ばれるかもしれんが、ここから匙次第で何とかなるだろうから応援してやるよ。惑星アースでおみくじ引いた時、八割当たっていた様子だったし」

おみくじ内容に関して野暮だから聞かない事にしていたが、主様に恋心はあっても待人はすぐ隣にいると書いてあったとか。進展に関しても生徒会メンバーと一緒に買い物したり、三人でデートするまでの仲とか。こちらは神以前に天龍と龍王で差に関して問題ない。

「一誠さん、生徒会室に来ていたのですね」

「邪魔している。暇だったんで来てみたら匙とゲームしていた」

ここで『僧侶』の花戒さんと『兵士』の仁村さんは匙を連れて行ってしまったが、これも俺とソーナの関係を知っての行動だったのだろう。あの二人が匙の事を好きになった者らで、影から見守っていたヴリトラも外に出ると同時に元の場所に戻っていたがな。匙の代わりに今度はソーナが隣に座って来て、一緒にお茶を飲んでいた。

「やっと二人っきりになれましたが、ここだけですよ。二人っきりになれるのは」

「そりゃそうだ。同じ婚約者のシーグヴァイラにイリナとレイヴェル、グレモリー眷属だと朱乃と白音だからな。人間界本家だと最近自室に籠って何かを開発中である」

「朱乃から聞きましたが、何やら私達でも知らない代物らしいとの事ですが教えてはくれませんか?」

「俺の性格を知っていると思うが、主に驚いてもらいたい所だからまだ教えんよ」

しばらくお茶していると、手元にある小型の魔法陣を開いて見ると吸血鬼との会談は明日の夜になるそうだ。俺も一緒に出るようにとアザゼルから頼まれたし、もしあちら側から無茶の要望が来たとしても俺自らの手で粉砕する力を持っている。

「無茶な注文(オーダー)してこないと思うが、俺らは普通に接するからソーナらも普通にな」

「椿姫も早めに落としてもらわないと困りますが、自然に落とすかこちらから落とすかは。ええ、分かってますよ一誠さん」

「そっち方面は分からんが、今は吸血鬼に関してだからな。早めに祐斗を落としてもらわんとね・・・・師と弟子の関係よりも別口になってくる気がする」

「では後程リアスに言っときますが・・・・今日は一緒に寝てもいいですか?」

今日は部室に寄らない予定なので頷いてから放課後となり、俺ら学校組はさっさと送迎車に乗って帰った。そんで軽く伝えると明日に関しては了解を取って、何が起きてもいいような準備をしていた。ブラック・シャークに連絡と共に、学校周辺に部隊を展開して何が起きてもいいようにな。吸血鬼にとって身近で最も遠い種族とされていて、俺とギャスパーしか知らない秘密もある。

翌日の深夜、吸血鬼との会談日に俺らブラック・シャークが駒王学園周辺にて部隊展開していた。旧校舎オカ研部室には、グレモリー側全員・シトリー側はソーナと椿姫の二人で堕天使代表のアザゼル。天界側として俺がよく天界で会っているシスター・グリゼルダ、そして黒神からは学校組と愛紗・朱里の二人とされている。俺は部隊展開を終えてから部室へ入ってきたけどな。

「一ちゃん、今までどこ行ってたんだ?」

「何が起きてもいいように、ブラック・シャークを部隊展開していた。全員量産型聖剣エクスカリバーを所持してるんで、透明にて姿を消していて遠くから狙撃銃で待機組もいるけどな」

「何時も悪いな。軍展開出来るのは俺らやサーゼクスらが出来るんだが、ここは人間界だから俺らが展開するよりもブラック・シャークが展開した方が警戒心薄くなる。気配消しているし透明となっていても、監視させているのは望遠鏡とスコープで見ている奴らだしな」

「ここが冥界だったらそうかもしれんが、ここは人間界でいくらグレモリーが駒王町を管轄地としても実際は俺らの管轄だからな。既に展開完了となったから来た訳だが、ギャスパーは今回表なのか裏なのかどっち?」

「基本的には私ですが《一誠の旦那が許可出れば俺は表に出れる》勝手に私の口を使わないで下さいよ《おっと悪い悪い。許可されたと思ってたが、まだ俺の出番は無さそうだ》そう言う事なのでリアス先輩達は余り気にしないで下さい」

ギャスパーは基本的に表だが、もしも吸血鬼側から何か来たら闇ギャスパーの出番かもしれない。一見普通に見えるが、表裏一体なのか性格や一人称が変わる。で、ここにいるシスターは会った事がない者もいるんでな。ベールを深く被り、女優のような目鼻立ちがはっきりとした北欧的な顔立ちをした美人。二十代後半で柔和な表情と優しそうな雰囲気を出している。俺登場と共に改めて挨拶をする。

「挨拶が遅れましたが、私の名はグリゼルダ・クァンタと申します。この地域の天界スタッフを統括しておりまして、シスター・アーシアとは少し前にご挨拶出来ましたが皆様とはまだでしたので改めて今後とも何とぞよろしくお願い出来たら幸いです」

「俺とは天界でよく会っているが、イリナの上司とされている。アザゼル、ガブリエルのQって言えば分かるよな」

「話には聞いていたが、シスター・グリゼルダと言えば女のエクソシストだと五指に入ってたな。イリナの上司と言う事は自動的に一ちゃんの部下と言う事か?」

「恐れ入ります。堕天使総督様のお耳に届いているとは、織斑様からよく聞いておりましたが光栄の至りですわ。私の上司様はガブリエル様ですので、織斑様とは蒼い翼や天界関連でお世話にしております」

「俺の部下ではないが、三大勢力トップ陣との仲介役だからな。まあ天界側のスタッフを統括している転生天使を指示してるから、自動的にそうなるのか?」

四大セラフ、ガブリエルのQでイリナの上司と言うのは知っている。俺は今回織斑一真として来ているが、CB側としてなので別勢力ではあるがこうして三大勢力を統括していると思う。ミカエルがスペードの札を司るに対してガブリエルはハートの札を司る。シスター・グリゼルダは『クイーン・オブ・ハート』と呼ばれていて、天界とヴァチカンを行き来している。

「この地域の教会支部に顔出しが困難とされているが、俺としては天界と他でよく会っているからな。そう言えばこの前会った時に、ゼノヴィアの取扱い説明書を貰ってたんだった。祐斗、お前の為に説明書を作成してもらった」

「そうなのかい?ありがとうございます。わざわざゼノヴィアに関する説明書を作成して頂いて」

「いえいえ、私にとって言えば取扱いが面倒だと思いましたので。織斑様のお弟子さんが困っていると聞いたのですから、あの子に関して纏めた物だけど結構な量なので」

「ついでに私達にも見せてもらっていいかしら?今後どう扱うか祐斗から頼まれたのを忘れてたわ」

取扱い説明書を原本と複製と分けてから、俺の力によって複製品をグレモリー眷属に渡る。ゼノヴィア本人は読ませないように動くが、イリナが動きを止めている間に見ていた。その際の狼狽振りも凄まじく、同じ施設の出で小さい頃から世話になっているからか。頭が上がらない苦手人物=俺とグリゼルダで、敬虔な信徒であったゼノヴィアが悪魔になった事は瞬く間に広がった。

『ま、ゼノヴィアが悪魔になったのは一真君が報告に上がってたからね』

『そう言う事だ。ショックではあったらしい、ある程度ケアさせたんで問題無かったが別件で怒らせてしまったのは俺の所為ではない』

『そうよね。今まで連絡しなかったのが一番悲しかった訳だし、私ら以外との顔合わせも今回が初だけど』

「シスター・グリゼルダは本来ならもっと早くに挨拶したかったらしいが、仕事の都合が付かずに今に至る訳だが余り気にする事は無いぞ。ところでゼノヴィアの顔色が悪いのは気の所為か」

「織斑様にそう仰るのでしたら陳謝する必要性が無くなりました。今後ともよろしくお願い致します・・・・それに関しても触れて頂きありがとうございます」

「そうよね。でも一人だけ顔色が悪いわね~ゼノヴィア」

俺とイリナが意味深な質問と視線を向けさせると、ゼノヴィアは先程の説明書回収を諦めて顔を強張らせてシスターの視界に入らないようにしている。だがそうはさせまいと念力で動きを止めてから、ゼノヴィアの顔を両手でロックさせて押さえていた事で念力解除。

「ゼノヴィア?織斑様もこう仰ってるのだから、私との顔合わせるのがそんなに嫌だったかしら?」

「・・・・ち、違う、た、ただ・・・・」

「ただ?」

「・・・・で、電話に出なくてごめんなさい」

ゼノヴィアがケータイの着信を無視ってた音源はシスター・グリゼルダらしいな。そう言えば鳴っていても無視か着信拒否してたが、これはこれでからかいがありそうな事案だ。弱みを握られたらパワーバカな性格を少しは治せるかもしれん。謝罪を受けた事で手を離していた。

「はい。よく出来ました。せっかく番号を教え合った仲ですので、連絡ぐらいは寄越しなさい。分かりましたか?食事ぐらい出来るでしょ?」

「・・・・ど、どうせ小言ばかりだろうし」

「当たり前です。また一緒の管轄区域になったのですし、織斑様の報告よりも直に会って話してみたいものです。心配ぐらいしてます」

「そこまでにしといてくれ、グリゼルダ。説教に関しては吸血鬼との会談が終えてからにしてくれ」

何やら説教を始める勢いだったんで、止めたが俺の仲間もついでに紹介しといた。白龍皇ヴァーリと魔法使いのルフェイ、関羽と諸葛亮に関しては既に紹介済みなので自己紹介を終える。シーグヴァイラとレイヴェルについてはある程度知ってるんで問題無し、困った妹としっかり者の姉と言う感じで剛胆なゼノヴィアが可愛い反応をするのは新鮮度が高いと思う。 
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