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『残骸』

作者:零那
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『制裁』



貴女と僕の物語は偶然から始まった。
僕は本当に偶然、稀な経緯で其処にいた。
貴女は偶然、そんな僕に声をかけたくなった。
たったそれだけのこと。

そんな偶然が在ったから僕は今此処で生きてたりするんだろう。
強い繋がりが在ると信じた。

不思議な貴女は真っ直ぐで美しい人だった。
離れていても貴女を想ってた。
貴女が心を占領してる。

貴女が壊れてしまいそうな時、掬えなかった。
守りきれなかった。
貴女は僕を掬ってくれたのに。
僕が守りたいものは僕が壊してしまった。

愛しさや情や感謝が募れば、其れが何なのか解らなくなる。
たった1人さえ守れない無力で無能な此の僕の命を引き換えに...。

闇が覆う寒空の下、星達の煌めきが奏でる別れのメロディ。
強く在れと願うのに何ひとつ強くなれない僕に制裁を。


 
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