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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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44部分:第五話 デスマスク出陣その三


第五話 デスマスク出陣その三

「ドイツつったら」
「お嫌いですか?」
「いや、結構好きだな」
 まんざらでもないといった顔でジャミアンに言葉を返した。
「イタリアでも結構食うからな」
「そうですか」
「ああ。で、どの店に行くんだ?」
 デスマスクは次にそれをジャミアンに問うた。
「御前が知ってるのか」
「ええ、まあ」
「確かだろうな」
 何故か彼はここでジャミアンに懐疑の目を向けるのだった。他の聖闘士達も同じだった。ジャミアンにしてみればそれが何故か不服だった。
「何で俺をそんな目で見るんですか」
「御前イギリス人だろ」
 デスマスクはそこを指摘した。
「イギリス人ならやはりな」
「味がわからないっていうんですか!?」
「違うか?」
 デスマスクはそれを真顔で問うのだった。
「まずいので有名だろ、イギリスは」
「確かにそうですけれど」
 ジャミアンにしろそれは否定しない。できないと言ってよかった。
「それでも。ちょっとは信じて下さいよ」
「デスマスク様」
 ここでディオがジャミアンに助け舟を出した。
「一応こいつは味がわかりますよ」
「本当か?」
「これで料理も得意ですし」
「嘘だろ!?」
「ジャミアンが」
 青銅の面々もこれには驚きだった。今回参加しているのは旗魚星座の ゾルダと巨嘴鳥星座ブラウ、それに八分儀星座のレッシュと帆星座のアンタスの四人である。
「イギリス人なのに」
「料理が得意なのか」
「あのなあ、御前等」
 いい加減ジャミアンもうんざりしてきて彼等に対して言う。
「幾らイギリス人でも料理はするぞ」
「それでも」
「イギリスといえば」
「イギリス人でも味に五月蝿い奴はいるんだ」
 こう四人に述べる。
「俺みたいにな」
「にわかには信じられんがな」
 しかしデスマスクはまだ信じようとはしない。
「まあ味が悪かったら全額御前が出すってことでいいな」
「あれっ、巨蟹宮からそういった経費は全部出るんじゃ」
「馬鹿言え」
 それはその巨蟹宮の主であるデスマスクによってすぐに否定された。
「そんな訳ねえだろうが」
「そんな訳ないって」
「聖域だって金が無限にある訳じゃないんだぞ」
「あれっ、そうだったんですか」
 実はそのことについてここにいる誰も実感がなかったのだ。デスマスク以外は。
「金なら腐る程あるとばかり」
「あるにはあるさ」
 それはデスマスクも知っている。
「けれどな。かなりの部分が人件費やら神殿とかの維持費に消えるんだよ」
「えっ!?」
「そんなので!?」
「兵隊だけで何人いると思ってるんだ」
 デスマスクの言葉はかなり現実的であるがかなり夢のないものでもあった。少なくともあまり聖域にとっては見て欲しくはない現実である。
「十二宮にしろだ」
「はい」
「あれだけのものを維持するんだぞ。相当な金がかかってるんだぞ」
「そういえば俺達も」
「生活に困ったことはないよな」
 生活は完全に保障される。聖闘士ならば。
 
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