聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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439部分:第六十一話 対話その四
第六十一話 対話その四
「あの者達はな」
「はっ、ではその時になれば」
「あの者達をまず」
「聖域は黄金聖闘士あってのものだ」
男はそれを確信していた。
「あの者達がいなければだ」
「後は白銀と青銅の者達だけ」
「何ら恐れることはありませんな」
「その通りだ。恐れることはない」
やはり男はそう見ているのだった。聖域については。
「何もな。それではだ」
「はい、ではその時が来れば」
「まずは黄金聖闘士を」
「そういえばだ」
男はここでふとあることも思い出したのだった。それが何かというとである。
「先のハーデスとの戦いだが」
「あの聖戦ですか」
「あの戦いでは黄金聖闘士達の他に青銅の者が活躍していたな」
このことを思い出したのである。
「確かペガサスの青銅聖闘士だったか」
「青銅がですか」
「聖闘士の中でも最下級の者がですか」
「そうだ。その青銅の者がだ」
活躍したというのである。控える者達にとってはそれは思いも寄らぬ、想像することなぞ全く考えられない、そうした次元の話であった。
「まさか」
「青銅の者がですか」
「確かハーデスを封じるのに決定的な役割を果たした」
それをしたというのである。
「その青銅の者がな」
「それがペガサスですか」
「ペガサスの聖闘士」
「所詮は青銅の者だ」
男はだからといって青銅聖闘士を高く評価していなかった。彼にとっては黄金聖闘士以外の存在は所詮は塵芥の如き存在でしかないのである。
「やはり針の穴程度であろうがな」
「しかし神である冥皇ハーデスに影響を及ぼしたとは」
「信じられません」
「あの戦いにおいては」
控える者達は次々にそれぞれ話していくのだった。
「黄金聖闘士達の命を賭した戦いが残っていますが」
「冥界三巨頭や無数の狂闘士達、そして冥界の神々との」
「その最後の戦いでのことだったようだな」
その時だというのである。
「そのペガサスが活躍したのは」
「最後で、ですか」
「冥皇に対して」
「ハーデスは三つの世界のうちの一つを治める者」
男は言った。
「その力は神々の中でも群を抜いている」
「その通りです」
「海皇ポセイドンと並んで」
「そのハーデスに人が何かをした」
男もそれは信じられないようであった。言葉に懐疑的なものが宿っている。
「にわかには、というのも無理はない」
「申し訳ありません」
「我々にはその話は」
「しかしだ。ペガサスは今はいない」
男はここまで話したうえでこう述べたのであった。
「今はな」
「いないのですか」
「あの者は」
「そうだ、聖衣は主を持たないままだ」
そうだというのである。
「長きに渡ってな」
「ふむ。左様ですか」
「そういえば青銅の空席が十はあるようですが」
そのことは僅かだが彼等も知っているようである。
「そのうちの一つに入っていますか」
「まあもっとも」
彼等は歯牙にも止めていないといった口調であった。そしてそれはそのまま彼等の青銅聖闘士に対する考えを出しているものであった。
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