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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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435部分:第六十話 着陣その四


第六十話 着陣その四

「しかし。今はない」
「そういうことだな」
「貴方の分は今のところないのだ。我々の分を切り詰めればそれは充分可能だが」
「ですね。それじゃあ」
「そうしましょう」
 青銅の者達がすぐに頷いたのであった。
「俺達の分を少なくしたら充分ですよ」
「それで八人分の食料と燃料が確保できます」
「その通りだな」
「それでいける」
 シリウスとカペラもそれでいいと結論を出した。
「ではそういうことでだ」
「アイオロス様の為にな」
「いや」
 ところがだった。そのアイオロスがここで言ってきたのだった。
「私のことはいい」
「ですが」
「それはあまりにも」
「実は持って来ているのだ」
 ここで微笑んでこう言ってみせたのである。
「既にな」
「えっ!?」
「持って来ておられるのですか」
「既に」
「私の分のテントも食料もだ」
 そういったものが全てあるというのである。
「持って来ているのだ」
「そうだったのですか!?」
「もうですか」
「ふふふ、意外だったか」
 驚きを露わにさせている青銅の者達に対して微笑んだまま言ってみせるのだった。
「これは」
「ええ、まあ」
「それはその通りです」
「私も手ぶらでここまで来ることはできない」
 そうだというのだった。
「だからだ。持って来ている」
「そうですか」
「それなら」
「ただしだ。私のアルパカやリャマ達はまだ遠くにいる」
 今ここにはいないということだった。
「合流できるのはまだ先だな」
「それではです」
「待たせてもらいます」
 カペラとシリウスがここでアイオロスに対して述べた。
「アイオロス様の荷がここに来るまで」
「我々はここで」
「そうだな、そうするとしよう」
 ミロもまたその二人の言葉を受けて頷いた。
「いいな、それで」
「はい」
「それでいいと思います」
 青銅の者達も異論はなかった。皆ミロのその言葉に対して頷く。それが何よりの答えであった。
「これで決まりだ。アイオロスよ」
「申し訳ないな」
 ミロのその言葉を受けて微笑むのだった。
「ではすぐに戻りこちらに合流する」
「そうしてくれ。では我々は今はここで休もう」
「ええ。じゃあ」
「合流してからですね」
「戦いはまたそれからだな」
 ミロが言ったのだった。
「進んでからな」
「その間に来たら」
「その場合は」
「案ずることはない」
 ミロは六人に対して穏やかに返してみせた。
「このミロが警戒に当たる」
「そうか。では頼んだ」
 アイオロスがその言葉を受ける。こうして全ては決まった。
 アイオロスも合流した。そのうえでマチュピチュに向かうのだった。戦いはまだこれからであった。


第六十話   完


                2009・10・11
 
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