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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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427部分:第五十九話 盆地での戦いその二


第五十九話 盆地での戦いその二

「ですからフォルス様達は今は」
「ここでお休みになって下さい」
「御前達がか」
 フォルスはその彼等の申し出を静かに受けるのだった。
「スコーピオンの首を挙げるというのだな」
「はい、そうです」
「そして他の聖闘士達も」
 また言った。その言葉には強い意志があった。
「ですから。お任せ下さい」
「ここはどうか」
「フォルスよ」
「どうするの?ここは」
 三人はそれを聞いてまずは怪訝な顔でフォルスに問うた。
「インプ達に任せるか?それとも」
「俺達が」
「そうだな」
 フォルスは彼等の言葉を聞いたうえで。静かに決断を下した。 
 そしてそのうえで周りに顔を向けて告げた。
「御前達が行くがいい」
「はっ」
「有り難き幸せ」
 インプ達に向けた言葉だった。まずは彼等に行かせたのである。
「見事聖闘士達の首を挙げるのだ」
「はい、それではすぐに」
「あの二人を」
「さて、それではだ」
 彼等はフォルスに礼を述べすぐに動きだした。そしてそのうえでミロ達に対して向かおうとする。山の上でのそれぞれの場所で構えだした。
「スコーピオンよ」
「まずは貴様だ」
「俺だというのか」
「そうだ、聖闘士の中で頂点に立つ黄金聖闘士」
「貴様を倒してからだ」
 彼等はそう言いながら三叉の槍を構える。そして一斉に飛んだ。
「いいのか、フォルス」
「インプ達に行かせて」
 彼等が動いたのを見ながらフォルスに問う三人だった。
「スコーピオンの強さは尋常なものではない」
「それをわかってのことなのだな」
「無論だ」
 フォルスはわかっているというのだ。
「しかしだ。あえて行かせた」
「そうなのか」
「あの者達はどうしてもスコーピオンと戦いたがっていた」
 それを踏まえてだというのである。
「だからだ」
「では何があってもいいのだな」
「この戦いにおいて」
「何かあればその時は俺が動く」
 彼の言葉はまさに剣だった。
「狂闘士の掟通りにな」
「そうか、ならばだ」
「我等もだ」
 彼等もそうだと。はっきりと言うのだった。
「そうさせてもらおう」
「狂闘士だから」
「戦うのだ」
 フォルスはミロに殺到するインプ達を見ながら言った。
「そして今はか」
「あえてだな」
「あの者達に任せるというのだな」
「その通りだ。あの者達がスコーピオンの首を挙げればよし」
 今も彼等を見ているフォルスだった。そのうえでの言葉である。
「しかしだ」
「若しそれが適わなかったならば」
「その時はだな」
「俺が行く」
 フォルスは自分自身のことを出したのだった。
「このフォルスがだ」
「それは止めてもらおうか」
「全くよ」
「それはだ」
 しかしここで三人は彼に対してこう言ってきたのだった。その言葉は揺るぎないものだった。
 
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