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『残骸』

作者:零那
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『理由』



僕が居る理由、其れを探すのは困難だ。
明確な理由なんて無い気がしてるんだ。
本来の理由で在るべきことが理由に成ってるかさえ怪しい。

輪郭を描いて色付けをして、工夫を凝らして仕上げてく。
そんな作業は苦手だ。
其れでも此処に居る...

永い雨に打たれ続けて熱にうなされていても、きっと僕は何ともないフリをしてる。
約束したんだ、一方的にだけど。
耐え続けてくって。

君と花火をしたあの砂浜。
季節はずれだけど、だから良いんだって笑う君。
まるで幼子の様に走り廻って、僕はそんな君が泣いてるかのように見えたんだ。

ねぇ、笑うように泣かないで。
ねぇ、こんな僕でも涙を拭うことは出来るよ。
ねぇ、思うように泣いて良いんだよ。

僕は君を抱きしめたい。
君は僕だから...


 
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