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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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413部分:第五十七話 遺跡の中でその三


第五十七話 遺跡の中でその三

「生物学的にもそうらしいんだよ」
「駱駝の仲間らしいぜ」
「そうか。やはりな」
 カペラは二人の言葉を聞いて納得した顔で頷いた。
「どう見てもそうだな。確かにな」
「まあそうした動物だから」
「特に怖がる必要はないぜ」
「そうだな。だが」
 ミロがそのアルパカを見ながら。そのうえで言ってきたのであった。
「駱駝に似ているのならばだ」
「あれっ、ミロ様」
「何かあるんですか?」
「下手にからかったりすれば報復される恐れがある」
 いささか剣呑な顔で言うのであった。
「そんなことをすればな」
「下手なことって」
「何なんですか、それって」
 それはシフォンとカーベルには全くわからないことだった。
「駱駝って何かするんですか?」
「それって一体」
「駱駝の報復はえげつないものがある」
 ここで述べてきたのはシリウスであった。
「実にな」
「そんなにえげつないか?」
「さあ」
 青銅の者達は今のシリウスの言葉に首を傾げさせた。
「別にな」
「何もないよな」
「なあ」
 彼等にとっては知らない話だった。それでこう首を傾げるのだった。
「駱駝って役に立つしな」
「砂漠じゃ特にな」
 まさに砂漠での荷役の為にあると言ってもいい動物、それが駱駝である。だからこそアラブでは昔から愛されてさえいる動物なのである。
「そんなに悪い生き物じゃないよな」
「むしろかなりな」
「少し悪戯をするとだ」
 しかしここでシリウスは言うのであった。
「やり返してくる」
「少しでもって」
「例えば小便かけるとか?」
「それもあるがだ。俺がやられたのは」 
 実体験から来る話であったらしい。それを踏まえると中々説得力のある話である。
「噛まれた」
「噛まれたって」
「あの歯で噛まれたら痛そうだな」
「大きいし鋭いしな」
 駱駝といえばまさにそうだった。その歯は大きくしかも鋭いのである。それに噛まれればどうなってしまうかというと言うまでもないことだった。
「そんなのに噛まれたのか」
「大変だな」
「子供の頃に動物園でだ」
 今わかるシリウスの少年時代の話であった。
「少し悪戯をして腕を噛まれた」
「へえ、そりゃまた」
「御愁傷様で」
 言葉にはあまり同情というものはなかった。むしろ呆れたようなものがあった。
「駱駝にちょっかい出したらそうなるのか」
「成程」
「だからだ。駱駝には注意しろ」
 ここまで話してあらためて言うシリウスだった。
「その仲間にもな」
「ああ、そういえばこいつも」
「唾吐くんだったな」
 アクタイオンとジャッカーはここでこう一同に話した。
「自分に悪いことをする相手にはな」
「唾吐くんだよ」
「唾をか」
 カペラはそれを聞いてすぐにあることを察した。
「というとただの唾ではないな」
「それがまた臭くて」
「まあスカンクとかイタチの屁みたいなのじゃないけれどな」
 そこまではいかないというのである。
 
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