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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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412部分:第五十七話 遺跡の中でその二


第五十七話 遺跡の中でその二

「だからこそ何があるのかと考えているのだが」
「ああ、それならですね」
「俺達が知ってますよ」
 ここで青銅の者のうちの二人が言ってきた。黒く長い髪の少年と浅黒い肌の少年である。
「そうした店は」
「キューバ料理でしたら」
「アクタイオン、ジャッカー」
 カペラが彼等のその名を呼んだ。小熊座のアクタイオンと兎座のジャッカーであった。
「御前達がか」
「はい、知ってますよ」
「一度ここに来たことがありますから、俺達」
「へえ、そうだったのか」
「初耳だな」
 青銅の残る二人が彼等の言葉を聞いて言ってきた。彼等は片方が緑の目をしている少年でもう一人は白い肌に金髪の少年であった。
「御前等ここに来たことがあるのか」
「また何でだ?」
「ああシフォン、カービル」
「実はな」
 二人は同僚の名前を呼んでから述べた。彼等はそれぞれオリオン座のシフォン、定規座のカーベルである。この四人が今回ミロに同行してきているのである。
「ここにちょっと地震が起こりそうだったんでな」
「それを止めに派遣されたんだよ」
「へえ、そうだったのか」
「それでか」
 二人はそれを聞いて少し驚いた顔をしてアクタイオンとジャッカーに返した。
「このペルーに来たのかよ」
「そういう理由があってだったんだな」
「残念ながら観光じゃなくてな」
「それでも食う時間はあって知ったんだよ」
「そうだったのか」
 カペラは彼等の話を聞いたうえで頷いたのだった。
「それでこの国の食べ物のことを知っているのか」
「まあそういうことで」
「あとですね」
 ここで、であった。不意に一行の前にやたらと首の長い毛深い生き物が出て来た。駱駝に似ているがそれよりもさらに愛嬌のあるが意見と顔立ちである。
「何だこりゃ」
「駱駝じゃねえな」
「ああ、これな」
「今言おうとしてたんだよ」
 アクタイオンとジャッカーは笑ってその生き物を見て少し驚いているシフォンとカーベルに述べた。
「アルパカっていうんだよ」
「ここだけじゃなくて中南米全体にいる生き物でな」
「アルパカ?」
「この生き物の名前か」
 シフォンとカーベルもそのことは察したのだった。
「変わった生き物だな、これはまた」
「中南米は独特の場所だって聞いてるけれどな」
「ここじゃ馴染みの生き物さ」
「まあ可愛がってくれればいいさ」
「そうなのか」
 今度はシリウスが彼等の話を聞きながら言うのだった。
「別に害はないのだな」
「ああ、全然な」
「安心していいからさ」
 二人は笑ってシリウスに対しても告げた。
「毛並みがいいからその為の家畜なんだよ」
「他にはリャマってのもいてさ」
 二人のアルパカに対する説明は続く。
「そっちは荷役に使うんだよ」
「そういう生き物なんだよ」
「そうなのか」
 シリウスは一通り話を聞いてからまた言うのだった。
「最初はおかしな駱駝だと思ったが」
「そうだよな。駱駝だよな」
「確かにな」
 シフォンとカーベルも彼と同じことを思ったのである。実際にそのアルパカはどう見ても駱駝の仲間かそうした類にしか見えないものであった。
「この外見はな」
「まんまだよな」
「実際にそうらしいけれどな」
「駱駝に近いらしいな」
 そしてそれはアクタイオンとジャッカーも認めるのであった。
 
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