Three Roses
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十八話 墓参りその七
「そして滅んだ国も、そうですね」
「確かに。諸侯の力が強く」
「王権に従わず叛乱、果ては簒奪とです」
「そうしたことが多いですね」
「ですから」
それでというのだ。
「私はこう考えたのです」
「王権を聖なるものとする」
「神に授けられた絶対のものと」
「そして諸侯をさらに抑えるのですね」
「国をまとめる為に」
「いい考えですね」
その考えを聞いてだ、マリーは大司教に答えた。
「それでは」
「はい、そうされますか」
「その考えを確かなものにしていきましょう」
「今は、ですか」
「はい、すぐに出すのではなく」
「まずは、ですね」
「それを確かな説にし」
そうしてというのだ。
「世に出しましょう」
「手順を経て、ですか」
「左様です」
こう大司教に述べた。
「今はです」
「そう言われると思っていました」
大司教は既に読んでいた、マリーがどう答えるのかを。マリーが熟考の末に決断を下すということを知っているからだ。
「それではです」
「その様にですね」
「していきます、学者達を集め」
「その様にお願いします」
「権は国王の下に」
国のあらゆるそれはというのだ。
「そうしていきましょう」
「それでは」
「軍もです」
キャスリング橋が言うことは彼の分野だった。
「やはりです」
「抑えておくべきですね」
「王が」
「諸侯の軍ではなく、です」
「国家の軍であり」
「王の軍ですね」
「それのみとすべきです」
国家に存在している軍はというのだ。
「王も諸侯も軍を持っているのではなく」
「王、国家の主であるその存在のみがですね」
「持つべきです」
まさにというのだ。
「マリー様のお父上の頃から進めていますが」
「より進めていく」
「現王もそうされていますね」
「はい」
「それは非常にいいことです、王は海軍も持たれていますが」
「海軍もまた」
「提督達は王に忠誠を誓っており」
キャスリング卿はさらに話した。
「王室にもです」
「忠誠を誓っていてくれていますか」
「海軍は完全に王室の手にあります」
「では」
「海軍もです」
この軍隊もというのだ。
「さらに力をつけるべきです」
「今以上に」
「王国もそれなりの海軍を持っています」
この国の最大の敵であるこの国もというのだ。
「王国に対するにはです」
「我々もですね」
「強い海軍を持つべきなので」
「今以上にですね」
「はい、ですから」
「海軍を育てる」
「そして陸軍もです」
彼等もというのだ。
「これまで以上に王の下に集めるべきです」
「諸侯から、ですね」
「そうです、諸侯の軍事力もかなり弱めてきていますが」
「それを完全にですね」
「なくし軍を王の下に完全に置くのです」
これまでの政策をさらに進めてというのだ。
「そうしていきましょう」
「これからも」
「そのうえで装備もよくしていくべきです」
軍を国王の下に置きつつというのだ。
ページ上へ戻る