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『チロの物語』

作者:零那
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『薔薇』



僕と流那チャンは
いっぱい遊んだ。
此の日、
流那チャンはすごく
落ち込んでた。

お母さんが遂に
帰って来なく
なっていたんだ。

流那チャンの
お母さんは、僕を
たまに家に入れる。
その度
おじぃちゃんが
『早く追い出せ』
って怒鳴るんだ。

僕は、流那チャンが
好きなんだ。
お母さんが
好きなんじゃない。
だって...
いっつもお酒臭いし。
頭くらくらって
なるんだよ...。

流那チャンとは
話さないのに
僕にはいっぱい
話してくる。

此の日、
お母さんが
帰って
こなかったのは、
この前言ってた
男の人の処に
泊まったからだ。

流那チャンは、
お母さんが仕事で
泊まり込みだと
思ってる...。

強がってるけど
本当は
構って欲しい。
大丈夫って
言ってるけど
本当は淋しい...。

そうだよね?
流那チャン...

流那チャンの気が
紛れるなら僕は
ずっと一緒に居る。

流那チャンが僕に
くれた薔薇から
いい匂いがするよ。
此の家には
綺麗な華が沢山。

僕にとって
流那チャンは薔薇。
此の気持ちは
きっと人間の恋心。

やっぱり僕は
人間になりたい。
流那チャンを
守ってたい。

ずっと
此の薔薇を飾った
部屋で一緒に
過ごしたい。


 
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