剣聖がダンジョンに挑むのは間違っているだろうか
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第1話・改訂版
前書き
ベル入団前のヘスティア・ファミリアの眷属数をテレシア1人から変更しました。
ちなみに人数はテレシアを含めて14名です。
どういったキャラがいるかは後書き参照で。(笑)
【視点:テレシア】
どうも、こんにちは。南一姫改めテレシア=ヴァン=アストレアです。私がダンまちの世界に転生し、ヘスティア・ファミリアに所属して早5年が経ってます。
神の恩恵とは別に転生したことで得た加護のお蔭で、僅か5年という年月で冒険者LVが10となり、オラリオ最強の冒険者にもなりました。
あっ、ちなみに現在いる場所は迷宮だったりします。3ヵ月前に派閥の同眷属と一緒に深層50層まで潜り、つい1週間前まで私は単独で深層55層まで潜ってました。
その為、私を含め同眷属の背負っている大型背嚢が大量の魔石やドロップアイテムで膨れてます。今回の遠征でも斬魄刀や防具製造に必要なドロップアイテムが大量に手に入りました。
私の背嚢に入っている不要なドロップアイテムや魔石だけでも全部換金すれば数千万ヴァリスにはなりそうなので、仲間全員分ともなれば数億ヴァリスにはなりそうです。
ちなみに私達――ヘスティア・ファミリアはギルド換金派で、商業系派閥と交渉するギャンブラーではありません。最低換金額でも十二分に稼げますし。今回の換金分も含めれば私個人の総所持金は6億ヴァリスくらいになるでしょうか?
ふふふ。それだけあれば色々できるでしょう。例えば、ヘスティア・ファミリアの本拠地である廃教会を元々の所有者であるヘファイストス様から正式に買い取るとか、ゴブニュ・ファミリアに依頼して本拠地の改装して貰うとか。
明るい未来を想像すると上機嫌になってしまいます。地上を目指す過程でついついリゼロの1stOPと2ndOPを鼻歌で歌ってしまうくらいです。
まぁ、迷宮で鼻歌なんて歌っていたらモンスターに襲われたりもしますが、今いる場所が5階層ということもあって私達には特に問題なかったりします。
そして、5階層に戻って来て数分経った現在。私の進行先から10代前半と思しき少年の悲鳴が聞こえてきました。
(5階層に悲鳴を上げる様なモンスターなんていたかな?)
そんなことを考えながら、私は仲間に地上へと先に戻って置く様に指示を出すと、悲鳴の聞こえた方向へと瞬歩を使って向かいました。すると、そこには壁際までミノタウロスに追い込まれた少年冒険者がいました。
「……霜天に坐せ、『氷輪丸』」
私は腰に差している2本の斬魄刀の内、躊躇することなく『氷輪丸』の柄を掴み、その刀身を鞘から抜き放つと同時に解号を唱え、瞬歩でミノタウロスとの間合いを詰めた。
ミノタウロスの頭頂部から股までを一刀で両断し、左右に別たれたその身は『氷輪丸』の能力で一瞬の内に氷漬けになります。
氷漬けのミノタウロスは『氷輪丸』の能力を再封印すると同時に砕け散り、その氷の欠片はまるで粉雪の様にその場に舞い散りました。
(ふむ、洞窟の中で見る粉雪というのも中々いいですね)
そんなことを考えていると、ミノタウロスがいた場所に魔石とドロップアイテムの角が落ちていました。どうやら、完全に粉々になった訳では無かったみたいですね。
「5階層でミノタウロスに襲われるなんて災難でしたね。大丈夫です―――か?」
ミノタウロスを倒したとはいえ、他のモンスターが生まれることを考慮して『氷輪丸』を手にしたまま襲われていた冒険者に声を掛けると、私の視界に入って来たの原作主人公であるベル=クラネルでした。
(あれ?もしかして私、原作崩壊しちゃいました?)
「うわあああああああああああああああああああああ!!」
私がそんなことを考えていると、ベル君は悲鳴を上げながら私の前から逃げ出してしまいました。これはアイズ=ヴァレンシュタインじゃなくても軽く凹みますね。
というか、もしかしてベル君は原作でアイズ=ヴァレンシュタインに会った時と同じ行動を取っているのでしょうか?
もし、ベル君が原作でアイズちゃんに抱いていた想いと同じものを私に抱く様になったのだとすれば、これから私はどうすればいいでしょう?
「(同じ派閥の仲間だから、普通に本拠地で会うことなるし)本当、どうしてこうなった?」
私が予想外の展開に呆然としていると、何者かが背後から近付いてきました。ちなみに接近して来た者に気付けたのは、加護のお蔭です。
近付いて来る者が奇襲や不意打ちを狙っている可能性があった為、私は振り向き様に近付いて来る者へと『氷輪丸』の切先を向けます。すると、そこには―――
「ッ!!」
「……………【剣姫】アイズ=ヴァレンシュタイン?」
「……【剣聖】テレシア=ヴァン=アストレア」
原作ヒロインがいました。あと、少し離れたその後方に駄狼が1匹。
【視点:アイズ】
私達――ロキ・ファミリアは17階層で対峙中のミノタウロスを逃がすという不手際を起こした。当然、他の冒険者に被害が及ばない様、ミノタウロスを追討する流れになった。
追討の任に着いたのは派閥内でも足の速い私とベートさん。けど、逃げ出したミノタウロスの数が多かったこともあって、最後の1匹が5階層まで逃げてしまった。
基本的に5階層までは駆け出し冒険者が単独で挑むことが多い階層。だからこそ、早くミノタウロスを見つける必要があった。
そして、5階層でミノタウロスの捜索を始めて数分後。迷宮内に冒険者の悲鳴が轟いた。この時、私だけでなくベートさんも下位の冒険者がミノタウロスと接触したと察していたと思う。
だからこそ、私とベートさんは自分の出せる最大速度で悲鳴の聞こえた所へと向かった訳なんだけど、ミノタウロスに襲われていたと思しき冒険者は、既に別の冒険者に助けられていた。
紅髪で騎士服を纏った少女。オラリオ史上最速の5年でLV.1からLV.10に至った世界最速記録保持者。
「………【剣姫】アイズ=ヴァレンシュタイン?」
刀と呼ばれる極東の剣を向けながら私の名前を口にする彼女の名は―――
「………【剣聖】テレシア=ヴァン=アストレア」
「アイズ、1人で突っ走――って、そこの雌!誰に剣先向けてんだ!!」
「……ごめんなさい。後ろから近付いてくる気配に体が勝手に反応しちゃって」
「ううん。声も掛けずに後ろから近付いた私の方が悪いから……」
「おい!雑魚が俺を無視してアイズと話してんじゃね―――」
相手が誰かも気付かず、【剣聖】の肩に手を掛けようとするベートさん。だけど―――
「ガッ!!」
「雑魚、ね。相手の実力も見極められないと恥を掻くだけでなく、駄狼呼ばわりされることになり兼ねませんよ?」
「グハッ!!」
【剣聖】は肩に触れられるより早くベートさんの腕を掴み、掌底を鳩尾に叩き込んだかと思えば、そのまま流れるような動きで地面へと投げ飛ばした。
そのまま地面に仰向けの形で叩き付けられたベートさんは、更に鳩尾へと踵落としを落とされたことで白眼を剥きながら気絶し、その口からは泡を吹いていた。
「……あっ、ごめんなさい。お仲間さんの発言にイラッとして思わず……」
「さっきのはベートさんが悪いから、気にしないで。それにあなたには私達ロキ・ファミリアの尻拭いをさせちゃったから」
「尻拭い?」
「うん、ミノタウロスの討伐。……ベートさんの件も含めてお詫びをしたいんだけど―――」
「別にいいですよ。私もそのベートって駄狼を伸しちゃいましたし。もしお詫びしたいなら、それは襲われていた冒険者にしてあげて下さい」
「襲われていた冒険者って、さっき走って行った白髪の?」
「はい。白髪紅眼の特徴的な冒険者だったので、ギルドで問い合わせればどこの派閥所属か分かると思いますよ」
「………分かった」
「それじゃあ、私は本拠地に戻る途中だったのでこれで失礼します。また縁があれば会いましょう」
「あっ―――」
【剣聖】は最後にそう言うと目にも映らない速さでその場から姿を消した。もっと色々と話がしたかったのに。
「………【剣聖】テレシア=ヴァン=アストレア。どうすれば、あなたみたいに強くなれるの?」
【視点:ベル】
「エイナさああああぁぁぁんっ!!」
迷宮で紅髪の女の人にミノタウロスから助けて貰った僕は羞恥と緊張、混乱からお礼を言わず、全速力で逃げてしまい、気が付いた時には街を突っ切って迷宮探索アドバイザーであるエイナ=チュールさんのいるギルドに駆け込んでいた。
「ベル君?どうしたの、そんな大声出して?」
「極東の剣を2本持った紅髪碧眼の騎士服を着た女性冒険者の情報を教えて下さあああああああぁぁぁぁぁぁいっ!!」
「き、極東の剣を2本持った紅髪碧眼の騎士服を着た女性冒険者?もしかして、テレシア=ヴァン=アストレア氏のこと?」
「テレシア=ヴァン=アストレアさんって言うんですか!!?」
「多分?ベル君の言った特徴に該当する女性冒険者はアストレア氏くらいだから。けど彼女、3ヵ月程前に迷宮の深層に派閥で遠征に行ってて音信不通になってる筈だよ。
一応、所属派閥の主神から遠征に出た眷属の死亡報告を受けていないから生きてはいる筈だけど……」
「僕、迷宮でテレシア=ヴァン=アストレアさんと会ったんです!」
「そ、そうなんだ。でも、どうしてアストレア氏の情報なんて聞きたいの?」
エイナさんに質問された僕は今日あった出来事を話した。
「一気に5階層まで下りて、ミノタウロスに追い回されて、【剣聖】テレシア=ヴァン=アストレア氏に救われたあああぁぁ!!?」
「あの、【剣聖】って?」
「アストレア氏の二つ名よ。って、そんなことよりベル君!君は一体何をやってるの!?単独で不用意に下層に行っちゃダメって言ったよね!それに冒険者が冒険しちゃダメって!!」
「ご、ごめんなさい……」
「もしかして、迷宮に変な夢見たりして無い?」
「え?そ、そんなことないですよ!?は、はははははっ……」
言えない。異性との出会いを求めて冒険したなんて言えない。
「あ、あの!それよりアストレアさんのことを……」
「……う~ん、ギルドが教えることができるのは公然となっていることだけだけど、それでもいいの?」
「はい!どんなことでもいいので教えて下さい!!」
「けど、アストレア氏のことならベル君の方が詳しい筈なんだけど……」
「………え?何でですか?」
「だって、アストレア氏はヘスティア・ファミリアの冒険者。つまり、ベル君の先輩だから」
「へ?……………えええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
「し、知らなかったの?ベル君」
「は、はい。神様から凄い先輩がいるってことは聞かされてたんですが、詳しいことは会ってからのお楽しみって言われてて、先輩のことは何も知りませんでした」
「そ、そうなんだ。それじゃあ、アストレア氏のことは本人やヘスティア様に聞く?」
「……いいえ。ここで聞いて行きます」
「そう?それじゃあ、教えるね。本名はテレシア=ヴァン=アストレア。二つ名は【剣聖】。所属はベル君と同じヘスティア・ファミリア。オラリオでも並ぶ者のいない剣士で、僅か5年という短期間でLV.10に至ったオラリオ最強の特級冒険者。
鍛冶アビリティもないのに、鍛冶系派閥の主神達の前で世界初の自己修復属性武装を鍛った唯一無二の最上級鍛冶師としても有名ね」
「そんな凄い人が所属しているのに、何でうちの派閥は零細なんですか?」
「零細って……。ヘスティア・ファミリアは冒険者の人数的に考えたら、零細派閥って言えないんじゃないかな?」
「えっ?」
「だって、ベル君が入る前からアストレア氏を含めて14人は冒険者が所属していたから」
「ええっ!?」
「……先輩の人数も知らなかったんだね。まぁ、特級冒険者が所属する派閥って考えたら、所属冒険者が14人っていうのは少ないかもしれないけど。ちなみにヘスティア・ファミリアの冒険者が少ない原因は本拠地にあったりするんだよ」
「本拠地にですか?」
「うん。ギルドからアストレア氏の情報を公表しても本拠地があの廃教会だから、所属派閥のことだけは誰も信じないの。まぁ、ヘスティア・ファミリアが5年前にできたばかりの新興派閥っていうのもあるかもしれないけど。
アストレア氏が所属している派閥について知っているのは、神々と大手派閥に所属している一部の幹部くらいじゃないかな?」
「そうなんですか」
「アストレア氏とロキ・ファミリアのヴァレンシュタイン氏の2人合わせて、【戦姫】って呼ばれてたりするんだよ」
「本当に凄い人、なんですね」
「もしかしてベル君、アストレア氏のこと好きになっちゃった」
「えっ!?あ、その……」
「まぁ、しょうがないかもね。彼女は強くて綺麗で、同性でも憧れてる人が多いもの。彼女がロキ・ファミリア所属と勘違いして入団試験を受けたって冒険者も多かったみたいだし、彼女の影響力は凄いよ。
けど、ベル君。冒険者になった君は恋愛事より気にしないといけないことが沢山あるんじゃないかな?」
「うっ!」
「同じ派閥の冒険者でも、アストレア氏は特級で君は駆け出しなんだからね。想いを諦めろなんて言わないけど、想いに振り回されて暴走だけはしないようにね」
「はい……(エイナさんの言う通りだ。現実を見据えないと。僕はLV.1でアストレアさんはLV.10なんだから、釣り合う訳が無い)」
そんなことを考えて、正直落ち込みつつも本拠地に帰る為、ギルドの出入り口に向かって歩いていると、ギルドに入って来た誰かとぶつかってしまった。まぁ、ぶつかった割には感触が柔らかかったけど。
「す、すみませ―――」
「あれ?あなたは……」
ぶつかった相手に謝る為顔を上げると、そこには派閥の先輩であり一目惚れした相手でもあるテレシア=ヴァン=アストレアさんの姿があった。
後書き
ヘスティア・ファミリアの眷属
【Re:ゼロから始める異世界生活のキャラ】
テレシア=ヴァン=アストレア(憑依転生)
エミリア
レム
ラム
【うたわれるもの 偽りの仮面&二人の白皇のキャラ】
ネコネ
ルルティエ
アトゥイ
ノスリ
オウギ
ヤクトワルト
ムネチカ
【盾の勇者の成り上がりのキャラ】
フォウル
アトラ
キャラポジをうたわれるもので統一するなら
ベル=オシュトル(ハク)ポジ
テレシア=クオンポジ
エミリア=フミルィルポジ
ラム=ウルゥルポジ
レム=サラァナポジ
フォウル=オボロポジ
アトラ=ユズハ
と言った所でしょうか?ちなみに冒険者ではありませんが、シノノンもヘスティア・ファミリアに居ます。(笑)
改訂版の2話以降も5分置きに投稿します。
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