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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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385部分:第五十三話 氷の妙技その二


第五十三話 氷の妙技その二

「前にした時は命を覚悟することだ」
「おのれ・・・・・・」
 最期に呪詛の言葉を出し事切れる彼等であった。そしてオルフェもまた彼等と対峙していた。その琴を手にして今対峙しているのだった。
「その黄金聖闘士に等しい実力、見せてもらうぞ」
「そのうえで貴様を倒す」
 このインプ達もまた戦いに燃えている瞳であった。
「いいな」
「我等の手でだ」
「わかった」
 オルフェは彼等のその言葉を静かに聞いていた。だが彼からは動こうとはしないのだった。
「では来るのだ」
「そうか。ではな」
「倒してやろう」
 言いながら今一歩前に出た。そうしてそのうえで突き進む。その槍でオルフェを貫こうとする。しかしそれで彼を貫くことはできなかった。
「デストリップセレナーデ!」
「な、何っ!」
「この旋律は!」
 それを聞いたインプ達の動きが止まった。そして。
「ば、馬鹿な」
「身体が」
 彼等は動きを止められそのうえで今全身から力が抜ける感触も味わうのだった。
「ストリンガーフィーネ」
「う、うう・・・・・・」
「何なのだこの旋律は・・・・・・」
「これこそ死への旋律」
 オルフェの竪琴の音が響き渡る。彼はその中で言うのだった。
「この旋律の中で旅立つのだ」
「ううう・・・・・・これがライラの技だというのか」
「竪琴の聖闘士の」
「何も拳を使うだけではない」
 オルフェはその死の旋律を奏でながら彼等に告げていく。
「こうして音を使うこともまた技なのだ」
「お、恐ろしい男・・・・・・」
「その様な技を使うとは」
「さあ。痛みはない」
 見ればその通りだった。インプ達は苦しんではいなかった。むしろ断末魔の言葉こそあげているがそれでもその表情は穏やかなものであった。
「死ぬ時位は。苦しまずに死ぬのだ」
「ううう・・・・・・」
「ライラよ・・・・・・」
 彼等はそれぞれゆっくりと倒れ眠るようにして死んでいった。残った者は誰もいなかった。皆彼の竪琴の前に倒れてしまったのであった。
「さて、後はだ」
「そうだな」
 彼に対してバベルが応える。彼もとりあえず目の前の敵は全て倒していた。
「他にもまた敵のインプ達がいる」
「彼等のところに行くか」
「その通りだ。それではな」
「うむ」
 青銅の者達も戦っている。彼等の戦いも終わろうとはしなかった。そしてカミュとサガもまた。それぞれの相手と対峙しているのであった。
「ここでの私の相手は御前達だな」
「その通りだ」
「覚悟はいいわね、ジェミニ」
 四人の狂闘士達がそれぞれ彼に告げる。
「アガリアレプトのレティーナ」
「フラウロスのリーリエ」
「グラシャラボラスのリュート」
「ブネのクリフ」
 この四人だった。女が二人に男が二人であった。
「私達が相手をしてあげるわ」
「覚悟しなさい」
 まずは女である二人が身構えるのであった。そして指示を出したのはレティーナだった。
「いい、三人共」
「ええ」
「わかってるよ」
 リーリエとクリフが彼女の今の言葉に応える。
「貴女の指示に従うわ」
「だから何でも言って」
「有り難う。それじゃあ」
「アガリアレプトか」
 サガはここでそのレティーナが司る魔神のことを言葉に出してみせたのであった。
「確か魔神の中での参謀の一人だったな」
「その通りよ。私は八大公の方々に策を献上する参謀の一人」
 レティーナもそのことを自負するようにして答えてきた。
 
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