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Three Roses

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第十六話 姉妹が会いその七

「あの方も警護を担って下さっています」
「それで、ですね」
「はい、今の王宮はです」
「万全の警護の下にあるのですね」
「我々に帝国です」
 即ち太子の手の者達もというのだ。
「彼等もいますので」
「警護は厳重ですね」
「水一滴でさえ」
 二人が口にするものもというのだ。
「徹底して見られています」
「周りだけでなく」
「靴もです」
 穿くそれもというのだ。
「チェックしましたの」
「靴、そうですね」
 靴の話が出てだ、ロドネイ公も述べた。
「靴の中に毒を塗る」
「そうした暗殺の仕方もありますね」
「聞いたことがあります」
 ロドネイ公にしてもだ。
「足の裏から毒が滲み込み死に至る」
「そうしたやり方もありますので」
「靴もですね」
「確かめました」
 そちらもというのだ。
「厳重に」
「左様ですか」
「キャスリング卿もそうされていました」
「そうですか、かの御仁も」
「お見事です、あの方も気付いておられました」
 靴を使った暗殺の仕方もあるということにだ。
「何でもこのやり方は帝国領でよくあることとか」
「帝国本土の山脈を挟んだブーツ型の半島にですね」
「あの半島には多くの都市が乱立しています」
「帝国に従っている都市もあれば」
「そうでない都市もあり」
 そしてというのだ。
「その都市の中、都市同士で抗争があるので」
「その中において毒殺も多く」
「そうした毒殺もあるとのことです」
 靴の中に毒を塗ってその毒を滲み込ませるそれがというのだ。
「まさに」
「だからですね」
「はい、あの方も気をつけておられました」
「何よりです、私は気付きませんでした」
 ロドネイ公は瞑目する様にして述べた。
「そこまでは」
「左様ですか、ですが」
「靴もですね」
「見ました、服も事前にです」
「確かめられましたか」
「冠まで見ました」
 即ち身に着けるもの全てをというのだ。
「飲みものも食事も毒見役をつけていますので」
「安心していいのですね」
「王国は暗殺を得手としています」
 オズバルト公は強い声でだ、ロドネイ公に述べた。
「ですから」
「用心はですね」
「重ねなければ」
 それこそというのだ。
「ならないです」
「その通りですね」
「ロドネイ公は毒に関しては」
「申し訳ありませんが」
 オズバルト公程はとだ、ロドネイ公はんベタ。
「そこまでは考えが及びませんでした」
「左様ですか」
「しかしキャスリング卿が動いてくれました」
 同志である彼がというのだ。
「それが何よりでした」
「頼りになる同志ですね」
「はい、まことに」
 こう答えたロドネイ公だった。
「そう思っています」
「そうですね、しかし」
「しかしとは」
「ロドネイ公はこの度かなり動かれていてです」
 そしてとだ、オズバルト公は本人に述べた。 
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