聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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317部分:第四十三話 アイオロス見参その一
第四十三話 アイオロス見参その一
アイオロス見参
空中庭園の中は螺旋状の階段になっていた。アルデバランは今その入り口にいた。
「ここを登っていくのだな」
「その通りだ」
階段を登ろうとするアルデバランに声をかけてきた者がいた。
「ここを登れば空中庭園だ」
「そうか」
「しかしだ」
ここで声はさらに言ってきたのだった。
「タウラス、貴様が空中庭園に行くことはできない」
「それは何故だ?」
「それは決まっている」
悠然とした声でアルデバランに返してきた。
「貴様がここで倒されるからだ」
「だからか」
「そうだ。このフォカロルのグレイによってな」
その言葉と共にアルデバランの前の階段のところに一人の鮮血の色をした戦衣を身に纏った男が現われた。彼はグレイだった。
「倒されるからだ」
「だからだというのか」
「そしてここにいるのは俺だけではない」
グレイは不敵な笑みと共にさらに彼に告げてきた。
「我が同志達もいる」
「ここで貴様を倒す」
「覚悟はいいな、タウラスよ」
見ればグレイの他に三人いた。合計四人の狂闘士達がアルデバランの前にその姿を現わしたのであった。
「カイムのロビン」
「ブエルのジュリア」
「ボティスのアトラス」
彼等はそれぞれ名乗るのだった。
「我等四人で貴様の相手をする」
「不足か?」
「いや」
アルデバランはその彼等に問いに対して普段の沈着な態度で返すだけであった。
「俺は例え誰であろうと戦う。それだけだ」
「ふむ。その心意気は変わってはいないのだな」
「流石はタウラスだ」
彼等はまずはアルデバランを認める発言を出すのだった。
「しかしだ。それだけでは勝てはしない」
「特に我等狂闘士にはな」
そしてそのうえでこうも言う。
「さて、それではだ」
「覚悟はいいな」
「戦う覚悟はできている」
アルデバランはあえてこう言ってみせたのだった。
「貴様等とな」
「死ぬ覚悟ではないというのか」
「我等の手によって倒れるつもりはないと」
「そうだ、ない」
これまたはっきりとした言葉であった。
「全くな」
「だがそうはいかん」
アトラスが彼に告げた。
「貴様はここで死んでもらう」
「我等の手によってな」
「いいな」
四人は階段を離れ宙に漂いそのうえでアルデバランを取り囲み出した。階段にいたままのアルデバランを上から見下ろす形にさえなっていた。
「これならばタイタンズノヴァは使えまい」
「そうだな」
彼等は悠然としてアルデバランに問うてみせた。
「グレートホーンがあるがそれだけではだ」
「我等の相手はできまい」
彼等はそう考えていたのだった。
「違うか?それは」
「違うというのなら見せてみるがいい」
「よかろう」
アルデバランはその彼等の言葉を受けた。そうしてそのうえで自身の両手をゆっくりと掲げだし身構えさえしてみせてきたのであった。
「では。見るがいい」
「むっ!?宙でもタイタンズノヴァを」
「使えるというのか」
「おそらくは」
ここでまた一人の声がしてきた。
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