聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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278部分:第三十九話 炎の魔神達その一
第三十九話 炎の魔神達その一
炎の魔神達
アルデバランは狂闘士達と対峙を続ける。そしてその中で彼等に対して問うのだった。
「それではだ。まずは」
「まずは。何だ?」
「御前達の名前を聞いておこう」
こう彼等に対して問うのだった。
「その名をな。よいか?」
「うむ、それではだ」
「名乗ろう」
既に名乗っているドーマ以外の九人がそれに応えるのだった。
「我等は炎の軍団だ」
「ここにおられるドーマ様とベリアルのレダ様が率いられるな」
「そうか、炎の軍団だ」
「そう、そしてだ」
アルデバランの言葉に応えながらそのうえで名乗ってきた。
「私は公爵、アモンのマーテル」
右目が青、左目が緑の美しい小柄な少女だった。
「侯爵、ナベリウスのヨーダ」
黒いさらりとした短髪の隻眼の男だった。右目が潰れている。
「侯爵、ボティスのアトラス」
黒い肌の大男だった。
「伯爵、ブエルのジュリア」
白い、いや銀の髪と目の女だった。
「子爵、カイムのロビン」
赤い髪の小柄な少年だ。
「子爵、オセのリベカ」
緑の髪と目の猫を思わせる女だ。
「男爵、フォカロルのグレイ」
灰色の瞳の長身の少年だ。
「公子、ベリスのディーン」
青い目の精悍な男だ。
「公子、マステマのデューテ」
紫の目に紅く長い髪の少女だった。
「我等九人」
「今ここで貴様を倒す」
「このアルデバランをだな」
「そうだ」
マーテルが彼に対して言葉を返した。
「我々がだ。行くぞ」
「来るがいい」
アルデバランはマーテルのその言葉に返す。
しかしであった。彼は腕を組んでいるだけである。そのうえで仁王立ちして動こうとはしない。その姿勢で狂闘士達と対峙しているのであった。
そしてそのことに。狂闘士達も気付いたのだった。
「何っ!?これは」
「どういうことだ?」
アトラスとロビンがそれを見て言った。
「タウラス、闘う気がないのか?」
「まさかとは思うが」
「ない筈がない」
だがアルデバランはそれを否定するのだった。
「このアルデバラン、戦場に出たからには必ず戦う」
「そうだな。だからこそ」
「我々もここで」
「しかしだ」
今度はヨーダがその左目で見据えながら言ってきた。
「やはり動かないのか。何故だ?」
「タウラスよ。何を考えているのだ」
「一体」
狂闘士達は彼の真意がわかりかねていた。その目をいぶかしげなものにさせている。しかしであった。彼等も動かないつもりはなかった。
「行きますよ」
「はい」
「それでは」
八人がマーテルの言葉に頷くのだった。
「すぐにあのタウラスを」
「この手で」
彼等はすぐに散開しそのうえでジリ、と前に出る。そのうえでそれぞれアルデバランに向かおうとする。しかしここで、であった。
「!?」
「何だこの小宇宙は」
「これは一体」
彼等は進もうとしたところで足が止まった。止めたのではない、止まったのである。
「この圧倒的な小宇宙は」
「まるで壁だ」
彼等はそのアルデバランの小宇宙を感じて言うのだった。
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