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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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277部分:第三十八話 牛の角その八


第三十八話 牛の角その八

「御前達はこの者達と戦うな」
「!?どういうことですか?」
「俺達はその為にいるんじゃないんですか!?」
 青銅の者達が今の彼の言葉を聞いて怪訝な顔で返した。
「それでどうしてそんなことを仰るんですか?」
「そうですよ、おかしいですよ」
「おかしくはない」
 だがそうではないと返すのだった。
「何故ならだ」
「何故なら?」
「どうだっていうんですか?」
「御前達では勝てはしない」
 だからだというのだった。
「御前達ではこの者達にはな」
「狂闘士には勝てない!?馬鹿な」
「そんなことないですよ」
「そうですよ」
 青銅の者達がやや感情的になってアルデバランに反論した。
「俺達だって聖闘士なんですよ」
「だからいけます、こんな奴等」
「ならん」
 だがアルデバランは意固地なまでに。彼等の言葉を退けるのだった。
「御前達はこの者達と戦ってはならん、断じてだ」
「断じてですか」
「そうだ、絶対にだ」
 アルデバランの言葉はあくまで強いものだった。
「御前達は戦うな。これは命令だ」
「じゃあアルデバラン様が御一人で」
「その連中全員とですか」
「魔神達と戦えるのは俺だけだ」
 アルデバランはこうも彼等に告げたのだった。
「だからだ。このアルデバランが今こそ」
「来るか、タウラスよ」
「今我等に対して」
「そうだ。行くぞ」
 アルデバランの言葉がこれまでで最も強いものになった。
「それでいいな」
「うむ、来るがいい」
「我等が相手をしよう」
 九人の狂闘士達も身構える。そうして今アルデバランと狂闘士達の戦いがはじまろうとしていた。草木のない何処までも続く荒野の中で。


第三十八話   完


                2009・6・10
 
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