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Three Roses

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第十五話 衰える身体その十四

「ですから」
「安心して」
「そうされて下さい」
「その際です」
 ロドネイ公が言うことはというと。
「マイラ様に合わせて下さい」
「何もかもをですね」
「飲まれるものも」
「姉様はとても質素な方です」
 信仰への思い入れ故にだ。
「贅沢は嫌われています」
「それは美徳ではあります」
「そうですね、贅沢は」
「王家の者の贅沢は限りなくなります」
「王国がそうである様に」
「あの国を御覧になって下さい」
 ロドネイ公あの国の王家のことを話した、アントワープ家の。
「アントワープ家の王は代々贅沢ですね」
「それも非常に」
「食事も服もそうですし」
「財宝を集め」
「宮殿や城もです」
 最も金がかかり権力者の病と言われる建築への情熱もというのだ。
「相当なものですから」
「あの様な贅沢をすれば」
「苦しむのは民です」
 彼等から重税と取ってそうして贅沢をするからだ、王家の贅沢はその分民衆の苦難になるというのである。
「あの様なことをしてはなりません」
「だからこそ我がエヴァンズ家は、ですね」
「質素であるのです」
 伝統としてだ。
「それはマリー様もそうで」
「姉様は余計にですね」
「修道女の様です」
 マイラのその質素さはというのだ。
「それ自体はいいことです、ですが」
「その質素さをですね」
「あの方はそのことについてもです」
 どうにもとだ、ロドネイ公はマリーに話した。
「強いこだわりを持たれていて」
「他の人の贅沢にもですね」
「いい顔をされません」
「だからですね」
「はい、お会いする間はです」
「姉様に合わせて」
「普段以上にです」
 マリーも質素ではある、だがそれでもというのだ。
「質素にされれ下さい」
「服も飲むものもですね」
「身に着けられるものも」
「その全てをですね」
「そうです」
 こう話すのだった。
「そこはお願いします」
「はい」 
 マリーも確かな声で答えた。
「それでは」
「その際ですが」
 ここでデューダー卿が知恵を出してきた。
「修道院からアドバイスを頂き」
「そのうえで」
「服装を徹底させましょう」
「姉様の好みに合わせたものにですね」
「していきましょう」
 是非にというのだ。
「そうしましょう」
「それがいいですね」
「はい、では」
「その様にですね」
「全てを整えてです」
 そしてというのだ。
「赴きましょう」
「それでは」
 マリーも頷いた、そしてだった。 
 マリーは姉との会見へ向けて準備をはじめた、その彼女のことを聞いてだ。 
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