サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
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そしてその晩、サトシ君は目を覚まし、
カツラ達は夕食を済ませ、
リビングのテーブルで話し合いをしていた。
サトシ:「、、、ん、、」
ヒロシ:「、、あ、サトシ起きたか」
サトシ:「んん、、いてて、、、あぁ、
眠っちまったみたいだなっ、、ヒカリは?」
ヒロシ:「ヒカリちゃんなら薬局に
行ったよ。」
カツラ:「怪我の具合はどうじゃ?」
サトシ:「まだ痛みはあるけど大丈夫ですっ。
、、、それより、何か話してたんですか?」
ヒロシ:「これからの事で話してたんだ。
結局、シルフと接触はしたけど
シルフの全貌は暴けていないし、
今の状況じゃ、単に俺たちがただの
ポケモン強奪未遂の犯人グループで
捉えられているだけ。このままじゃ、
シルフが次に何をやらかすのか掴めないまま、
俺たちは黙って見てるだけになる」
カツラ:「孵化施設のポケモンが揃っていれば、
何かと便利だったんじゃがのっ。
シルフへの潜入やいざとなった時の戦力にな」
ヒロシ:「シルフの全貌を暴く次の手段を
考えないと、、、」
サトシ:「そうか、、、でも、
本当にシルフは何かを企んでるのかなっ」
ヒロシ:「それなら、以前取り付けた盗聴器の
今日の記録に、シバさんとシルフの
怪しいやりとりがあった」
サトシ:「怪しいやりとり?」
カツラ:「これじゃよっ」
ガタッ(盗聴器)
カツラはテーブルの上に盗聴器を置いた。
ポチッ(録音再生ボタン)
ザザッ、、、ザザザ
カンナ:「全く、、このご時世
シルフ相手に犯行を犯すなんて
世間知らずもいいとこね、、、」
シバ:「ポケモンを忘れ去る人もいれば
その反面、過去を引きずりポケモンを
手に入れようと手段を選ばない輩もいる。」
ワタル:「全ては15年前の事件がきっかけか、、」
カンナ:「そうね、、、さて、
15年後の今、次は一体どうなるやら、、、。
貴方なら何か聞いてるんじやない?ワタルっ」
ワタル:「、、、ふんっ、、、さぁな」
シバ:「情報があるのなら、是非とも
聞かせてもらいたいな」
ワタル:「、、、俺も、お前達と同じだ。
社長の考えは社長にしかわからないさ。
このカントーをシルフの手中に収める為、
俺達は、言われた通りにただ動くのみだ」
サトシ(カントーを収める?
、、、やっぱり、シルフは
何かを起こすつもりなのか?、、)
ヒロシ:「問題はこの後。、、、
ワタルさん達と俺達が接触している時の、
シバさんだ」
サトシ:「えっ?」
ザザッザザッ、、
シバ:「、、はい、、ワタル達なら
ポケモンの回収に向かいました」
サトシ(シバさん、、、)
シバ:「その間、私は孵化施設へ行き、
孵化施設の社員に”今後の説明”を
致します」
サトシ:「、、、今後の説明、、」
サトシは疑問に思いながらも
盗聴器に耳を傾けた。
シバ:「、、、それならご心配ご無用です。
雇用の条件を出し、こっち(シルフ)に
流れてきた孵化施設の社員に
ポケモン育成の継続という名目で
育成や孵化作業をさせれば、こっちの手間が省け
”カントー新時代計画”が早まります。」
サトシ:「なにっ!?」
シバ:「あの事件から15年、、、。
我々を除いて
シルフの社員含めほとんどの人間が
ポケモンの育て方を
忘れている可能性があります。
カントー新時代計画を成し遂げる為には
より強いポケモンが必要なのは承知の上。
ならばシルフの社員に育成させるより、
我々が作った育成マニュアルを渡して
孵化施設の社員がポケモンを育成した方、
より強いポケモンができます。
育成は孵化施設の社員が、扱うのは我々が、
それぞれ分担した方効率が良いかと。」
サトシ:「、、、」
シバ:「カントー新時代計画が
無事に第2段階を迎えられるよう、
我々も常に全力で当たって参ります。」
サトシ(カントー新時代計画、、、)
シバ:「では、行って参ります。」
ピッ
録音テープはここで終わった。
ヒロシ:「サトシもこれで分かっただろ?
ポケモンを探すには先ず、シルフの企んでいる
カントー新時代計画を突き止めそれを
阻止しなければならないんだ、、、
そして、奴らはカントーを独裁しようと
しているのかも知れない。それも、
ポケモンの力を持って、、、」
カツラ:「それと、睨んだ通りシルフには
ワタル達の上がおる。、、敵はワタル達
だけではないようじゃの」
サトシ:「、、カントー新時代計画、、、」
ヒロシ:「まぁ、、、とりあえず、
サトシは怪我が治るまで安静にした方がいい。
幸い今日の一件は報道されてないんだし。」
サトシ:「えっ?報道されなかったのか?」
ヒロシ:「ポケモン強奪未遂事件を報道すれば、
今後その犯行グループに加担しようとする
人が出て来る可能性がある。」
サトシ:「え?」
カツラ:「急にポケモンを
買えなくなったんじゃ。いくら
人の心からポケモンの存在が遠ざかろうと、
不満の声は少なくないじゃろっ。
普通の人だろうと金持ちだろうとなっ」
ヒロシ:「そして
以前からポケモンを購入出来てた人が
コジロウのお父さんのような
大富豪だったとすれば、犯行グループの
バックアップをするのも当然大富豪。
、、、シルフにとってそれほど
厄介な敵は作りたくないだろうね」
サトシ:「そうか、、、。
ワタルさん達、本当に俺達の敵なんだな、、、」
少年時代に四天王として尊敬していた3人が、
大人になった今では自分達の敵になるという
事実を確信し、サトシは内心ショックを感じた。
サトシ:「、、、」
カツラ:「、、まぁでも、サトシ君の
顔が世間に公にならなかったのは
不幸中の幸いじゃなっ」
サトシ:「、、カツラさん、、、」
ヒロシ:「そうだぞサトシっ!
ワタルさん達への思いは俺も同じさっ、、。
でも、ワタルさん達の向こうには
俺達のポケモンがきっと待っている。」
サトシ:「ヒロシ、、、」
ヒロシの一言でサトシは本来の目的を
思い出した。
ヒロシ:「一緒に越えて行こうっ。
俺達が、四天王を!」
サトシ:「、、、そうだよな!!
俺達、ポケモン達の為に集まったんだもんな!
ようし、、絶対四天王を越えてやる!!」
カツラ:「仲間っていいのう♪」
仲間がいる心強さを改めて感じ、
サトシは打倒四天王に燃えた。
ヒロシ:「サトシっ、
夕飯食わなくていいのか?」
カツラ:「ほれっ、今日はカレーじゃ。
ほれほれっ」
サトシ:「カレーだ!!」
サトシはテーブルの上にあった
夕飯をレンジで温めた。
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