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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1457話

 2機のテツジンを倒し、残るテツジンは3機。
 向こうがこうも簡単に戦闘へ転移を利用してくるというのは驚いたが、テツジンの生き残りもまさか自分達の転移を使った攻撃があっさりと回避され、しかも反撃までされて撃破されるとは思わなかったのだろう。
 迂闊に動く事も出来ず、牽制の目的でミサイルやグラビティブラストを撃つ事に集中している。
 だが、それは本当に牽制の意味しかない。
 そもそもテツジンが5機揃った状態で俺に向かってグラビティブラストやミサイルを撃っても一切当たらなかったのだ。
 それなのに残り3機になった状態でそんな真似をしても、まともに攻撃が当たる筈もないだろう。
 ……だが、それでもこうして俺が攻撃を控えて回避に専念している理由は、先程の転移だ。
 転移で移動出来る距離や、生身でも普通に使える事、一度の転移で大量の集団を纏めて転移出来るといったシステムXNだが、テツジンが使う転移に比べると転移しようとして即座に転移……という真似は出来ない。
 まず最初にシステムXNを起動し、転移座標を入力。その後転移フィールドを生成し、それに機体が包まれた状態でようやく転移が可能という順番だ。
 戦闘でシステムXNを使うには、戦闘開始前からシステムXNを発動出来るようにしておいて、戦闘が開始した瞬間に転移してフルバーストするくらいしか使い道がない。
 転移の速度という一点では、木連の転移の方がシステムXNよりも優れていると言える。
 ……その分色々と制限も厳しいのだろうが。
 特にパイロットが遺伝子操作されている者でなければ駄目だというのは、大きなハンデと言えるだろう。
 すぐに転移出来るという能力そのものが、今俺を警戒させる一因となっていた。
 向こうにとっても自分達の最新兵器であるテツジンがこうもあっさりとやられるとは思っていなかったのだろうが……こっちにとってもあの転移能力は厄介だった。
 3機のテツジンからの攻撃を回避しながら、映像モニタに先程俺が倒した2機のテツジンが映し出される。
 そこでは、メギロートが2機のテツジンを回収しようとしているところだった。
 ふむ、この状況は使えるか?
 こちらに放たれたグラビティブラストを回避しながら。ニーズヘッグの手をテツジンを回収しようとしているメギロートの方へと向ける。
 ニーズヘッグの指さした方向を見た3機のテツジンは、動揺からか一瞬動きが止まった。

「甘いんだよ」

 瞬間、テスラ・ドライブとスラスター、エナジーウィングを全開にしながら一番近くにいたテツジンとの距離を縮め、コックピットのある頭部へとヒュドラの先端を向ける。

「直撃」

 精神コマンドの直撃を使い、同時にランツェ・カノーネのトリガーを引く。
 砲口から放たれたビームがディストーションフィールドをあっさりと貫き、テツジンの頭部を消滅させる。
 ……そう、破壊ではなく消滅だ。
 当然テツジンは何も出来ないままに地面へと崩れ落ちる。
 それを見ながら、T-LINKシステムによる機体制御でT.T.キャノンを発射。
 残り2機のうちの1機の頭部を貫き……

「ファントム!」

 ヒュドラから放たれたファントムが、ビームソードを展開したまま、真っ直ぐに最後の1機のテツジンの頭部を貫く。
 放たれたファントムの数は8基であり、その全てがテツジンの頭部を貫いたのだ。
 そうなれば、当然どうにも出来ず……頭部を残したまま、テツジンは地面へと崩れ落ちる。

「ふぅ、何とかなったか。……にしても、てっきり転移してこっちの攻撃を回避するかと思ったんだけどな。まさか何も出来ずに撃破されるとは思わなかった」

 呟きながらサセボシティの方へと視線を向けると、そこでの戦いも既に勝負は決まりかけている。
 血の気に流行って戦場に出たのだろう。アウルやスティングのファブニールが、そしてアカツキの護衛を終えたのかレイのファブニールの姿もあった。
 量産型Wのファブニール4機とメギロート40機でさえ苦戦していた賊軍だ。
 賊軍結成当初の戦力があれば、まだ多少は抗う事が出来ただろう。
 だが、シャドウミラーと敵対し、それどころかファブニールやヤンマ、カトンボの実験台とされてしまったり、討伐軍に加わったナデシコ、月ドッグで作られていた複数のナデシコ級、精霊の卵……と、次々に賊軍にとって手に負えない戦力が敵対したのだ。
 既に賊軍の中で最大勢力でもあるクリムゾングループの本社や各種工場も討伐軍の攻撃により破壊されている。
 ……勿論こんな騒動を引き起こすのだから、クリムゾングループの隠し工場といったものは用意されており、今はそこで戦力を補充しているのだろう。
 だが、そんな隠し工場は当然表向きに存在している大規模な工場に比べれば、どうしても規模は小さくなってしまう。
 そんな状態で討伐軍+シャドウミラーを相手にしていれば、当然戦力の回復は追いつかない。
 ましてや、戦力のソフトウェアたる人間も次々に降伏したり撃破されて死んだりしているのだから。
 こうなってしまうと、俺が向こうに手を出す必要はないな。
 そう判断すると、メギロートが運んでいるテツジンへと視線を向ける
 もうシロガネに運び込んだ機体も含めて、頭部が殆ど原型を留めていないものが多い。
 普通ならこういう真似はしないんだが、元木連の兵士で草壁と一緒に行動しているという事は、色々な意味で信念が強いのは間違いなく……つまり、捕虜になるなら自爆した方がマシだと判断しかねないんだよな。
 もしくは、草壁が外部から自爆装置を作動させるなんて可能性も考えられる。
 何しろ、ここにはシャドウミラー代表の俺がいるのだから。
 今追い詰められまくっている草壁や賊軍にとって、ここで俺を倒す事が出来れば今の状況からの逆転という可能性も十分に考えられる。……というか、それくらいしか逆転するチャンスはない。
 だからこそ、テツジンを自爆させる可能性は十分に……いや、待てよ?

「ちょっと待て」

 そう告げ、テツジンを運び込もうとしているメギロートの動きを止める。
 もし外部から自爆させるのであれば、コックピットじゃなくて相転移エンジンを直接爆破させる方が早い。
 木連の人間の性格を考えれば、自爆というのは決して厭うべき手段ではないだろうし。

「ニーズヘッグの護衛をしろ」

 そう命令すると、メギロートがニーズヘッグの近くへと集まってくる。
 もう賊軍は壊滅寸前だからこっちに攻撃が飛んでくる可能性は少ないが、一応念の為だ。

「シロガネ、聞こえるな」
『何、アクセル君。戦況はこっちが圧倒的に有利だから、心配するような事はないけど』

 シロガネの美砂から即座に通信が戻ってくる。
 その表情は明るく、言葉通りに何も心配していないように見える。
 まぁ、実際こっちが圧倒的に有利なのは間違いないんだが。

「分かってる。それよりさっきシロガネに運び込んだテツジンの残骸だが、もしかしたら自爆する可能性もある。念の為に俺が空間倉庫に収納しておくから、艦の外に放り出してくれ」

『本当か!?』

 美砂に変わって映像モニタに映し出されたナタルが驚きの声を発する。
 まぁ、ナタルにとって自分の艦の中……シロガネの中でテツジンが自爆するというのはちょっと洒落にならない出来事だろう。
 俺は技術者ではないのでそこまで詳しくはないが、それでも相転移エンジンがどれだけの性能を持っているのかは理解している。
 ブラックホールエンジンと比べるとかなり使い勝手の悪い動力炉だが、それでも宇宙という限定ではエネルギーの心配を殆どしなくてもいい代物だ。
 そう考えれば、その辺の核爆弾なんかよりも余程危険な物だと認識してもおかしくはない。

「草壁の性格を考えれば、恐らく……といったところだけどな。他に散っていった部隊にも、テツジンが出撃したら鹵獲をしようとはせず、即座に破壊するように連絡してくれ」

 テツジンが自爆しようとしても、何にしようとしても、空間倉庫の中に入れてしまえばその辺の心配はしなくて済む。
 だが、それは逆に言えば空間倉庫がなければ自爆の可能性を完全に消し去る事は出来ないという事でもある。
 ……ただまぁ、他の地区に関しては実は余り心配していない。
 何しろ、今の木連でさえテツジンを作るのは難しいのだ。それを、クリムゾングループや草壁が何とか持ち出せた木連の技術や、もしかしたら生産プラントといった代物を使ったとしても、そう大量に存在する筈がなかった。
 だとすれば、恐らく向こうがテツジンを用意したのは俺に対して……というより、賊軍の本隊であるここに対してだけ。
 そう考えれば他の場所に被害が出ることはないと思える。
 だが、それはあくまでも俺の予想でしかない。
 実は違っていて、他の場所にも何機もテツジンが存在した……なんて事になる可能性を考えると、しっかりと連絡をしておいた方がいい。

『分かった。すぐに連絡を回す』

 ナタルの言葉に頷いてからニーズヘッグのコックピットから出ると、そのまま空中を飛びながら地面に置かれたテツジンの残骸へと向かう。
 いや、頭部以外は殆ど損傷していないのを考えると、残骸と呼ぶのは酷か?
 ともあれ、コックピットによる攻撃でパイロットが死亡しているだろうテツジンへと手を触れ……次の瞬間には空間倉庫へと収納を完了する。
 そのまま1機、2機と収納していき……やがて全てのテツジンを収納する事に成功した。
 ……てっきりこうして俺が空間倉庫に入れる為に近づいてきたところで自爆させるかと思ってたんだが、これは予想外だったな。
 まぁ、向こうが何を企んでいるのかは分からないが、それでもこっちにとって有利だったのは事実だ。

「アウル、そっちの様子はどうなっている?」
『あ? そんなの見れば分かるだろ。向こうが何をやって来てもこっちに効果はないのに、こっちからの攻撃は殆ど一撃で倒せるからな。正直、俺達いるか? って具合だ』

 そう告げながらも、アウルのファブニールは手首からビームガトリング砲を使って戦闘機を次々と撃破していく。
 エステバリスは何気に生き残ってる数が多いのだが、それでも鱗状のエナジーウィングを防ぐ事は出来ず、次々に撃破されていく。
 こうして見ている限りでは、予想通りと言えばそれまでだが、かなり一方的な展開になっていた。
 どう考えても戦いと呼ぶよりは殲滅戦とでも呼ぶべき光景。

「分かった。けど、向こうは賊軍だ。基本的に犯罪者が多く、こっちに降伏する事も出来ない奴等だ。ここで逃がせばまた何をするか分からないから、無条件降伏するまで攻撃を続けろ」
『降伏出来ないって言ってるのに、降伏するまで攻撃を続けるのか?』
「ああ。ここで死ぬよりはまだ生き残れる可能性が高い方を選ばせる」

 賊軍の犯してきた罪を裁くと言っても、別に無条件で賊軍は全員死刑って訳じゃない。
 勿論死刑になる奴も多いだろうが、逆に無期懲役になるような者も多い筈だ。
 そう考えれば、追い詰められればこっちに降伏してくるという可能性は十分にあった。

『まぁ、アクセルがそう言うならそれでもいいけどよ』

 首を捻りつつも、アウルはスティングやレイへと向かって通信を送り始めた。
 俺の指示を伝えるのだろう。
 ……まぁ、スティングはともかく、レイは何だかんだと優しいところがあるからな。
 これは原作と違ってムウやナタルに育てられた影響もあるんだろうが。

「ああ、そうしてくれ」

 短く言葉を返すと通信を切り、次にやるべき事……と考える。
 だが、向こうにとっての本隊であるここへの攻撃は既に殆ど防がれており、反撃で手痛いダメージを食らっている。
 こうなると、賊軍にとって出来るべき事は一気に減っていき、これ以上は組織を維持するのも不可能になるだろう。
 だとすれば次にやるべきは、サワガサキ、グリューノを裏切った軍人、クリムゾングループの社長なり会長といった者達、そして何より草壁とその仲間……賊軍の首謀者達を捕らえるだけなんだが。
 問題はこっちに来ているかどうかなんだよな。
 グリューノを裏切った軍人辺りなら、軍人だという事でこの戦場に来ていてもおかしくはない。
 だが、それ以外の者達が来ているかどうかと言われれば、首を傾げざるを得ないのも事実だ。
 ……賊軍が崩壊した以上、もう奴等に残っている戦力というのは殆どない。
 影響力はあるだろうが、それを実行する力がない以上はやれるべき事は非常に少ない。
 ただ、その代わりテロとかゲリラ戦とかをするようになるというのは、それはそれで困るんだが……この辺は量産型W辺りに任せる事になるだろう。
 後は、勿論討伐軍の連中に。
 そんな風に考えていると……

『アクセル、緊急連絡だ! 火星に敵が出現したらしい!』

 シロガネのナタルから、そんな通信が入るのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1213 
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