転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1456話
アカツキの護衛の件も解決し、改めてサセボシティの方へと視線を向ける。
俺達が悠長に話している間も全くこちらに攻撃を仕掛けてくる様子がなかったので疑問に思っていたのだが、どうやらその隙に迎撃態勢を取っていたらしい。
サセボシティの方も向こうの奇襲から態勢を立て直すのに時間が掛かっており、自然とこうして一時的な休戦状態になっていたのだろう。
もっとも、それはあくまでも一時的でしかない。
お互いの準備が整えば、すぐにでも攻撃を開始するだろう。
実際、向こうの準備が整ったと思った瞬間に一斉に戦艦がこちらに向けてグラビティブラストを撃ってきたのだから。
向こうの主力は、以前に月ドッグで戦いになった相転移エンジン搭載の新型艦。
それが30隻近くも存在しているが……よくこの短時間でここまで戦艦の数を揃えられたな。
サワガサキ率いるネルガル社長派の力もあるが、やはりクリムゾングループそのものの力が大きい。
そこに草壁が合流し、ヤマザキ……いや、ヤマサキだったか? その技術者の技術もあって量産が可能になったというところなのだろう。……だが……
「甘いんだよ」
30隻近い新型艦から放たれたグラビティブラストは、量産型Wの乗る4機のファブニールが前に出てその攻撃を受け止める。
シャドウですら正面からグラビティブラストを防ぎ切ったのだ。
それが、シャドウとは比べものにならない性能を持つファブニールの防御を突破する事は、幾ら30隻の相転移エンジン搭載艦であっても不可能だった。
……いや、もしかしたら4機あるファブニールのうちのどれか1機に攻撃を集中していれば話は別だったかもしれない。
だが今の攻撃はそれぞれが好き勝手に攻撃を行っており、結果としてファブニールに損傷を与える事は不可能となった。
レモンから聞いた限りだと、新型艦の性能は決して悪いものじゃない。
アカツキが自慢したナデシコ2番艦以降に比べると落ちるし、ナデシコと同程度……もしくはちょっと上程度の性能はあるかもしれないという話だ。
だが、最大の問題はそれを操っているブリッジクルーを含めた者達の技量。
弱いというか、稚拙な技量。
だからこそ性能が同じか少し下程度のナデシコと比べても全く怖さがない。
……まぁ、今この状態でいまだ賊軍に残っているような者達だ。当然色々と後ろ暗いところがある者達なのだろう。
そうである以上、その技量には期待出来なくてもおかしくはなかった。
いや、今残っている者達が全員技量が低いと言っている訳ではない。
戦闘における技量と性格が必ずしも一致しないというのはよく分かっている。
……俺もそうだと言われれば、何も言い返せないのが悔しいが。
そしてファブニールはそのまま一斉に口の部分を新型艦の方へと向け……グラビティブレスが一斉に放たれる。
賊軍にとって運が良かったのは、賊軍の背後にサセボシティがあった事だろう。
つまり、貫通力が高い収束型のグラビティブレスを使用していれば、新型艦を貫き、背後のサセボシティに被害が出てしまう為だ。
攻撃力が高い故の弊害と言ってもいい。
だが、それに対応するように拡散されたグラビティブレスという攻撃方法がある。
射程はそこまで長くないが、その分広範囲に攻撃が可能なグラビティブレス。
新型艦は相転移エンジンを使用している以上、当然のように重力波砲やビームに対して強い防御力を持っているのだが、ファブニールの性能を考えると……その程度のバリアなどは容易に貫通してしまう。
勿論ディストーションフィールドにより比較的威力は下がる。
その結果、多くの新型艦が被害を受け、何隻かの新型艦はそのまま空中に飛んでいる態勢を維持出来ず、地上へと落ちてるものもある。
幸い賊軍がいたのは先程まで攻撃していた討伐軍の基地の上なので、戦艦が落下した事により民間の建物が破壊されるような事はない。
そしてグラビティブレスの拡散型という事は、当然のように賊軍の新型艦以外にも攻撃は命中しており、戦闘機や戦闘ヘリ、エステバリスといった敵の戦力が次から次に地上へと墜落していく。
命を大事にするこの世界の戦力だけあって、コックピット付近に命中した機体以外からは結構な人数がパラシュートを使って脱出している。
空中に無数に存在するパラシュートは、一種の花……もしくは花火のようにも見えた。
そう考えればそれなりに綺麗なのかもしれないが……その花火にぶら下がっているのが幾つもの犯罪を重ねた盗賊の集団だと思えば、この台詞を送るのが相応しい。
「汚え花火だ」
……ちょっと違うか?
まぁ、それでも地上に降下したこいつ等は当然のように逃げ出そうとするだろうが……それが可能かどうかは別の話だ。
カトンボから出撃したメギロートや、シロガネから出撃した生身の量産型Wが今頃こいつらを押さえているだろう。
賊軍の本隊である以上、こいつらは色々な意味で重要な情報源となる。
そして情報を全て吐かせた後には、賊軍として行動してきた犯罪を明らかにして討伐軍に断罪して貰う事になる筈だ。
ともあれ、ファブニールの攻撃でエステバリスや戦闘機、戦闘ヘリといった者達は大きな被害を受けて地上へと落下していった。
残る戦艦の方も多かれ少なかれ被害を受けており……正直、俺はまだ何もしてないんだけどな。
ましてや、ナデシコからはエステバリスが5機出撃しているだけだ。
その5機は、リョーコ達パイロット3人娘とヤマダ、アキトだろう。
先程も思ったが、人を殺すかもしれないという件もあって、自分達がピンチではない限り必ずしも戦いについては積極的じゃなかったんだが……そんなリョーコ達でも、今目の前に広がっている光景にはただ呆然としているしかなかった。
そして次に前に出たのはメギロート。
正直なところ、ファブニールだけで勝負は決まると思うのだが、敵の数はまだかなり多い。
先程のファブニールの拡散したグラビティブレスについても、新型艦の後ろにいた機体は何だかんだと被害を受けるのは避けられたしな。
まだ生き残ってる敵機の数はそれなりに多くいる。
……正直、ファブニールが拡散型のグラビティブレス使い続けていれば、それだけでもう勝負は決まってしまいそうになると思うんだが。
賊軍にとっては一方的になぶり殺しになるだろう展開を考えていた、その時。
『アクセル君、前方に転移反応!』
シロガネの円からの通信。
転移反応? チューリップもないのにか?
そんな俺の疑問の答えは次の瞬間明らかになった。
ファブニールと賊軍の間に現れたのは、5機の巨大人型兵器。
……いや、巨大と言っても全長30mでファブニールと殆ど変わらないのだが。
けどファブニールが空を飛んでいるのに対し、その巨大人型兵器は空を飛ぶ事が出来ないらしく地上に存在していた。
「……なるほどな」
その機体を見ても、俺は特に驚くべきことはなかった。
何故なら、その機体の存在は以前から白鳥に聞かされていた為だ。
木連の秘密兵器という扱いの機体であり、本来であればまだ完成はしていなかった代物。
俺が以前見せて貰った設計図と比べると若干違うところもあるが……それは仕様変更であったり、クリムゾングループやネルガルの技術を流用した事によるものだろう。
その仕様変更が、木連の技術不足だったからなのか……それとも純粋に性能を上げる為なのかは分からない。
だがそれでも、今俺の前にその機体が存在するというのは事実だった。
「ジンシリーズ、か」
以前白鳥から情報を貰った、この世界の特機とも呼べる代物。
短距離ではあるが転移が可能という能力を考えれば、ここまで転移してきてもおかしくはない。
まぁ、こっちと遭遇する前にどこにいたのかというのは気になるが、ぶっちゃけ転移が可能ならどこぞの工場とかあっても問題はないのだから。
ただ、俺が聞いた話だと手に出来るのは遺伝子的に操作された者……優人部隊の者くらいしかいないって話だったんだがな。どうやってパイロットを用意したのか。
それも5人も。
優人部隊というのは、少数精鋭と言われていた通り数そのものが少ない。
そう考えれば、向こうにとっても虎の子といった存在だろう。
……いやまぁ、今回は賊軍が背水の陣で攻撃してきたのだから、ジンシリーズを使わない手はないって事か。
「っと!」
考え事をしていると、その隙を突いた訳ではないがジンシリーズ……確か何種類かあったジンシリーズの中でも、万能型であるテツジンとかいう奴だったと思うが、そのテツジンから放たれたグラビティブラストを、ヒュドラのスラスターを使って回避する。
回避した先に、再び別のテツジンがグラビティブラストを撃ってきた。
いや、5機のテツジン全機が俺に向かって攻撃を仕掛けている。
「動くな」
そう告げたのは、ファブニールが動こうとしたからだ。
同時にメギロートの方も動きを止める。
「この5機の相手は俺がする。お前達は賊軍の主力を叩け」
そう命じれば、ファブニールのパイロットである量産型Wは俺の命令に逆らうような真似はしない。
この実直さこそが量産型Wの優秀さだよな。……柔軟さが足りないというのもあるが。
『アクセル君、いいの?』
そして量産型Wではない円からの通信。
「ああ、問題ない。それにこのテツジンは出来れば損傷が少ないままで持って帰りたい。技術班も喜ぶだろうし」
「レモンとマリューが、でしょ」
返事をしながら、T-LINKシステムによる機体制御で、5機のテツジンからの攻撃を回避する。
そんな俺の様子を見て、まず心配はいらないと判断したのだろう。円はあっさりと納得すると、通信を切る。
同時にテツジンからはミサイルも発射されるが……ジャマーを起動した瞬間にあらぬ方へと逸れていく。
グラビティブラストだけじゃなくてミサイルも用意されているのか。
まぁ、考えてみればディストーションフィールドはグラビティブラストとかに対して強い防御力を持つが、その反面実弾兵器の類に関して、多少の防御力はあれどもその程度だ。
そして向こうが敵として認識してるのは、シャドウミラーと……そして、ナデシコ。
5機のテツジンからの攻撃を回避しながら視線をナデシコの方へと向けると、そこでは賊軍に対してミサイルを撃っているナデシコの姿がある。……グラビティブラストを使えばサセボシティに被害が出るというのが頭に残ってるんだろうな。
一応グラビティブラストを広範囲に攻撃する事は可能なのだが、それでも威力を低くはしきれないと判断したのだろう。
ともあれ、賊軍と草壁達にとっての敵で最も強力なのはナデシコだ。……シャドウミラーを除けば、だが。
そのナデシコに対処する為にミサイルも用意したのだろう。
「さて、そろそろ仕留めるか。このまま無駄に時間を使っても戦闘を長引かせるだけだし」
グラビティブラストを回避しながら、真っ直ぐに突っ込んで行く。
そして一番近くにいたテツジンのすぐ側で急制動をして空中で止まると、エナジーウィングを発射する。
刃状のエナジーウィングは、ディストーションフィールドによる防御を全く受け付けない。
それを知らなかったのか、それとも間近で攻撃されるとは思わなかったのか、テツジンは真っ正直にこっちの攻撃を受け……やがて機体の全身から煙を上げながらその場で動きを止める。
相転移エンジンによる自爆とかをされかねないと考えると、パイロットを殺した方がいいんだろうが……いや、そっちの方がいいか。
テツジンを含めたジンシリーズのコックピットは、胸部ではなく頭部だ。
まるでどこぞの国の名前を模したニュータイプ用MSみたいだな。
「悪いな」
エナジーウィングで動きが止まったところで、ヒュドラのビーム砲を向け……トリガーを引く。
真っ直ぐに放たれたビームは、そのまま頭部を貫き……やがてテツジンは動きを止める。
さて、これで大体テツジンとの戦い方は判明した。
機体は特機だが、能力的には特機には遠く及ばない。
それこそまだリオンとかの方が手強く感じられるような気がするが……
そんな風に思いながら、残り4機になったテツジンへと振り向いた瞬間、その中の1機が突然姿を消したかと思うと、ニーズヘッグのすぐ側に現れる。
「ちぃっ!」
そして姿を現した時には、既に拳を振り上げており……ディストーションフィールドを纏わせた拳が、そのままニーズヘッグへと向かって叩きつけられようとするものの……
「そんな鈍い動きでニーズヘッグを捉えられると思ってるのか!」
エナジーウィングを使った急制動でテツジンの一撃を回避し、そのまま至近距離からコックピットの頭部目掛けてT.T.キャノンを叩き込むのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:525
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1210
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