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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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192部分:第二十六話 薔薇の聖闘士その三


第二十六話 薔薇の聖闘士その三

「彼等に対抗できるのもまた貴方達だけでした」
「へっ、俺だったら奴等全員冥界に送り返してやるぜ」
「俺も。次は斬る」
 デスマスクもシュラもその自信は隠さないのだった。それは彼等もまた黄金聖闘士であるという自負があるからだ。だからこそなのである。
「八人だろうか何人だろうがな」
「臆するところはない」
「その心意気です。そして」
「そして?」
「何だシャカ」
 アルデバランとアイオリアがまた彼に問うた。
「それはあの人にもあるのです」
「ピスケスのアフロディーテ」
「その美貌は全ての聖闘士の中でも頂点にあると言っていい」
 だからこそ美貌を司る女神の名を冠しているのである。それは伊達ではないのだ。
「しかし。それだけではないか」
「あの男もまた」
「では。見せてもらおう」
 ミロは今までアフロディーテがいた場所と白くなった道を見て言うのだった。
「その戦いをな」
「既に同行する白銀及び青銅の者達も選ばれている」
 カミュはこのことも述べるのだった。
「おそらくな。そしてアフロディーテと合流する筈だ」
「さて、誰がなるのでしょうか」
 ムウはここでそれが誰なのかを考えてそのうえで述べるのだった。
「ここは。誰なのか」
「まず一人はほぼ決まりだろう」
 アルデバランはその重厚な顎に手を当てて考える声を出した。
「リザドのミスティだ」
「あいつか」
「あの白銀きっての腕利きだという」
 アイオリアとシュラはミスティの名を聞いて言うのだった。
「かなり癖のある奴だがな」
「ナルシストと言うべきか」
 また言う二人であった。そしてデスマスクとカミュはそれぞれ眉を顰めさせていた。
「あのナルシストぶりはまた異常だがな」
「実力はあるにしろだ」
「まああれだな。アフロディーテには合ってるがな」
「それもそうか」
「それでもう一人は誰だ?」
 ミロはもう一人についても考えるのだった。
「白銀は二人の筈だが」
「もう一人は。さてな」
 アルデバランにも予想がつかないようであった。
「予想ではな。ペルセウスのアルゴルだが」
「彼ですか」
「これは俺のただの予想だ」
 こうムウにも前置きする。
「果たしてそれがどうなるかはわからないがな」
「あとそれに青銅が四人です」
 シャカは落ち着いた顔で述べた。
「合計七人でまた向かうのです」
「それでは。我々はここで待ちましょう」
 冷静に述べるムウだった。
「ゆっくりと」
「そうだな。それではだ」
 アルデバランがムウの今の言葉に頷いた。
「ここは待たせてもらおう。あの男の無事な帰還をな」
 黄金聖闘士達はこう言いながら教皇の間の前においてアフロディーテが守護している双魚宮を見るのだった。そこには今主がいない。しかしその毅然とした気品のある小宇宙は残っているのだった。
 アフロディーテが今聖域を発とうとしている時だ。後ろから彼を呼ぶ声がした。
「アフロディーテ様お待ち下さい」
「我々も」
「そういえばそうでしたね」
 アフロディーテは立ち止まり彼等の方を振り向いて言うのだった。
「この聖戦においては黄金聖闘士が出陣する時は」
「はい、白銀及び青銅もまたそれぞれ出陣する予定になっています」
「そうなっています」
 こう彼等はアフロディーテに対して告げるのだった。合わせて六人いる。
「まずはこのミスティと」
「アルゴルが御供させて頂きます」
 最初に名乗ってきたのは女と見まごうばかりの淡い色の豊かな髪を持つ男とそれに反比例するかのように精悍な顔の二人の男であった。
 
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