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ドリトル先生の名監督

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第四幕その七

「やっぱりね」
「そうだよね、まあ先生はおかしなところはないけれど」
 ここでこんなことを言った王子でした。
「鈍いところはあるね」
「ううん、僕は鈍感ともね」
「よく言われるね」
「そうなんだよね」
「自覚あるんだ」
「人の気持ちに気付かない」
「気配りは凄いよ」 
 このことは誰が見てもです。
「人が困ってたらすぐに気付いて助けてくれるから」
「それでも鈍いって言われるね」
「そう、先生は鈍いよ」
「果たして何に鈍いのか」
「それがわかれば先生も違ってくるよ」
「どう違うのかな」
「まあまあ、それは神様が気付かせてくれるよ」 
 笑って言う王子でした、このことについては。
「それか導いてくれるよ」
「神様が」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「このことは安心していいよ」
「何かよくわからないけれど安心していいんだね」
「そういうことについての鈍さはね」
「よくわからないね」
「まあわからなくてもね」
 それでもとです、また言った王子でした。
「先生みたいな人こそ神様が助けてくれるから」
「そうだと有り難いね」
「そのことは安心していいよ」
「では僕にもご加護があって」
 ここでこうも言った先生でした。
「相撲部の皆もね」
「いや、それはどうかな」
「あっ、お相撲は神道だからね」
「宗教が違うから」
「そうだったね」
「まあ神様を信仰しても」
 それでもというのです。
「キリスト教のね、それでもいいかな」
「神道も信仰して」
「日本ではね」
「そうなるから不思議な国だよね」
「皇室の方も出家されていたね」
「ああ、そのことだね」
 王子もはっとして応えることでした。
「天皇陛下もね」
「譲位されて上皇になって出家されてね」
「法皇様になられるんだよね」
「神道の総本山といっていい方々だけれど」
「うん、仏教にも帰依されていてね」
「神道は捨てていない」
「そういうところ凄いね」
 信じられないことなのです、このことは他の国では。
「皇室の方が比叡山に入られることもあったっていうし」
「うん、実際にあったよ」
「神道と仏教は違う宗教でも」
「日本では同じ様に同時に信仰されているんだ」
「皇室の間でも」
「そうなんだ」
「神仏って言葉があるけれど」
 これもまた日本独自の言葉みたいです。
「同じなんだね」
「宗教が違ってもね」
「じゃあ力士さんがキリスト教の神様のご加護を受けてもいいかな」
「多分ね。天理教の信者さんもいるしね」
 力士さんにはです。
「結構沢山ね」
「ああ、あの宗教も」
「八条学園には宗教学部もあるね」
「そうそう、あるんだよね」
「それで神道や仏教、キリスト教や天理教のこともね」
「勉強してだね」
「聖職者の資格も貰えるんだよね」
 そうした課程を受けてです。
「それも日本独自だね」
「まさにね、じゃあ」
「やっぱり力士さんがキリスト教を信仰しても」
「日本ではいいね」
「ここの宗教的にはね」
「そうなるね」
 こうした結論に至るのでした、そして。 
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