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ゲート 代行者かく戦えり

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航空自衛隊の装備一覧 1

 
前書き
この作品で登場する航空自衛隊の装備の説明を記載します。少しアレンジが加えられておりますので、色々と文句など言いたいことはあると思いますが予めご了承ください。

引用文献:wikipedia

「F-4 (戦闘機)」
「F-15J (航空機)」
「F-2 (航空機)」
「C-130(航空機)」
「C-1(輸送機)」
「C-2(航空機)」
「パトリオットミサイル」
「VADS」
「M61 バルカン」
「E-2(航空機)」
「E-767(航空機)」
「RQ-4」
「90式空対空誘導弾」
「99式空対空誘導弾」
「04式空対空誘導弾」
「AIM-9B/E/P/L/M」
「AIM-120B/C-5」
「93式空対艦誘導弾」
「JM117」
「Mk.82」
「GBU-38/B」
「GBU-31」
「GBU-54」
「GBU-39」
「GBU-12」


「決定版 世界の軍用機FILE」Gakken

F-4:P10~11
F-15:P16~19
F-2:P68~71
E-2:P126~127
RF-4:P138~139
C-130:P174~175
C-2:P192~193


戦車研究室-研究室(第2次世界大戦後~現代編)-対空ミサイル・システム(アメリカ)

「MIM-104ペイトリオット対空ミサイル・システム」 

 
「F-4EJ改」(72機)

用途:戦闘機

分類:艦上戦闘機、戦闘爆撃機(マルチロール機)

製造者:マクドネル・エアクラフト(マクドネル・ダグラス) 三菱重工業 

乗員:2名

全長:19.2m

全高:5.02m

動力:GE J79-GE-17A 軸式圧縮機 ターボジェット

最大速度:M2.5 高度12190m(40000ft)時

巡航速度:585mph ,940km/h

実用上昇限度:62253ft (18975m)

兵装類機外最大搭載量:8000kg

武装
固定兵装:M61A1 20mmバルカン砲×1(弾数1200発)

搭載兵装
胴体下ステーション:90式空対空誘導弾(6発)or 99式空対空誘導弾(6発)or 04式空対空誘導弾:(8発)


主翼下パイロン(空対空ミサイル用ステーション):90式空対空誘導弾(6発)or 99式空対空誘導弾(6発)or 04式空対空誘導弾:(8発)

胴体中心線下/主翼下パイロン(主翼下は空対空ミサイル用ステーション以外):AIM-120(6発)or 93式空対艦誘導弾(6発)or M117(6発)or Mk 82(12発)


F-4EJ改は、F-4EJ国産機の機体寿命延長と能力向上を目的とした改修を行った機体である。ちなみにF-4EJ国産機は、F-4Eから対地攻撃能力や空中給油能力を除去し、スクランブル発進時の加速力を重視して他国のF-4Eの持つ空戦用スラットを省略した機体だ。
ここではオリジナルのF-4と、偵察型のRF-4Eの説明も加えて行う。


F-4は、アメリカ合衆国のマクドネル社が開発した艦上戦闘機である。アメリカ海軍をはじめ、多くの国の軍隊で採用された。愛称はファントムII。アメリカ海軍初の全天候型双発艦上戦闘機として開発され、大型の翼と高出力のジェットエンジンを双発で装備し大きな搭載量を特徴としている。当初の機種番号は海軍ではF4H、アメリカ空軍ではF-110だったが1962年にアメリカ軍の軍用機の命名規則統一によりF-4となった。


出現当初の本機は優秀な飛行性能と有力なレーダー・空対空兵装運用能力を持つ世界最優良の戦闘機であった。更に攻撃機としても使えるので、ベトナム戦争で米海空軍は本機を戦闘機・攻撃機として運用した。この戦争での活躍から多くの西側諸国に採用され、各国の要求に応じて様々な派生型が数多く作られたことより冷戦期の代表的な機体となった。数々の実戦戦績や各国へのセールスの成功も含めて傑作戦闘機と評価され、マクドネル社の発展の原動力としてその名を世界に広めた戦闘機とされる。


マクドネル社とダグラス社の合併によりマクドネル・ダグラス社となってからも生産が続き、総計5195機の生産数となった。超音速戦闘機の歴史で5000機以上製造されたのは、このF-4とMiG-19、MiG-21、
MiG-23の4機種しかない。うち3機種は東側のソビエト連邦製であり、西側ではF-4が唯一例となる。現在のベストセラー戦闘機F-16が現在でも4500機程度の生産数であることを見ても、特筆すべき生産数であるといえる。


F-4の大きな特徴に、
無給油で3184kmを飛行できる航続距離が挙げられる。高い推力と引き換えに燃料消費の激しい大型エンジンを2基も搭載していたが、それを補って燃料搭載量は、
胴体内に6個と主翼内に2個のタンクに加え、胴体下の600ガロンの増槽と主翼下の370ガロンの増槽の総計は3370ガロン(12460L)と、当時の群を抜くものだった。さらに空中給油能力も合わせると、
パイロット自身の持久力の許す限りの航続時間を持つこととなった。


また、アメリカ海軍初の複座型艦上戦闘機であることも特徴となっている。F-4では前席にパイロット、後席にレーダー・航法担当のレーダー迎撃士官が搭乗する。コックピット前席の前面計器盤は、
円形のレーダースコープとその操作装置を中心として、上部に光学照準機(HUDではない)、中央部にコンパスや水平儀等の操縦関係の計器、
左には操作系、右には警告灯、下側には油圧系統のメーターやゲージが備わり、
サイドコンソールに各制御スイッチが配置される。


レーダースコープの横には、360度をカーバーする円形のレーダーホーミング及びレーダー警戒装置用の表示装置が配置される。また、F-4Eでは、スロットル・レバーや操縦桿に、レーダーなどの装置を操作するためのスイッチが取付けられたが、これは、今で言うHOTAS(Hands On Throttle and Stick=両手をスロットルとスティックにおいたまま)とは異なる。


後席の前方視界は殆どなく、レーダー迎撃士官はパイロット用の射出座席、つまりパイロットの背中部分に備わったレーダースコープや各種計器を使用し、機内の通信装置を用いてパイロットに現在の位置や周囲の状況を伝える。後席右パネルの操縦桿状の物はレーダー操作用のスティックである。
原型である海軍型には後席に操縦装置は無いが、空軍向けの派生型においては、
後席にも操縦系統を設けている。前後席ともに空戦時の後方確認用にキャノピー枠内側に凹面鏡のリアビューミラーを備えている。


胴体下には、6基のAIM-7スパローミサイルを半埋め込み式で搭載できるようになっており、左右の主翼下の各2箇所と胴体中心線下の1箇所に、
ミサイルなどの兵装や燃料タンクまたは電子戦ポッドを搭載するための、パイロンを装備している。


F-4EはF-4D(空軍の要求を元に設計された本格的なタイプであり、
C型の機首下面に取付けられていたAAA-4赤外線探知器をレーダー警戒受信器に変更。サイドワインダーの搭載機能を削除しファルコンのみ搭載としたがファルコンの成績不良からサイドワインダー搭載機能を追加している。レーダーを測距機能付きのAN/APQ-109Aに換装して低空目標の探知能力を向上している)の改良型
。対地攻撃能力強化のためのC型からD型への改良に比べて変更内容はかなり大きい。


接近戦能力の向上のために偵察型に倣い延長した機首にM61A1 20mmバルカン砲を固定装備し、前縁スロット付きスタビレーターと空戦時の運動能力向上を図るため、前縁フラップを可動式スラットに変更した(サンダーバーズ所属機除く)。
機関砲搭載のために従来より小型のAN/APQ-120レーダーに換装しているがAPQ-120開発の遅れから、初期の30機はレーダーなしでの配備後に追加搭載している。


AN/APS-107レーダー警戒装置を装備しており、そのアンテナが垂直尾翼上端に取付けられていたが、
後期型ではAN/ALR-46となり、アンテナは主翼端に取付け位置が変更されている。
また、一部の後期型では、左主翼内翼部前縁に電子光学式目標識別センサー(TISEO)が取付けられている。


偵察型のRF-4Eは、
飛行中に敵のレーダー波や通信を傍受して、受信した情報をデータ通信により送信が可能な、ALQ-125戦術電子偵察装置を搭載しており、マッピングと地形回避用のAN/APG-88レーダーが搭載されたため、
機首のレーダードームが小型化されている。機首下部には前方レーダー警戒器と前方・後方・垂直方向の撮影ができる偵察用のKS-87カメラ機材を搭載しており、
そのため、機首下部に前方と後方、機首両側面にカメラ窓が取付けられている。


その後方には、APQ-102R/TSLAR(側方機上監視レーダー)の装置とアンテナ、ASS-18A赤外線偵察装置が搭載されており、それらの電子画像と赤外線写真をフィルムに記録することができる。その他にも、前席のコックピットとその前方には、LA-313A光学ファインダーとそのペリスコープが装備されている。これ等の装備により、本機は写真偵察任務だけでなく、電子偵察などを含めた多目的な偵察任務を全天候下でこなすことが可能。


RF-4EJでは偵察機器をセンターラインポッドに搭載して運用するため、機首のM61A1 20mmバルカン砲をそのまま維持している点がRF-4Eとの顕著な差となっている。他にも偵察装備を機外にポッド式装備としているため、
機体の外形・兵器の運用能力は戦闘機型と変わらない。RF-4EJは有事の場合には上記の理由により、戦闘機として運用することが可能である。航空自衛隊はこの偵察型を現状24機装備している。





そして日本では、
1966年(昭和41年)に第2次F-XによりF-86Fの後継機種としてF-4Eを日本向けに改修したF-4EJを選定した。導入時の際の2機はマクドネル社セントルイス工場製の輸入、続く8機分は部品で輸入し三菱重工業でのノックダウン生産、それ以降を同社によるライセンス生産と決定した。また、F-4のライセンス生産が許可されたのは日本が唯一となる。


F-15Jが導入されるまで主力戦闘機として防空任務を担当した。出自が艦上機であるために陸上機としては大きな構造重量(着艦の衝撃に耐えるため、足周りが頑丈であった)への批判や、採用後も1976年(昭和51年)のベレンコ中尉亡命事件で低空目標の探知能力(ルックダウン能力)不足が明らかになるなど、課題も抱えた。


F-104J/DJが実戦部隊から退いた1986年からは数の上でもF-15Jが主力戦闘機となるが、1989年(平成元年)より延命・能力向上目的の改修を受けた90機が「F-4EJ改」となり防空任務に就いた。現在、F-4はF-15Jへの更新や部隊の改編、老朽化により徐々にその数を減らしている。


改修型のF-4EJは、
F-4Eから対地攻撃能力や空中給油能力を除去し、スクランブル発進時の加速力を重視して他国のF-4Eの持つ空戦用スラットを省略した機体。
1971年(昭和46年)7月25日に2機(1・2号機)を完成輸入し、
続く11機(3~13号機)を三菱重工業でノックダウン生産、
127機(14~140号機)をライセンス生産により国産とした。国産機中90機を戦力向上と寿命延長を目的としてF-4EJ改に改装し、F-15導入で余剰となった初期導入の15機は偵察機RF-4EJに改装している。


そしてF-4EJ改は、
F-4EJ国産機の機体寿命延長と能力向上を目的とした改修を行った機体。1980年(昭和55年)からF-4EJの延命・能力向上研究を開始し1981年(昭和56年)度に改修設計作業を開始した。1982年2月20日に航空機構造保全プログラム(ASIP)検査方式による機体寿命の延長と戦闘能力の向上が可能であると判断し、昭和57年度に07-8431号機を三菱重工へ引き渡し改装、
1984年7月17日に初飛行、12月13日に航空自衛隊へ引き渡された。


改修は下記の通り、
アビオニクス類を中心としている。

・セントラルコンピュータとしてJ/AYK-1搭載による、兵装システムの統合とASM-1/ASM-2空対艦ミサイル運用能力の獲得。無誘導爆弾による対地攻撃能力の付与。操作方式が、
F-4EJの手動式から自動式になり、対地/対艦攻撃能力が向上

・APQ-120レーダーをAPG-66J(F-16A/Bで使用のAPG-66改造型)に換装し、
目標探知距離を80nm (148km) まで延伸した上、ルックダウン・シュートダウン能力(下方低空の目標を探知・攻撃する能力)を改善

・F-15J用の誘導指令装置を追加し、APG-66J搭載のみでは失うAIM-7Fスパロー空対空ミサイルの運用能力を付与

・ レーダー警戒装置(RWR)をJ/APR-6に更新。脅威レーダーの受信周波数域が拡大され、新しい世代のレーダーに対応が可能となった。表示の面では、電波源の方向を8方位から、電波源からの距離(電波の強さ)を3段階で表示するものだったのが、CRTによるデジタル式表示となった

・AN/ASR-63 アナログ式慣性航法装置をデジタル式のJ/ASN-4に更新。誤差を1/3に改善のほか、目視確認による位置のアップデート機能と12ヶ所の目標場所と3ヶ所の目標座標を記録できるターゲット・マーク機能を有する

・IFF質問装置をAN/APX-76Aに更新。
従来のものは、地上のレーダーや他の航空機からの質問信号に対して応答信号しか送信できなかったが、更新されたものは、前者の機能の他に、自機から他の航空機に質問信号を送信することが可能となった

・HOTAS概念の導入。
スロットル・レバーに8個のスイッチ類が付いており、スロットル・レバーと操縦桿に手を置いたまま各種の操作が可能となる

F-4EJとの外見的な差異は胴体の上に付いているTACAN(戦術航法装置)のアンテナがVHF/UHF無線機用に大型化され、両主翼端や垂直尾翼上端に新型RWRのアンテナが付き、コックピットの照準装置がHUDに変わった等が挙げられる。


特地には戦闘機型36機と偵察型8機が(ゲート)の大きさや法律上の問題などでそのまま持ち運ぶことが出来ないので、
部品ごとバラバラにされて現地で組み立てるように持ち込まれており、それを再び組み立てる事で持ち運ばれた。主に航空偵察や空爆などを任務として担当している。敵は主に「帝国軍」と奴らの操るモンスター、もしくは現地で災害扱いされている炎龍など大型生物である。






「F-15J」(450機)

用途:戦闘機

分類:制空戦闘機

製造者:三菱重工業(ライセンス生産)

乗員:1名(DJ型は2名)

全長:19.4m

全高:5.6m

動力:プラット・アンド・ホイットニー/石川島播磨 F100-IHI-100(及びF100-IHI-220E)ターボファンエンジン

最大速度:M3

巡航速度:M1.4

実用上昇限度:19000m

航続距離:5500km (増槽)

兵装類機外最大搭載量:12t

武装
固定兵装:JM61A1 20mmバルカン砲×1(装弾数1200発)

搭載兵装:胴体下ステーション:90式空対空誘導弾(8発)or 99式空対空誘導弾(8発)or 04式空対空誘導弾:(10発)


主翼下パイロン(空対空ミサイル用ステーション):90式空対空誘導弾(6発)or 99式空対空誘導弾(6発)or 04式空対空誘導弾:(8発)

胴体中心線下/主翼下パイロン(主翼下は空対空ミサイル用ステーション以外):AIM-120(8発)or 93式空対艦誘導弾(8発)or M117(8発)or Mk 82(16発)


F-15Jは、アメリカ合衆国のマクダネル・ダグラス社(現ボーイング社)が開発したF-15C/Dイーグルを、三菱重工業が中心となり、航空自衛隊向けにノックダウン及びライセンス生産した戦闘機である。
三菱重工業を主契約社とし、単座型のF-15J370機と複座型F-15DJ50機の計420機が製造された。これは開発国アメリカに次ぐ保有数となっており、90%以上の高稼働率を維持している。一機当たりの調達価格は約120億円である。


基本性能の優秀さと高い拡張性を生かした独自の近代化改修により段階的に能力向上が図られ、導入から30年以上経た現在も日本の主力戦闘機として防空任務に就いている。航空自衛隊と米空軍のF-15に外見的な大きな違いはなく、国籍標識(日の丸)や迷彩塗装の色調、電子戦関連アンテナ類の有無や形状の違い、操縦席後方右側面の空調用丸型排気口の有無(近代化改修機)などが主な識別点として挙げられる。ここでは元のF-15についても説明を行う。


F-15は、アメリカ合衆国のマクダネル・ダグラス社(現ボーイング社)の開発した制空戦闘機である。アメリカ空軍などで運用されたF-4の後継として開発された大型制空戦闘機で、
第4世代ジェット戦闘機に分類される。F-4と共に、冷戦下のアメリカ空軍とマクドネル・ダグラス社を代表する戦闘機といえる。軽量な機体に大推力のターボファンエンジンを2基搭載し、高出力パルスドップラー・レーダーと中射程空対空ミサイルの運用能力を持つ。


後継機であるF-22が戦力化され、原型機の初飛行から既に40年経った現在でも世界トップクラスの性能を誇る。二枚の垂直尾翼を持つとはいえ、平凡な平面形の主翼に水平安定板を組み合わせた保守的な設計だが、当時としては画期的な機動性を実現した機体である。また、数々の実戦経験がありながら、採用国は2015年現在までに空中戦における被撃墜記録は無いとしている。


単座型と複座型の2種類が存在するが、
飛行性能および戦闘能力に大きな差はない。当初は一機当りのコストが約3,000万ドル(アメリカ空軍での単価)と高価な機体となったため、
アメリカ空軍でもF-16との「Hi-Lo-Mix」(ハイローミックス)運用を甘受することとなり、輸出先も政治・軍事的に親密な経済大国のみに限られていた。


外形はF-111やF-14の可変後退翼、F-16のブレンデッドウィングボディといった新機軸を採用することなく、MiG-25やA-5といった前例のある肩翼配置クリップトデルタ翼に双垂直尾翼と全浮動の水平尾翼を配置した堅実な構成となった。主翼は基本翼形のキャンバーを翼付け根前縁を頂点とした円錐に合わせて翼端では翼形全体までも湾曲させるコニカルキャンバーを与えることで前縁フラップを省略し、後縁に単純フラップと補助翼のみを動翼とした簡素なものである。


主翼付け根の膨らみは、ストレーキ類似の離着陸性能と運動性向上の効果を持つ。この主翼付け根の膨らみは機関砲の内蔵スペースともなり、また、後方へ延長されて尾翼の取り付け部となっている。
機体最上面に張り出す涙滴型の風防は、
単座型と複座型で大差がない程の大きな空間により、抵抗を増やさず360°の視界を確保している。初期の機体では高温強度の高いポリカーボネートにアクリルを拡散蒸着した材質だったが、紫外線による劣化で曇りが出たため強化アクリルガラスに変更された。


胴体上面キャノピー後方に大型のエアブレーキを装備し、
ドラッグシュートを廃止している。このエアブレーキは、
アルミニウム・ハニカムと炭素繊維複合材(グラファイト・エポキシ)を組み合わせた軽量構造になっている。水平尾翼と垂直尾翼はチタン、間にアルミニウム・ハニカム、表面をボロン繊維複合材を使用し、軽量かつ強固な構造となった。
他にも、軽量化と耐熱性強化のためにエンジン回りや主翼取り付け部の円矩等の要所で構造重量の25%以上に及ぶチタン合金を使用しており、
外形からは窺えないF-15の特徴となっている。


胴体上面キャノピー後方に大型のエアブレーキを装備し、
ドラッグシュートを廃止している。このエアブレーキは、
アルミニウム・ハニカムと炭素繊維複合材(グラファイト・エポキシ)を組み合わせた軽量構造になっている。水平尾翼と垂直尾翼はチタン、間にアルミニウム・ハニカム、表面をボロン繊維複合材を使用し、軽量かつ強固な構造となった。
他にも、軽量化と耐熱性強化のためにエンジン回りや主翼取り付け部の円矩等の要所で構造重量の25%以上に及ぶチタン合金を使用しており、
外形からは窺えないF-15の特徴となっている。


操縦系統は、電気式の操縦性増強装置であるCASと油圧機構とを組合わせたものである。CASは操縦桿およびフットペダルの操作を電気信号に変換して各動翼の油圧サーボ・シリンダー作動させるもので、
フライ・バイ・ワイヤと同じ原理であるが、フライ・バイ・ワイヤがすべての操作を飛行制御コンピュータの電気信号指令だけで行うのに対して、
CASはリンク機構による機械的な結合で接続されている補助翼、方向舵、水平尾翼に並行して追加される形で装備され、
安定増強や操舵補正を行っている。これにより機械的な結合が破損してもCASのみの制御で飛行を継続できるが、F-16のようなCCV設計の導入は不可能であった。


操縦桿とエンジンの出力を制御するスロットル・レバーには、操縦・操舵・航法・通信・エンジン関係・火器管制などで使用頻度が高いスイッチを取付けて、
HUDと組合わせることにより、パイロットが飛行中でも視線を逸らさずに手を離すこともなく、それらを操作することができるHOTASが導入されている。火器管制システムは高性能のレーダー(AN/APG-63/70シリーズ)を中心とした高度の自動化設計により、単座運用を実現している。APG-63レーダーは小型戦闘機程度の投影面積である目標に対しては80海里(148km)以上の距離で探知が可能である。搭載のデータリンクを使用した早期警戒管制機(AWACS)との連携により高度な迎撃能力を発揮する。


F-15の武装はベトナム戦争の戦訓より固定装備とした右翼の付根前縁にあるM61A1機関砲を始め、主翼下の2ヶ所のパイロンの両側のサイドレールに計6発のAIM-9 サイドワインダー、
胴体下面4か所のランチャーに計6発のAIM-7 スパローとなっている。M61A1機関砲の装弾数は一秒間の射撃を20回行うことができる。機関砲の射線は空中戦用途を主として、機体の基準線から2度上に向けている。この他にも、各国向けの仕様の変更や使用武装の追加など様々な更新を制式採用以後も受けている。


対空戦闘に特化しているとの誤解もあるが、開発当初からMk82、Mk84汎用爆弾及びそれらから派生した各種誘導爆弾などを搭載可能である。それら爆撃装備はミサイルの搭載を妨げないため、戦闘爆撃機としての潜在能力も高い。搭載量に関しては、より大型機である以上当然の話であるが、F-16よりも高い。本機が純粋に戦闘機として用いられる例が多かったのは、対地攻撃は制空任務よりも損耗率が高く、高価な機体をそれに充てる事が得策でないと判断されたからであり、
状況によっては対地攻撃任務に用いられた事がある。火器管制装置の空対地モードはHUD表示により、
対地射撃、(自動)投弾、投弾後の4Gプルアップを支援する。


40年以上も前に開発され、しかも1970年代当時としても保守的な機体ではあるが、本来の高い基本性能に加えて将来の発展性のために当初から余裕を持たせて設計されていた。そのため、新型ミサイルへの対応、もともと強力だったエンジンの更なる強化、さらにAWACSや早期警戒機を中核としたC4Iシステムの高度化に対応するための電子装備の更新による近代化改修に対応することで、ロシアのSu-27やヨーロッパ国際共同開発のユーロファイター タイフーン、フランスのラファールなどといった、80年代後半から90年代以降にかけて登場した新鋭機に伍して第一線での任務遂行能力を維持している。


航空自衛隊が現在進めている近代化改修プログラムにより、
F-15J/DJは将来の航空脅威に対処できる能力を得る。また、
現在の改修計画には含まれていないが、
AESAレーダーの搭載やグラスコックピット化、新型ミッションコンピューターへの換装、フライバイワイヤ化、St.1及びSt.9へのAAMランチャーの追加等、更なる性能向上の余地もあり、ボーイング社からも売込みが行われている(但し、費用対効果などの観点から慎重に判断される可能性がある)。


防衛省から具体的な機体寿命や退役時期などに関する発表はないが、空自の年間飛行時間から換算すると初期生産分の機体が基本寿命である8000飛行時間を迎えるのは2025年あたりとなる。アメリカ空軍のC/D型には8000時間を迎えて更に10000時間まで延長された機体もあり、MSIP機については当初の2倍以上になる18000時間への延長も検討されていることから、
J/DJ型にも同様の措置がとられる可能性がある。いずれにしても、航空自衛隊のF-15J/DJは今後十数年に渡り第一線で運用されるものと思われる。


F-15J/DJはF-15C/Dを原型とするが、アメリカ議会から批判を受けた国防総省の決定により提供されなかったTEWS(戦術電子戦システム)については、国内で独自開発したJ/TEWSで代替している。J/TEWSは国産のJ/ALQ-8電波妨害装置とJ/APR-4レーダー警戒受信機、
ライセンス生産のAN/ALE-45J射出型妨害装置(チャフ・フレアディスペンサー)で構成される。
アメリカ空軍向けF-15C/Dでは左の垂直尾翼先端にIRCM装置が内蔵されているため左右非対称だがF-15J/DJの垂直尾翼は左右対称になっており、外見上の大きな識別点にもなっている。


原型機のF-15C/Dは、F-15A/Bに機内燃料タンクの増設やFAST PACKと呼ばれるコンフォーマル・フューエル・タンクの搭載能力付加といった改良を加えた機体であり、F-15J/DJも機内燃料タンクなどの配置はこれに準じている。しかしながら、航空自衛隊はコンフォーマル・フューエル・タンクを保有していない。


F-4EJ導入の際にも問題となった地上攻撃能力や空中給油能力について当時の国会で野党の追及を受けたが、「対地攻撃専用の計算装置などを有していない」「搭載装置から見ても、
他国侵略的・攻撃的脅威を与えるものではない」、「空中警戒待機は有効ではあるがF-4が主力の時期では不要との判断だったが、航空軍事技術の著しい発展のすう勢から、F-15が主力となろう1980年代後半は、有事の際の空中警戒待機の必要が十分予想されるので撤去は望ましくない」などの答弁の結果、撤去はされていない。


アメリカ国防総省は当時F-15が主力機であったため日本に対する技術情報の開示を規制したが、これは段階的に解除された。日米装備・技術定期協議(S&TF)において旧防衛庁と国防総省の間で交渉が行われ、1981年にはTEWS以外の複合材料やF100ターボファンエンジンといった技術へのアクセスは許可された。なお、
独自装備の一つとしてBADGEシステムから時分割データを受信する日立製作所製「J/ASW-10」を搭載している。


訓練用に調達した複座型のF-15DJは、
コックピット後部に搭載するJ/ALQ-8などの一部機器を省略してあるため、電子戦能力を要する任務の際は胴体下にAN/ALQ-131電子戦ポッドを外部搭載する。兵装は当初、F-15C/Dと同じく「AIM-9」及び「AIM-7」、固定武装として「JM61A1」を搭載していた。これらはいずれもライセンス生産での調達で、電子機器類の技術移転が少なかったこともあり、国内メーカーに割に合わないとの不満を生じた。但し、
F-15と同時に国産化されたAIM-9Lは、
F-4EJ及びF-4EJ改にも装備されている。


その後、短距離空対空ミサイルについてはAIM-9の後継として開発された国産の「90式空対空誘導弾(AAM-3)」、およびその後継である「04式空対空誘導弾(AAM-5)」(改修機のみ対応、後述)を運用するように改装された。また、中距離空対空ミサイルは、AIM-120シリーズではなく、AIM-7の後継として開発された「99式空対空誘導弾(AAM-4)」に更新されることとなった。


エンジンはプラット・アンド・ホイットニー社製の「F100-PW-100」をIHI(旧石川島播磨重工業)がライセンス生産した「F100-IHI-100」2基を搭載している。生産末期には整備性・耐久性がより向上した「F100-IHI-220E」が標準搭載され、それ以前に生産された機体にも順次換装が進められている。現状では特地にこれを持っていく予定はないが、F4では対抗できない事態になった時には向こうの空にこれが飛ぶ日が見れるだろう。なるべく見たくはないが。






「F-2」(200機)

用途:戦闘機

分類:戦闘機

製造者:三菱重工業

乗員:1名 (F-2A) /2名 (F-2B)

全長:15.52m

全高:4.96m

動力: IHI/GE F110-IHI-129 ターボファンエンジン

最大速度:M2.8

巡航速度:M1.2

航続距離:5000km(増槽)

兵装類機外最大搭載量:12t

武装
固定兵装:JM61A1 20mmバルカン砲×1(装弾数1200発)

搭載兵装:J/LAU-3ロケット弾ポッド:70mmロケット弾19発搭載 LR-4ロケット弾ポッド:127mmロケット弾6発搭載

胴体下ステーション:90式空対空誘導弾(8発)or 99式空対空誘導弾(8発)or 04式空対空誘導弾:(10発)


主翼下パイロン(空対空ミサイル用ステーション):90式空対空誘導弾(6発)or 99式空対空誘導弾(6発)or 04式空対空誘導弾:(8発)

胴体中心線下/主翼下パイロン(主翼下は空対空ミサイル用ステーション以外):AIM-120(8発)or 93式空対艦誘導弾(8発)or M117(8発)or Mk 82(16発)or CBU-87/B クラスター爆弾(無誘導12発)or JDAM 500lb誘導爆弾(GPS及び慣性誘導方式12発)


F-2は、F-1(第二次世界大戦終結後に日本が初めて独自開発した超音速飛行が可能な第3世代ジェット戦闘機に相当する支援戦闘機)の後継として開発された日本・航空自衛隊の戦闘機である。1995年(平成7年)に初飛行を行い、2000年から部隊配備を開始した。
公式な愛称ではないが、関係者やファンからは「平成の零戦」や「バイパーゼロ」などと呼ばれることがある。


第4.5世代ジェット戦闘機に分類される航空自衛隊の戦闘機である。F-16を大型化した機体に空対艦ミサイルを最大4発搭載可能で、戦闘機としては世界最高レベルの対艦攻撃能力と対空能力を兼備する。
当初はF-1と同じく支援戦闘機(実態は攻撃機)に分類されていたが、のちに「要撃」「支援」の区分が廃止されたため、
F-2戦闘機と表記される。その性能や用途から、戦闘爆撃(攻撃)機やマルチロール機に分類される場合もある。


本機の本開発が始まる以前の「FS-X(次期支援戦闘機)」の段階では国産機開発として計画されていたが、技術的・政治的問題によりアメリカとの共同開発となった。これによりロッキード・マーティン社のF-16多用途戦闘機をベースとし、
三菱重工業を主契約企業、ロッキード・マーティンなどを協力企業として開発されることになった。


ベースとなったF-16からの大型化にともなう重量増を軽減するために、本機では炭素繊維強化複合材による一体構造の主翼を世界で初めて採用している。また、
量産戦闘機として世界初となるアクティブフェーズドアレイレーダーを搭載し、
CCV研究機T-2CCVにより蓄積された国産技術によるデジタル式フライ・バイ・ワイヤ (FBW) を飛行制御に用いる。F-2の開発は当時の日米貿易摩擦などに端を発するアメリカ合衆国との政治的問題が絡み、当初のエンジンの輸入(ライセンス生産)を前提とした国産開発から、
F-16戦闘機をベースとした日米共同開発へと推移した。米国は尾翼のみを生産。


1990年代に退役が予測されたF-1の代替機として計画された次期支援戦闘機計画(FS-X)は、1981年に検討が開始された。
その際の要求は、
優良な速度・機動性能と対艦攻撃任務での戦闘行動半径833km以上を持たせる事、
対艦用・対空用として大きな搭載量を持つ事、更に全天候作戦能力を持つFCSの装備と、高度な電子戦能力を持つことなど、総じて厳しいものになっていた。


この要求は既存機では性能が満たせないとして国内開発が一旦内定したが、アメリカから「共同開発」の強い意向が示された事と、大幅な貿易黒字によるアメリカの対日感情悪化を抑えるなどの政治的判断もあり、最終的に国内開発は諦めてF-16をベースとした機体を日米で共同開発を行う事で決着を見た。


単座のF-2Aと複座のF-2Bが存在する。
戦闘攻撃機である本機は、前任機F-1と同様に対地・対艦攻撃能力を重視した機体である。機体形状はベースとなったF-16とほぼ同じではあるが、航空自衛隊の要求を満たすための改造や再設計箇所が至る所に見られることから「パッと見た形状以外、すべてが違う」等とも言われることがある。


F-2AがF-16Cブロック40/42、F-2BがF-16Dブロック40/42をそれぞれベースとしている。F-2Bは機種転換及び高等操縦訓練に用いる機体で、後席スペースを確保するために搭載電子機器や燃料容量が減らされている以外はF-2Aと同様である。F-2の生産は三菱重工業のほか、ロッキード・マーティン、川崎重工業、富士重工業、
IHI等の各企業が分担して機体の各ブロックや部品を生産し、
それを三菱重工小牧工場にて組み立てるという形で行う。


近接戦闘では、第5世代ジェット戦闘機であるF-22を除く次期主力戦闘機 (F-X)候補機を含めた全ての戦闘機に比肩し得る能力を持つといわれる。また、長射程の99式空対空誘導弾の搭載改修が進められており、それに伴いレーダー (J/APG-1) の探知距離も向上、
一説ではF-X候補機のF/A-18E/F以上になるとされている。


ベース機のF-16C/Dブロック40からの改修点は数多い。胴体を0.5mほど延長し、
さらには主翼面積を大きく拡張(主翼面積はF-16C/Dが27.9m²に対し、F-2A/Bは34.84m²)しており、重量増加による翼面荷重の増加を抑えて旋回性の向上を図っている。同時に主翼の操縦翼面や水平尾翼、ストレーキ(主翼の前方の機体張り出し)も面積を拡大している。細かな改修としては、本格的なステルス機の菱形翼ほどではないが、わずかに主翼や水平尾翼の後縁に前進角が付けられている。


全体構成はF-16と似ているが、大型化して下部を膨らませたレドーム、レドームの改修に合わせて形状を変更したエアインテーク、低高度飛行時のバードストライク対応等のためにフレームを2本に増やし3分割化した風防、
面積を拡大しテーパー翼とした主翼、
ドラグシュートを収容するために延長した垂直尾翼付け根のフェアリング等、
多くの相違点を見て取ることができる。


エンジンはF110-GE-129ターボファンエンジンをIHIでライセンス生産して搭載している。大型化による重量増加を最小限に留めるため、翼を炭素繊維強化複合材による一体構造とする等の措置により、機体規模拡大に伴う重量増は抑えられている。


兵装の搭載能力は周囲を海で囲まれ、
また、政策によって作戦機の総数を制限されている日本の特殊な事情による空対艦ミサイル最大6基搭載という航空自衛隊の要求を満たした能力となっている。
そのために両翼端に各1箇所、両翼下に各2箇所を追加した各5箇所、胴体下面に1箇所の計13箇所のハードポイントを設定している。その他、ステルス性向上を狙った電波吸収材 (RAM) の導入、機内燃料容量の増大(F-16Cの約3896Lに対しF-2Aは約4750L)、着陸滑走距離短縮のためのドラッグシュート搭載等の変更を受けている。


航空電子機器(アビオニクス)も新技術を用いて改修がされており、最も特徴的なのはレーダーとして三菱電機が開発したJ/APG-1・AESA(アクティブ式電子走査アレイ)レーダー(Xバンド)を搭載した点である。AESAレーダーの装備は、量産機ではF-2が世界初となる。なお、このレーダーの搭載に合わせレドームが大型化され、エアインテークにも手が加えられている。


飛行制御にはF-16同様フライ・バイ・ワイヤ (FBW) を用いるが、飛行制御コンピューターのソースコードをアメリカ側が日本側に提供しなかったため、日本で独自のものを開発・使用している。なお、
FSX計画には運動性能力向上技術 (CCV) も盛り込まれており、
そのため開発当初は胴体下面にカナード翼を搭載する予定であり、カナード翼による機動データを収集するためにT-2 CCV研究機が作られた。しかし、カナード翼装備による重量・空気抵抗の増加や整備性の低下といったデメリットを考慮した結果、カナード翼の装備は見送られた。


なお、CCV機能については、飛行制御コンピューターのプログラムを工夫することでカナード翼装備時と同等の機動が行えるようにした。また、日本の技術も取り入れた統合電子戦システム (IEWS) も装備している。これはレーダー警戒装置 (ESM) 等による脅威識別・警戒機能とECM/チャフ/フレア等の脅威対抗機能を統合制御することで効率的な電子戦を行えるようにするというもの。F-2Bではこのシステムが簡略化されているため、F-2Aとは機外ECMアンテナ等の配置に違いが見られる。


コクピットは表示装置が改良されており、液晶ディスプレイを用いた多機能表示装置 (MFD) が3基配置されている。また、操縦には現代戦闘機の主流であるHOTAS概念の導入によるサイドスティック式操縦桿を採用しており、操縦桿とスロットルレバーから手を離さずに各種操作が可能になった一方、
パイロットには手先の器用さと複雑なスイッチ類の操作パターンの習得が要求される。


なお、F-16同様に本機はフライ・バイ・ワイヤを採用しており、操縦桿に加わった圧力を電気信号化することで操舵を行う。そのため、本機の操縦桿はF-16同様、最大でも数mmしか動かない。これにより、従来型の操縦桿を持つ機体から機種転換を行う場合、
操縦桿の扱いに慣れが必要。また、風防は低空飛行時のバードストライク(鳥の激突)への対策として強化されている。
コクピットからの良好な視界を確保している点はF-16の持つ優れた特徴の一つであるが、F-2においてもこの特徴は引き継がれている。現状では特地に持ち運ぶ予定はない。






「C-130H ハーキュリーズ」(36機)

用途:戦術輸送

分類:輸送機

製造者:ロッキード(現ロッキード・マーティン)社

乗員:6名

全長:29.79m

全高:40.41m

動力:アリソン・エンジン社製T56-A-15ターボプロップ

最大速度:700km/h

巡航速度:5580km/h

実用上昇限度:8000m


C-130H ハーキュリーズは、ロッキード社が製造している輸送機。ハーキュリーズとは、ギリシア神話に登場する英雄、
ヘラクレスの英語読みである。戦術輸送機のベストセラーであり、アメリカ軍はもとより西側諸国を中心に69ヶ国で使用され、登場から半世紀以上経った現在も生産が続いている。1984年-1998年までに航空自衛隊は、C-130H型を36機購入し(完成品の輸入でライセンス生産ではない)、戦術輸送機として愛知県の小牧基地第1輸送航空隊第401飛行隊で運用し、
陸上自衛隊第1空挺団の降下訓練・作戦なども支援する。


空自における導入の理由としてC-1の航続距離問題が挙げられているが、実際には政治的な要請も絡んでおり、日米貿易摩擦の緩和及び極東有事時に実施される宗谷海峡機雷封鎖への協力が求められたためだったという。
防衛省・自衛隊の海外派遣でも運用されており、航空自衛隊のイラク派遣においては、地上からの視認性を低下させるために水色に塗装されたC-130Hがクウェートの飛行場とイラクの飛行場との間で輸送活動を行った。


第二次世界大戦中に使用された輸送機は、ほとんどが何かしらの欠点を抱えていた。元々旅客機や爆撃機を転用したものであり、貨物の取り扱いを重視した設計になっていなかったためである。例えば、C-46やC-47は尾輪式で、胴体が地面に対して斜めになるため貨物積載が決して容易ではなく、前輪式のC-54は胴体こそ地面に対して水平になったが地上高が高くやはり貨物積載に問題を抱えていた。


これを解決するべく、地上高を低くしランプを設けて貨物積載を容易にした輸送機はあったものの、
C-76やRB-1などは少数しか製造されず、
C-82は航続力と貨物積載量が不足していた。しかし、これらは荒地での離着陸にも適する性能を有していた。ゆえにアメリカ陸軍と空軍の統合仕様で開発されたアメリカ初のターボプロップ輸送機が本機である。


未整地での運用を念頭に置いて設計され、高い短距離離着陸性能を持ち、さらに補助ロケットにより、より短い滑走距離での離陸も可能である。太い胴体に高翼式主翼、主輪を収納するバルジ、スロープも兼ねる後部大型カーゴベイといった、現代の軍用輸送機のスタイルは本機で確立されたと言ってよい。その輸送力と運行性能の高さから、「世界最高の輸送機」との呼び声も高い。


滑走路のない砂漠での離着陸や車輪にソリをつけて南極への物資輸送など極めて幅広く用いられている。また、汎用性も高いため、特殊派生型も数多く存在する。NATO加盟国や日本(航空自衛隊及び海上自衛隊)をはじめとする西側諸国の主力軍用輸送機として活躍を続けている。
その基本設計は当初から完璧で、登場から半世紀以上経った現代に至るまでエンジン、プロペラ、
各種電子機器以外ほとんど手を加えられていない、稀有な航空機である。


貨物室は、地上高がトラックの荷台の高さに合わせて作られているため、トラックから容易に貨物を積み込むことができる。さらに重要な点は貨物室のランプが気密閉鎖できることで、これにより機内を与圧して高高度巡航することが可能になった。C-130は開発の目的通りの短距離離着陸性能と不整地離着陸性能を発揮し、世界各国に導入されて砂漠から南極まで幅広い地域で運用された。貨物の輸送、空挺部隊の展開といった任務を主に行う。特地には4機派遣されており、C-130H ハーキュリーズと同じく軍需物資の輸送や空挺任務などで使用されている。





「C-1」(60機)

用途:輸送機

製造者:川崎重工業

乗員:5名

定員:兵員60名 / 空挺部隊45名

全長:29m

全高:10m

動力:P&W JT8D 軸流式ターボファンエンジン

最大速度:850km/h

巡航速度:650km/h

実用上昇限度:11600m

航続距離:空荷時2600km 積載重量8t時1600km


C-1は、日本の航空自衛隊が保有する中型戦術輸送機。戦後初めて開発された国産の中型輸送機である。アメリカ軍(米軍)から供与されていた輸送機の老朽化およびYS-11(日本航空機製造が製造した双発ターボプロップエンジン方式の旅客機)の性能不足を受け、防衛庁技術研究本部および日本航空機製造(日航製)が開発を行い、川崎重工業(川重)が製造を担当した。一機あたりのコストは約45億円とされる。人員のほか、物資や小型車両等の輸送を担う。
また、C-1をベースとした短距離離着陸(STOL)実験機である飛鳥や、ECM装置を搭載したEC-1が開発された。


アメリカ軍から供与された航空自衛隊のカーチスC-46輸送機は、第二次世界大戦前の機体のため、
老朽化が著しかった。このため代替となる次期輸送機(C-X)の導入が急務となった。輸入か国産か検討した結果、アメリカ空軍のC-130輸送機を退けて国産とすることになり、戦後初の国産輸送機YS-11を製作した日航製に発注することにした。
日航製はYS-11に続く機体として、C-Xを民間機に転用することも考えており、基本設計は1966年(昭和41年)から行われ、1967年9月に終了、
10月より細部設計に移り、試作も日航製が行うことが決まった。


だが、日航製の中枢である三菱重工業の機体部門は、C-Xと同時に国産製作が決定した超音速練習機T-X(後のT-2高等練習機)を受注していたので、三菱をT-Xに集中させると同時に、
日航製を構成する各社への見返りとして、川重を中心として、富士重工業、新明和工業、日本飛行機、昭和飛行機の5社が分担生産することが決定、川重で総組み立てが行われた。
エンジンはプラット・アンド・ホイットニー製JT8D-9ターボファンエンジンを三菱のエンジン部門がライセンス生産することとなった。


機体は軍用輸送機としては標準的な形態であり、高翼配置にT字尾翼、胴体のバルジ(膨らみ)に主脚を収容している。
主翼の後退角は20度、アスペクト比は7.8である。YS-11と違い、噴射式のターボファンエンジン(ボーイング727やDC-9と同じエンジン)を採用し、これを主翼のパイロンに2基搭載している。この強力なエンジンによって、
C-1は600mの滑走路で離着陸が可能であり、高空での高速性能にも優れている。また、中型機であるにも関わらず、空中で機体を90度近く傾けての急旋回が可能な高機動能力を持つ。


反面、騒音が大きく、基地近隣の住民から苦情が寄せられたり、騒音被害を理由とした飛行反対運動が起こったりもした。本機に限った事ではないが軍用輸送機であるため乗員に対する騒音、
振動などへの配慮は最低限のものであり、特に民間の便乗者(特に自ら望んで乗るものではなく業務として離島などに行く人)には評判が悪い。ただし貨物室は空調・与圧はされている。


ペイロードは、通常人員なら60名、完全武装の空挺隊員ならば45名(1個小隊)、
床に金属ロッドを立てて担架を取り付けると36名の患者を輸送できる。車両ならば、ジープクラスの小型車3台を搭載可能である。後部の貨物ドアの一部分は傾斜ランプを兼ね、飛行中にも開くことが可能である。ここから空挺降下や、パレットに搭載した貨物(榴弾砲やジープを含む)の空中投下を短時間・効率的に行うことができる。


C-1は内部燃料タンクのみの場合、その航続距離は岐阜を中心として北海道・九州までであり、当時の技術力でも、C-1の航続距離は他国の輸送機よりも極端に短く、沖縄県や訓練区域の硫黄島へ飛行する場合は増槽を必要とする。特地には12機運び込まれており、
主に軍需物資の輸送や空挺任務などで使用されている。






「C-2」(24機:最終的には84機)

用途:輸送機

製造者:川崎重工業

乗員:3名(操縦士2名・ロードマスター1名)

全長:43.9m

全高:14.2m

動力:GE・アビエーション CF6-80C2K1F ×2 ターボファンエンジン

巡航速度:890km/h

航続距離:18t/約7000km

実用上昇限度:12500m

最大積載量:32t


C-2は、航空自衛隊がC-1の後継機として保有・運用する輸送機。防衛省技術研究本部と川崎重工業がC-Xの計画名で開発し、
川崎重工業が製造する。C-1の後継として2000年(平成12年)に「第二次C-X」として計画され、防衛省技術研究本部と川崎重工業によって開発が進められた、ターボファンエンジン双発の大型戦術輸送機である。2010年1月26日に初飛行した。


防衛庁(現防衛省)では、国産のC-1と輸入したC-130Hを戦術輸送機としているが、C-1が耐用飛行時間を迎えるため、後継が検討された。日本国内の航空産業の技術育成の観点から、
2000年(平成12)末に中型戦術輸送機の国産化を決定、MPA/P-X(P-1固定翼哨戒機)と同時に開発し、一部部品や治工具の共用によって両機種あわせた開発費を抑えることとされ、その額は両機合わせて3400億円と見込まれた。


C-2は戦後日本が自主開発する機体としては過去最大のサイズとなる。機体はターボファンエンジン双発、主翼は高翼配置、尾翼はT字タイプ、
胴体後部に貨物出し入れ口を設け、主脚は胴体下部にバルジ(膨らみ)を設けて収納する等、現行のC-1と同様の形式であるが、サイズ・性能共にC-1を凌駕しており、
C-1と比較し全長は1.51倍、全幅は1.45倍、全高は1.42倍、
空虚重量は2.5倍、
最大積載量は3.75倍、最大速度は1.2倍、
エンジン合計推力は約4.24倍となっている。


C-2開発での基本的なコンセプトは、大搭載量・長距離航続・高速巡航である。
C-1での航続距離不足は輸送任務において足かせになっており、C-130Hと共に搭載量も大きくはない。
戦術輸送機は人員や荷物の空中投下が容易なように高翼配置が多く、旅客機に多い低翼配置に比べて、貨物室をできるだけ広く取るため胴体側面及び底面の補強のための張り出しなどが空気抵抗となり、高速化には不利である。加えて車両などの大型貨物を搭載する為に断面積が旅客機より大きく、
広い機内スペースを確保する為にバルジを設けて、主脚を収納するために歪になった機体形状によっても空気抵抗が増えるため、高速巡航には向かなくなりがちである。


このような条件がある中でC-2には、ISO 40フィートコンテナを積んだセミトレーラを牽引車込みで搭載可能なスペースという高速巡航と相反する性能が求められた。これらの課題解決のため、C-2の主翼は胴体より上にあり、主翼桁が貨物室を圧迫しない配置になっている。これにより、例えばA400Mの貨物室高さが主翼部でそれ以降の4mより15cm低い3.85mに対し、C-2は全貨物室で4mの高さを確保している。

なおこの主翼配置によって増大する空気抵抗は、主翼前後を大型のフェアリングで覆うことで抑えており、C-2の外見上の特徴となっている。
また高速巡航のため主翼形状を遷音速領域に適応したスーパークリティカル翼型とし、エンジンもボーイングやエアバス製の旅客機にも使われている大推力エンジンを採用した。


上記の通り機体サイズ・最大積載量・航続距離のいずれの点においてもC-1、更にC-130Hを大きく上回り、国際共同開発のエアバス A400Mに匹敵するが、ターボプロップエンジン推進のA400M、あるいは他のジェット輸送機に比べて巡航速度が速く、民間の旅客機並みの高亜音速で、
民間の旅客機と同じ高度や航路を活用して目的地への迅速な輸送が可能となる。
またC-1等より大型の機体であるが、スラストリバーサー搭載型大推力エンジンの搭載等によりC-1並みの短距離離着陸(STOL) 性能を維持しており、滑走路の短い地方空港への輸送にも運用できる。


機体形状はC-1同様、
曲線を多用したものとなっている。胴体後部の貨物扉は平たい形状で、C-1が観音開き扉を備えていたのに対し、XC-2ではそのままローディングランプとなる。
降着装置は主脚が片側6輪ずつ12輪の車輪を持つ。主翼前縁にスラットを装備、
フラップカウリングは片側に4ヶ所ある。垂直尾翼の方向舵は2分割式で、
後縁はアンチバランスタブの役割も果たす。水平尾翼は全遊動式で、さらに後縁に昇降舵を持つ。


機首には航法・気象レーダーを搭載。
レーダードームの左右横と機体後部にはミサイル警報装置 (MWS) とレーダー警報受信機 (RWR) のセンサーを備える。
編隊飛行時に点灯する編隊灯は、後部側面と垂直尾翼に設置される。上部には空中給油口を備えており、空中受油が可能である。機体下部に大きく張り出した主脚バルジに補助動力装置 (APU) を持つ。


ペイロード搭載量の増加により、大型の手術車や装輪装甲車などの空輸も可能となり、災害や有事の際の実用性が増す。
後部空挺扉にはデフレクター(風除け)が追加され、空挺部隊降下の際の安全性が高められている。


同時に開発されたP-1哨戒機とは、機体では操縦席風防、主翼外翼(全体の3分の1)、水平尾翼、システムでは統合表示機、慣性基準装置、
飛行制御計算機、
APU(補助動力装置)、衝突防止灯、脚揚降システムコントロールユニットの共通化を図り、機体重量比で約15%の共通部品、搭載システム品目数で約75パーセントの共通装備となっており、これにより、開発費を250億円程度削減できたとしている。一方、P-Xはフライ・バイ・ライトや国産エンジンなど新技術を採用しているのに対し、C-Xは運用が確立された操縦系・エンジン系を採用して将来の民間転用を考慮している。


機体の開発・製造では、三菱重工業が中胴・後胴・翼胴フェアリング、富士重工業が主翼を分担し、
日本飛行機も参加している。システムでは、搭載レーダーは東芝、管制装置は神鋼電機、自己防御装置は三菱電機、空調装置は島津製作所、
脚組み立ては住友精密工業など、国内大手企業が参加している。


コックピットはP-1と共通であり、NVGに対応する。大型液晶ディスプレイを6台、
HUD(ヘッドアップディスプレイ)を2台装備し、新たに搭載される戦術輸送飛行管理システムにより、
低空飛行の際、操縦席のヘッドアップディスプレイ画面に飛行経路が誘導表示される他、経路上の脅威も示唆し、その回避経路を表示することで生存性の向上を図っている。


また、省力化搭載卸下システムにより陸上で短時間の積み降ろし作業が行える。
操縦系統はフライ・バイ・ワイヤ (FBW) 方式を採用した。
長時間の任務に備え、操縦席後部には仮眠用の2段ベッドの他、冷蔵庫や電子レンジを有するギャレーが設けられた。トイレは乗員が多くなるため民間旅客機と同等の設備が2カ所用意されている。


エンジンの選定にあたっては、当時すでに航空自衛隊に導入されていたボーイング747-400(政府専用機)、E-767、KC-767Jが同一のエンジンを採用しており、
整備面で都合が良いことから決定されたと思われる。海外でも民間で広く普及している為、渡航先での整備拠点もあり、
また日本国内の航空会社もボーイング製の機体と共に、同系統のエンジンを600基以上採用しており、
形式は新しく無いが、信頼性の高さと国内での運用経験も選定の根拠とされている。ちなみに、XP-1のエンジン(F7-10)は純国産であり、
輸入エンジンのXC-2とは対照的である。
エンジン数もXP-1の4発に対してXC-2は双発であるが、推力の合計はXC-2のほうが大きい。





「パトリオットミサイル」

「ペイトリオット」(PATRIOT(目標迎撃用位相配列式追跡レーダー)の略語と、
「愛国者」を意味する単語を掛けたもの)は、アメリカ合衆国のレイセオン社がMIM-14 ナイキ・ハーキュリーズの後継としてアメリカ陸軍向けに開発した広域防空用の地対空ミサイルシステムである。
ミサイル防衛では終末航程に対応し、20-35kmの範囲を防御する。湾岸戦争時に、イラク軍が発射したスカッドミサイルを撃墜したことにより有名になった。
米国のほか、日本を含む同盟国など世界10ヶ国以上で運用されている。


ペトリオットミサイル発射システムはトレーラー移動式のシステムであり、1つの射撃単位はペトリオット発射中隊によって運用される射撃管制車輌、レーダー車輌、アンテナ車輌、
情報調整車輌、無線中継車輌、複数のミサイル発射機トレーラー、電源車輌、
再装填装置付運搬車輌、整備車輌という10台以上の車両により構成される。これらの車両が自走して野外に発射サイトを設営後、射撃体勢が整う。ナイキの発射システムよりも省力化が図られている。
交戦中に人員が配置されるのは射撃管制車だけで、無人となったレーダーや発射機は射撃管制車からの遠隔操作によって制御される。


本来、ペイトリオット対空ミサイル・システムは前線における敵航空機の脅威に対抗するために、
1960~70年代にかけてアメリカ陸軍が開発したもので、基本システムは1973年に完成している(主契約者はレイセオン・ミサイル・システム社)。ところが、
量産へ移行する段階で東側のスカッドなどの戦域弾道ミサイルに対抗するため、
遠距離迎撃能力を犠牲にして到達高度を延長するように改良されたのがペイトリオットPAC-1である。


制式名称は「MIM-104」で、1983年からアメリカ陸軍での運用が開始されている。
ペイトリオットは数百億円もする超高価なシステムだが高性能なため、1980年の生産開始以来アメリカ軍の他6カ国に180射撃中隊分、10000発が販売されているベストセラーである。
システムは複数の機材から構成されており、有線・無線によるインターフェースにより連動している。


ペイトリオットPAC-2は、PAC-1よりも弾頭に内蔵するレーダーの探知距離を延長、
ミサイルを炸裂させる近接信管の検知波をダブルビームにして目標を確実に検知できるようにし、
炸裂したミサイルの破片到達範囲を広げ破壊効果を高めたもので、湾岸戦争で使用されたのはこのタイプである。


ペイトリオットは、
1個射撃中隊でシステムを組んでいる。
MPQ-53位相配列レーダー、電源車、迎撃管制ステイション、
通信中継アンテナ、
そして6連装発射機(10~16基)である。
6連装発射機はトレイラー移動式で車体は「M860」と呼称されるが、ミサイル収納キャニスターを含めたシステム全体は「M901」と呼ばれる。


発射機(LS)は専用の発電機(ディーゼルエンジン式発動発電機)を搭載している。M901発射機では最大6発のミサイル(STD弾、PAC-2弾、
SOJC弾、GEM弾から選択)、M902発射機では最大24発のPAC-3弾を搭載する(M902発射機にSTD弾、PAC-2弾、SOJC弾、GEM弾は搭載できるが、PAC-3弾との混載は不可)。ECSとはSINCGARS無線機(米国形態。
日本では電波法に対応したDLU無線機)または光ファイバーによってDLUを通してインターフェースする。15KW-400Hz発電機を1基持つ。


レーダー装置(RS)の形式名称はAN/MPQ-53(Config.2形態以前)またはAN/MPQ-65(Config.3形態以降)である。RSはC-Band帯の電波を用いる、フェーズドアレイ・多機能レーダーである。目標の捜索・追尾の他、IFF、ミサイル誘導なども行う。1高射隊(FU:Fire Unit)当たり1台のRSが配備される。運用中は無人となる。


ペイトリオットの中枢部は目標の捜索、
追跡、分析、ミサイルの最終誘導までを一貫して行うMPQ-53多機能レーダーで、
一度に100個以上の目標を捕捉し12発のミサイルを誘導できる。最大探知距離は170km、最大探知高度は80kmである。PAC-1ミサイルは全長5.31m、直径0.41m、発射重量914kg、最大飛翔速度マッハ3、最大有効射程75km、最大有効射高25kmである。


ペイトリオットの最大の特長は「TVM」(ミサイル経由追跡)と呼ばれる独特の誘導方式で、これは目標から跳ね返ってくるレーダー波をミサイル経由で一旦地上のレーダーに送り、
地上で複雑な誘導計算を行ってからミサイルに正確な誘導指令を発信する方式である。PAC-1形態は、
初期型のECCM(敵の電子妨害に対抗する装置)やソフトウェアなどを改修したもの。PAC-2形態は、
弾道ミサイルの迎撃任務に対応して弾頭の破壊力などを向上したものだった。


PAC-1ミサイルと改良型のPAC-2ミサイルは、近接信管による炸裂で破片をばら撒いて航空機を撃破するタイプのため、たとえ弾道ミサイルの一部に被害を与えることができても、弾頭の機能を無力化できず完全に弾頭を破壊する能力は無かった。実際、湾岸戦争で使用されたペイトリオットPAC-2は、イラク軍の発射したスカッド弾道ミサイルを1/4程度しか撃墜できなかったのである。
そこで弾道ミサイルを木っ端微塵に破壊する目的で開発されたのが、「ERINT」(射程拡張型迎撃機)とも呼ばれるペイトリオットPAC-3だ。


PAC-3ミサイルの最大の特長は、弾頭に内蔵する高性能ミリ波レーダーによって弾道ミサイルを捕捉し、マッハ5の飛翔速度で真正面から直撃、
運動エネルギーによってその弾頭を完全に破壊できることである(ただし73kgの炸薬と近接信管も内蔵する)。また、
姿勢の機敏な制御はスラスターの噴射により行う。日本が現在導入(既存配備システムの改修)を進めているのはこの最新の形態である。


PAC-3ミサイルの大きさは全長5.20m、直径0.25m、発射重量312kgとPAC-1、PAC-2ミサイルよりかなり小さい。システムは既存のペイトリオットのものが利用されるが、レーダーは対弾道ミサイル用の改良が施されている。
またトレイラー移動の発射機は、ミサイルが小型のため8連装となっている。PAC-3ミサイルの性能は、
全て直撃できる確率にかかっている。
最大飛翔速度はマッハ5。最大有効射程は20kmとPAC-1、PAC-2ミサイルより短く、最大有効射高も20km程度である。




ペトリオットで使用されるミサイルは以下の通り。

STD(MIM-104A)弾:初期形態から採用されているミサイル。
主に航空機対処用。

SOJC(MIM-104B)弾:ジャミングを行う目標に対して対処するミサイル。

PAC-2(MIM-104C)弾:弾頭のフラグメントを大型化するなど、弾道弾対処能力を強化したミサイル。

GEM(MIM-104D)弾:シーカーの低雑音化など、目標への誘導性能を向上させたミサイル。

GEM+(MIM-104E)弾:GEM弾のさらなる改良型。PAC-2ミサイルの誘導性能などを向上し、航空機および巡航ミサイルなどへの対応能力が高められた。

PAC-3弾:新たに設計されたミサイルで、
サイドスラスタやリサリティ・エンハンサを搭載。主に弾道弾対処を行う直撃型ミサイル。MIM-104シリーズとは異なる。


対弾道ミサイルとして開発がほぼ終わっていたERINTミサイル(を既に発射機として実績があったペトリオットの発射システムに載せたのがPAC-3である。PAC-3弾はPAC-2シリーズより直径が細く、今までは1発が入っていたミサイル・キャニスターに4発が格納できるため、1発射機あたりPAC-3弾を最大で24発搭載できる。小型化されたことにより、対航空機への射程は半減した。


弾道ミサイル対処時は、近接信管だけではなくヒット・トゥ・キル、つまりPAC-3弾の弾体全体を目標の弾道ミサイルに直接衝突させ、その運動エネルギーによって目標を粉砕破壊する方式が採用されている。また、動翼による姿勢制御だけではなく、ACMと呼ばれるサイドスラスターを前部に装備しており、動翼での制御が効き難い高高度での機動性を高めている。最終誘導はKaバンドのアクティブ・レーダー・シーカーにより行われる。


航空機や空対地ミサイル、巡航ミサイルの対処時は、リサリティ・エンハンサと呼ばれる弾頭を使用する(弾道弾対処時は使用しない)。
これは、直撃寸前時に弾体の胴径方向に低速で225グラムの金属ペレット24個を放出し、見かけ上のミサイル胴径を増加させて対処能力を向上させたもので、従来の破砕飛散型弾頭とは根本的に設計思想が異なっている。


PAC-3は、航空機や空対地ミサイルに対する対処時の射程のみ従来のPAC-2シリーズに譲るものの(目標撃破能力は同等とされる)、弾道ミサイル対処能力を併せ持つ複合型防空システムにペトリオット・システムを生まれ変わらせた。


日本では1989年(平成元年)度から航空自衛隊の高射部隊に地対空誘導弾ペトリオットとして配備が開始された。高射教導隊を皮切りに1996年(平成8年)度に全国への配備が完了した。実働部隊の6個高射群24個高射隊(各高射隊は6機の発射機を有す)と教育支援部隊の高射教導隊が、北は長沼町(北海道)から南は南城市(沖縄県)にかけて配置されている。
特地には今のところ配備予定はない。


弾道ミサイル迎撃用のPAC-3については、
米国において弾道ミサイル防衛(BMD)対応のPAC-3弾が開発を完了した後、日本では日本版BMDの1つとして、2007年3月30日に埼玉県の航空自衛隊入間基地に所在する第1高射群第4高射隊に最初に配備された。当初は3個高射群(第1(入間)・第2(春日)・第4(岐阜)に限定して配備する計画であったが、
北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対応すべく他の3個高射群にも配備する方針を固めた。副次的産物として、異なる2形態のシステムを維持管理するよりも、補用部品の調達一本化や隊員の教育などの面で有利である。





「VADS」

VADS(Vulcan Air Defense System)は、アメリカ軍で開発された対空機関砲システムである。航空機関砲として有名なM61 バルカンシリーズをもとにして開発された。通称「バッズ」。VADSシリーズは、M61 バルカンの対空砲バージョンであるM168 20mm機関砲を中核として、レーダー、コンピュータなどによる射撃管制装置を組み合わせた半自動システムである。


自走式のM163と、
牽引式のM167がある。M163の車体はM113装甲兵員輸送車をベースとしている。
弾薬は通常、航空機に対して有効である20mm曳光自爆榴弾(HEIT-SD)を使用する。日本においては、
航空自衛隊が航空基地の防空用にM167を導入し、使用している。これには新品と、F-104J/DJの退役機から機関砲を再利用した中古再生品がある。特地では対空砲として主にワイバーンやヘリコプターの掃討に使用されている。


M168は、アメリカ合衆国のGE社が開発したM61の派生型である。M61は有名な航空機関砲であり、6000または4000発/分という発射速度を誇るが、
M168では3000または1200発/分に低下させてある。また、M61の場合は6本ある砲身が正面から見ると真円になるように配置され、一点に対しての射撃における命中率を向上させているのに対して、VADSの場合やや楕円になるように配置されている。これにより、発射された砲弾が散らばり弾幕を展開することが可能となっている。


VADSは測距レーダーと弾道計算機を組み合わせて適切な偏差射撃(移動する標的までの距離を計算して未来位置に射撃し、命中させる射撃方法)が可能となっている。現在は赤外線カメラを付加し、より正確な射撃が可能になった改良型への更新が進んでいる。スーダンやイエメンでは、VADSをBTR-152に車載した簡易自走式対空砲が存在する。





「M61 バルカン」

種類:6砲身ガトリング式回転式キャノン砲

製造業者:ゼネラル・エレクトリック

機構:油圧駆動・電気雷管式撃発

全備重量:298kg

砲身重量:114.5kg

全長:1827mm

弾丸:20x102mm

作動方式:油圧式, 電気着火式, ガトリング

発射速度:毎分6000発(M61A1)毎分6600発(M61A2)

装填方式:ベルトまたはリンクレス給弾装置

有効射距離:約1000m(航空機による空対空射撃)/約 1500m(CIWSなどによる地対空射撃)

砲弾全長:168mm

砲弾総重量:257g

砲弾発射重量:約100g



M61 バルカンは、アメリカ合衆国のゼネラル・エレクトリック (GE) 社が開発した20mmガトリング砲。航空機関砲や艦艇・地上部隊用の低高度防空用機関砲として用いられる。
日本においては、開発時のコードネーム、および製品名であるバルカン(ローマ神話に登場する火神。ギリシア神話の鍛冶神ヘーパイストスに相当する) の名で知られる。


M61は、20mmのガトリング砲で、6本並べた砲身を反時計周りに回転させて連射を行う。現在、M61、M61A1、M61A2 の3モデルが存在し、信頼性が高い事などから1958年にロッキードF-104 スターファイターに搭載されて以来、アメリカ空軍の機関砲を搭載した戦闘機のほぼ全てに採用されている。また、CIWS(近接防御火器システム)の一つ、ファランクスなどにも使用されている。


開発は1946年から開始されている。これは、航空機の高速化を見込んで航空機関砲の発射速度増大が必要となり、その方法として多砲身機関砲・ガトリング砲に注目したためである。発射速度が非常に高いところを目標としたために、砲身を動作させる外部動力にガス動作式は不安があり、電気動作式となっている。開発が完了したのは1956年のことである。


発射速度は戦闘機に搭載する場合、毎分4000発と6000発の切り替え式(最大で毎分7200発)で、毎分6000発の発射速度で射撃する場合、およそ2tの反動が生じる。ただし、ガトリング砲全般に言える事であるが、発射開始から規定の回転数までのスピンアップに時間がかかる(風車発電式ガンポッドで数秒、電動式で1秒弱、油圧式で0.3秒程度)ため、その間はスペック通りの発射速度は発揮できない(油圧式の場合、射撃開始後1秒間の発射速度は毎秒70発程度)ほか、銃身の回転が安定していないため、集弾も回転方向にぶれる傾向がある。


M61A1では給弾機構に改良が加えられ、
当初F-22用として開発されたM61A2では砲身の肉厚を削ることで耐久性を犠牲にしつつもスピンアップ時間の大幅な短縮に成功している。なお、射撃停止には0.5秒程度の時間を要する(この間、砲弾は発射されないが、供給される砲弾が未使用のまま弾倉へ収容される)ほか、砲身の加熱による影響から、1回の発射時間は2秒以内(おおむね100-200発相当)に制限されている。


なお、FOD(エンジンの異物吸入による損傷)防止のため、
航空機搭載タイプでは空薬莢は回収される。砲身長は標準で1.52m。信頼性に優れ、故障が発生する確率は100000発に1回程度と言われている。
また、砲身寿命はおよそ12000-18000発、
システム全体の寿命は150000発程度である。


使用弾種としては、
重量100グラムのM50 シリーズが主に用いられており、M56榴弾やM56A1焼夷榴弾、
M53徹甲焼夷弾、M53A1徹甲焼夷弾、M56A3焼夷榴弾、さらには新型のPGU-28半徹甲焼夷榴弾などが使用される。対艦ミサイル迎撃用であるバルカン・ファランクスでは装弾筒付き高速徹甲弾 (APDS) が使われるが、これはアメリカ軍では劣化ウラン製、日本やオーストラリアなどではタングステン合金製である(アメリカ海軍でも1988年以降はタングステン合金製弾芯を使用しているとされている)。


派生型として、日本の自衛隊はM168・M197・M134・JM61-M・JM61-RFSという5つのタイプを使用しており、これから説明するのは後者2つである。


JM61-Mは、日本で開発された人力操砲式の艦載版。日本では従来、航空機関砲型のM61A1をJM61Aとしてライセンス生産し、支援戦闘機に搭載していたが、これをもとに開発されたものである。発射速度を毎分450-600発に落とし、薬莢を回収する容器を取り付けられるように改良されており、海上保安庁の巡視船や、海上自衛隊の掃海艇(機雷処分用)や輸送艦艇に搭載されている。
いわば、本格的な艦砲や機関砲より安価な自衛火器という位置づけで、補助艦艇に多く採用されている。


JM61-RFSは、JM61-Mをもとに箱型の単装砲塔に組み込んだもの。赤外線捜索監視装置との連接により、目標追尾型遠隔操縦機能(RFS)を備えている。海上保安庁において、原型機が「しきしま」に搭載されたのち、平成12年度より標準的な兵器に加えられた。
また海上自衛隊の1号型ミサイル艇に搭載された20mm機銃は「しきしま」搭載機の派生型とみられているほか、えのしま型掃海艇3番艇「はつしま」に搭載されたJM61R-MSは、海上保安庁のJM61-RFS Mk.2と同等の性能を備えている。 
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