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艦隊これくしょん【転移した青年の奮闘記】

作者:Bloo-D
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北方作戦
  第16話 帰還、そして浮上した事実

 
前書き
面倒だけど書かないと終わらないし読者をガッカリさせてしまう……

これまで6千字超えだった為、今回は何とか控えめにしておきます…… 

 
……主人公サイド……



13:00(ヒトサンマルマル)
執務室



≪カタカタカタ……≫

座蒲郎「……」

帰還して早々、長門を中心に留守番組から手厚い歓迎を受けたが、その前に今回の件の報告書を作成する他、戦いで損傷した艦の修理の為急ぎ全艦を収容させた後で損傷艦をドッグ入りさせて修理に掛からせ、コッチは上層部へ提出する報告書を書く為に昼食を取った後すぐ取り掛かった。

≪カタカタカタ……≫

座蒲郎「ハァ……」

長門「やけに大きな溜息だな、折角勝ったというのに……」

座蒲郎「確かに勝ったといえば勝った、それは確かだ。
だが損害がな……」

長門「まあ確かにな……」

とはいえ始めてすぐに溜息が出てしまった、仕方のないことだ。
何せ今回の作戦で、戦艦は1隻中破と2隻が小破、空母は2隻中破、巡洋艦は大破2隻と中破1隻で更に2隻小破、駆逐艦が2隻大破と損害の多さに頭を悩ませる。しかも殆どが対空戦で防空兵装が空域を十分カバー出来なかった事による損傷であることが判明し、急ぎ対空兵装をより強化しなければならない事実が浮き彫りとなってしまったのだ。
そうなると修理してる艦のみならず、他の艦の兵装も強化する必要があるため悩みの種は増える一方だ。


座蒲郎「ところで、第一,第二艦隊の代役はどうなった?」

陸奥「それならば第六,第七艦隊で決まったわよ。特にビスマルクったら、随分張り切ってたわよ」

座蒲郎「そう、ならばいいか」

≪カタカタカタ……≫

更に問題なのが、主力艦隊が損傷したせいでその間の代役を立てることだった。
始めは長門にでも頼もうかと考えたが、火力は良くても速力に半ば問題があるから仕方なく高速艦で構成されてる第六,第七艦隊に任せることにして陸奥にはその為の説明と説得に行かせていた。その説得に行ってた陸奥が執務室に入って報告して来たから取り敢えず良しとして報告書の作成を急いだ。

ーーーー

それからおよそ10分後……

長門「ところで提督」

座蒲郎「ん、何?」

長門「帰還してすぐ妖精や大淀達に何か指示してたよな?一体何を言ってたんだ?」

座蒲郎「ああ、あれね」

長門が昼食摂る直前の事で聞き始めた。
実は食堂へ行く前に、確かに俺は大淀と明石と妖精達にある件について指示していた。その件とは……

座蒲郎「今回の作戦で手に入れた航空基地に送る航空機と新たに全艦に搭載させる予定の新しい装備についてだよ。
アムチトカ島の敵航空基地には航空機は一機も使えるのが無かった…てか元からここでも使ってる航空機を配備させるつもりだったからな。
そして新しい装備は今回の作戦で…特に空母の防空能力を高める必要が出来たから、ずっと前から倉庫で埃を被ってた装備を急いで量産することを伝えたんだよ」

制圧したアムチトカ島の敵航空基地へと送る航空機の選定又は量産、更に新たに艦娘等に搭載させる装備についてだ。
航空機に関しては烈風等の艦上機のみならず、新たに鎮守府の防空旅団に配備された局地戦闘機と陸上攻撃機も送るつもりだし、これを機に建設されるであろう航空基地の為にも局地戦闘機と陸攻の増産は必要不可欠だ。
それは新型装備についても似たような事だ。

長門「成る程な。
それで、わたし達に新たに積むその“埃を被ってた装備”とは一体何だ?」

座蒲郎「12cm30連装噴進砲さ」

長門「何⁉︎」

そして今回の件で新たに増産する装備は強力な対空火器の“12cm30連装噴進砲”。普通これはかなりのレア装備だから開発不可な装備。だがそれは現実での話だからここでは全く関係無いらしく早速大淀等にこの噴進砲の増産を基地向けの航空機と抱き合わせで頼んでいたんだ。
ただ増産には結構な浪費を覚悟しなきゃならないそうだから超がつくほど俺不安だ……

長門「お前大丈夫なのか⁉︎そんなことして!」

座蒲郎「安心しろ、既に上層部から了解は取れてるからね」

長門「……まぁ、それなら言う事は無いだろな」

とは言うものの、この事は上層部からの了解を取ったおかげで後押しがされるそうでそこまで心配するような話でもないが……

ーーーーーーーーーーーーーーーー

14:00(ヒトヨンマルマル)



≪カタカタカタ……≫

黙々とパソコンのキーボードから報告書に文字を打ち込む俺。作業を始めてから1時間経つがまだ半分も書けていない。
自分で言うのもなんだがそれもその筈、何せ今回の件は色んな事があった。深海棲艦の一部が人間側に寝返った事、陸軍と海軍による合同作戦、更に直前のアイオワの加入。こんなのがあったら流石に幾ら書いても書き足りない。


大淀「提督、少しお時間よろしいでしょうか?」

座蒲郎「ん、いいけど……頼んでたのは?」

大淀「噴進砲はまだ揃っていませんが、航空機は既に鎮守府にあった予備機を含めてやりくりしまして数が揃い、それを報告しに伺いました。後は納品を待つのみです」

座蒲郎「そうか、ならばいい」

そこへやって来たのは航空基地向けの航空機と噴進砲の増産を頼んでた大淀だった。けど航空機の方が数が揃ったとかでわざわざ報告に来たらしい……
今、長門と陸奥はトイレ休憩に行って部屋に居るのは俺と大淀だけだ。

ーーーーーーーーーー

けど、それだけでもない気がする……それで念の為聞いてみることに……

座蒲郎「他にも言いたい事があるんじゃない?」

大淀「えっ?」

座蒲郎「何か何処と無くソワソワしてる様子だから」

大淀「う……」

まさかとは思ってたが…やっぱ図星みたいだ……


大淀「実は今回の戦いについて気になる点がありまして……」

座蒲郎「“気になる点”?」

大淀「はい」

“気になる点”か……まぁ聞いて別に損は無いだろうから聞くとする。

座蒲郎「分かった、話を聞こう。言ってごらん」

大淀「実は、今回の敵の行動が今までとは違うと思うのです」

座蒲郎「?」

今回の……?

大淀「今までの深海棲艦は、我が方の輸送船団への通商破壊やこことは違う鎮守府への攻撃が主でした。
後は我が方の艦隊との艦隊決戦や海上封鎖です」

座蒲郎「うん……」

確かに大淀の言う通りだ。向こうでの深海棲艦もその手のやり方はお馴染みだ……それが一体どうしたのか……?

大淀「ならば、一つの島に航空基地を建設して、しかも辺境の辺鄙な島に航空攻撃を仕掛けて来た前例が以前にもありましたか?」

座蒲郎「!」

言われてみればその件に関しては憶えが無い。あるなら陸上深海棲艦だがそれでもハッキリしないところもあるから確証も無ければ証拠も無い。向こうでの常識が効かないのならば尚更だ。
だとすれば……

座蒲郎「無いな、てかその件についてなんか記録とか残ってないのか?」

大淀「既に調べてありますが、残念ながら見つかりませんでした」

座蒲郎「鎮守府一箇所だけでは対処しきれない事が起こりかねんな。
ならば鎮守府を増やすことを上層部に強く進言しなきゃならないな、その時は大淀も手伝ってくれないか?証人が必要だ」

大淀「勿論です!」

座蒲郎「よし、ならば急いで報告書を完成させなきゃな!」

っと言った話で決まって、俺はキーボードを打つ速さを早くした。

ーーーーーーーーーーーーーーー

16:00(ヒトロクマルマル)



座蒲郎「終わった〜……」

やっと報告書が書き終わった。どれだけ書いたか判らないけど、出来上がった書類纏めてみたらせいぜい40〜50枚にもなる。
我ながらよく書けたものだ……


大淀「では行きますか?」

座蒲郎「勿論だよ、仕度して」

大淀「はい」

目の前にはとっくにスタンバってる大淀が居て、長門と陸奥もカフェテリアに行ってて居ないから、今回は大淀の同行で大本営へ向かうことにした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大本営海軍部
海相執務室



大淀「……、っと言うもので……」

海相「うーむ、成る程な」

大本営について早々海相の下を訪れて報告書を渡し、更に大淀の話を聞いてもらっていた。

海相「言われてみれば、今回のような報告例は聞いたことがないな。
それは陸軍でも同じだろう」

話を聞いてもらっての答えはやはり前例が無い話だった。
となれば……

座蒲郎「今後も似たような事が起こり得ないとは限りません。そのためにも、鎮守府や航空基地を増やすのは必要不可欠だと思います」

海相「うむ、私も前からそう思っていた。やはり鎮守府と基地を増やす計画を立てねばならんな。
分かった、では今まで使われなくなってた鎮守府を直ちに再興させるとしよう。それだけでなく国外の鎮守府も急ぎ復活させよう。後はこちらに任せてくれ」

座蒲郎「お願いします」

やっぱり鎮守府や基地は横須賀以外にも欲しい。そうすれば深海棲艦の最新の動きが分かるし、何より早急に対策を立てることが出来る。ましては、今回のような事態が起きてはたまったものではないから海軍の拠点を増やすことを進言し、結果海相は“任せてくれ”と承認してくれた。


海相「今日はもういいぞ。お疲れ」

座蒲郎「では、お先に失礼します」

大淀「失礼します」

これで用件が終って俺は大淀を伴って部屋を後にした。


(続く) 
 

 
後書き
今回の話……何かイマイチだな……
まぁいい……
今後は戦闘以外での話は3千〜4千前後で書くようにする予定です。


取り敢えず次回は再び日常へ…… 
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