ドリトル先生の名監督
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第三幕その四
「ちゃんと」
「はい、ちゃんこ食べてます」
「そっちもしっかり食べてます」
「そうしてます」
「それで何を食べてるのかな」
このことを聞くとでした。
相撲部の人達は先生にです、こう言いました。
「ゆで卵の白身とか」
「鶏のささみ食べてます」
「あとお蕎麦ですね」
「低カロリー高タンパクです」
「そういうのを食べています」
「ああ、それもね」
先生はそのメニューを聞いてです、忽ちのうちに眉を曇らせました。
そしてです、こう皆に言いました。
「よくないね」
「格闘家の食事ですね」
「ゆで卵の白身とかささみとか」
「そういうの駄目ですか?」
「お蕎麦も」
「よくないよ」
また言った先生でした。
「食事はバランスよくだよ」
「格闘家の食事も駄目なんですか」
「そういうのも」
「力士向きじゃないんですね」
「そう、その格闘家はKー1とかだね」
先生はすぐにです、その格闘技がどういったものかを指摘しました。
「そうだね」
「はい、そうです」
「そうしたのです」
「強い格闘家さんの食事真似まして」
「鍋から切り替えたんですが」
「鍋の方がずっといいよ」
先生は断言しました。
「お野菜とお肉、お豆腐も茸も全部沢山入れたね」
「そっちの方がいいんですね」
「お相撲には」
「そうだったんですか」
「そう、同じ格闘技でもそうした格闘技とお相撲は違うんだ」
このことを指摘するのでした。
「だからね」
「それで、ですか」
「本来のちゃんこ鍋の方がいいんですね」
「そちらの方が」
「低カロリー高タンパクもいいけれど」
それよりもというのです。
「バランスよくたっぷりとだよ」
「食事はですか」
「そうして食べないといけないですか」
「そうしたのばかりじゃなくて」
「本来のお鍋が一番なんですね」
「それが一番いい身体を作るからね」
力士としての、というのです。
「ちゃんこ鍋の方がいいよ」
「お野菜もたっぷりと食べて」
「そして色々なお魚やお肉もですか」
「食べるといいんですね」
「茸やお豆腐も」
「そう、何でも好き嫌いなくよく食べる」
こうも言った先生でした。
「それが一番いいんだ」
「そういうことなんですね」
「いや、近代的にって考えてましたけれど」
「お相撲も」
「違うんですね」
「確かにどんなスポーツも時代によってトレーニングや食事が変わるよ」
お医者さんとして言うのでした。
「けれどね」
「お相撲にはですね」
「お相撲のやり方があるんですね」
「要するにそういうことですね」
「そう、他の格闘技のトレーニングや食事をしても」
お相撲のものではないからです。
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