英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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外伝~空の女神の怒り~
~最果ての道~
「何ですって……!?私達クロイス家の事を何も知らない部外者が―――」
エイドスの言葉を聞いたマリアベルは怒りの表情でエイドスを睨んで答えかけたその時
「―――いいえ、かつてのクロイス家の者の事なら良く知っていますよ。………貴女の祖先に”幻の至宝”を与えたのは”私”なのですから。」
エイドスが真剣な表情でマリアベルを見つめて言った。
「私達の祖先に”幻の至宝”を………?―――――!!ま、まさか……!」
「馬鹿な………ありえん………”空の女神”がこのゼムリアに降臨し……彼らと共にいるなんて……!」
エイドスの言葉を聞いたマリアベルは眉を顰めた後信じられない表情をして口をパクパクさせ、イアンは驚愕した様子でエイドスを見つめた。
「―――我が名はエイドス・クリスティン・ブライト。かつて混迷に満ちたゼムリア大陸を救った事から”空の女神”と呼ばれ………荒れ果てた世界を希望溢れる世界にする事を夢見た7名の信頼ある者達に”七の至宝(セプト=テリオン)”を授けた者。」
「―――”自由の女神”にしてエイドスの”母神”、フィーナ・クリスティン。遥か未来の人々を救う為に此度の決戦に参加させてもらいました。」
「―――”ミトスの民”にしてエイドスの祖先、クレハ・レム・オルディーン………”星”の”歴史”を護る為に時を超えて今この場にいるわ。」
「なあっ………!?」
「な、ななななななっ……!?ふ、ふざけないで下さい!!空の女神がこの場にいる事自体もありえませんが……キーアさん以外の方が時代を超えるなんてありえませんし、エイドスの母やら祖先とそんな滅茶苦茶な存在がこの場にいるなんてありえませんわ!」
そしてエイドス、フィーナ、クレハが名乗り出るとイアンは口を大きく開けて絶句し、マリアベルは混乱した様子で声を上げた後すぐに気を取り直して厳しい表情で声を上げ
(まさかミントが連れてきたなんて予想もできないでしょうね………)
(アハハ………)
エステルの小声の言葉を聞いたミントは苦笑し
(さりげなくオレらにとってはとんでもない事実になる言葉を次々と口にせんといて欲しいわ~。)
(フフ、何気に七耀教会(僕達)にとって歴史的大発見な話が聞こえてきたよねえ?”七の至宝(セプト=テリオン)”を授けた目的やそれらを授けられた人達の事とか、とんでもない事実だと思うけど?)
(……できれば後で詳しい話を聞きたいのですがね……)
気配を隠しているケビンは表情を引き攣らせ、ワジは口元に笑みを浮かべ、リースは疲れた表情で溜息を吐いた。
「あら………”七の至宝(セプト=テリオン)”を授けた張本人やその一族ならそんな事ぐらい、できてもおかしくないかもしれませんよ?それに………2日前の夜と、昨日の昼にキーアさんの力で因果を操ろうとして、失敗しましたよね?」
「!!な、何故それを……!?」
「まさか………!」
微笑みながら問いかけたエイドスの言葉を聞いたマリアベルはイアンと共に目を見開いた後信じられない表情でエイドスを見つめ
「―――私達が阻止したからです。これ以上歴史を改変させない為に。」
「歴史は”星”に生きる生きとし生ける者達全てが紡ぐもの………それは例え”神”……ううん、”星の意志”であろうと変える事は許されないわ。」
マリアベルの言葉を聞いたフィーナとクレハはそれぞれ答え
「―――そして私達はそれを止める為に時代を超えて今この場にいるのです!」
エイドスが決意の表情で叫ぶと共にその身に秘める膨大な神力や魔力を解放した!
「な、なっ……!?こ、これは……!?」
エイドスがさらけ出す霊圧によって無意識に恐怖を感じたイアンは身体を震わせながら信じられない表情をし
「そ、そんな………キーアさんすら足元に及ばないこの膨大な霊圧……まさか本当に………!?」
マリアベルは信じられない表情をし
「―――マリアベル・クロイス並びにイアン・グリムウッド。これ以上私達と争うつもりなら、私達”空の女神”とその一族……そして私達に力を貸す勇者達と異世界の神々による”神罰”が降されると思いなさい!」
そしてエイドスは”空の神槍ウル”を異空間から出した後、槍をマリアベル達に向けて怒りの表情で叫び
「クロイス家の末裔と墜ちた弁護士よ………お前達は”やりすぎた”。もはや”眷属”である私どころか、女神すらも見逃せん事態だ。これ以上の狼藉を働く事は許さんぞっ!」
ツァイトもエイドスに続くように膨大な神気や魔力を全身から解放してマリアベル達を睨んで叫び
「”星”も決して貴女達の存在を許さないわ!覚悟しなさい!」
「貴女達はかの”魔の根源”よりも”世界”に害を為す存在!そんな存在は絶対に見逃せません!」
「キーアちゃんを利用して世界中の歴史を好き放題に弄ろうとした事……絶対に許さないわ!”教授”の時よりもボコボコにしてブッ飛ばしてあげるわ!」
「個人の意思で歴史を変える事……ミントも絶対に許さない!!」
クレハとフィーナもそれぞれ全身から膨大な神気や魔力を解放して怒りの表情で叫び、エステルは無意識にその身に秘める”正義の大女神アストライア”の魂に込められる力を解放すると共に”ラクスフェミリンス”をマリアベル達に向けて怒りの表情で叫び、エステル達に続くようにミントもその身に秘める魔力を解放して”エターナルソード”をマリアベル達に向けて怒りの表情で叫んだ!
「別世界の事であろうと、世界中の時空を操り、歴史をも変えようとする”大罪”………神々は絶対に許しません、外道!!”裁きの女神ヴィリナ”と”時空の女神エリュア”に代わり、”姫神フェミリンス”であるこの私が直々に裁いてあげますわ!」
「―――俺達の”約束”を阻む者は誰であろうと許さん!貴様らは”死”すらも生温い!魂の消滅も覚悟しておけ!」
「我が名は、古の女神アストライアにして”戦女神”セリカ・シルフィルの妻サティア・ブライト・シルフィル!かつては夜空に星を眺め、今は地に人を見る者にして心優しき少女の”誓い”により現世に蘇り、”戦女神”と共に生きる者!……これより貴女達が今まで重ねた罪を我が天秤により裁きます!」
「貴様らは”神”であるわらわ達の怒りに触れたのじゃ!覚悟するがいい!」
そしてエステル達に続くようにそれぞれの身に秘められる膨大な神気と魔力を解放したフェミリンスは”神槍ヴィリナ”を、セリカは”ラクスハイシェラ”を、サティアは”天秤の十字架”をそれぞれマリアベル達に向けて、同じように膨大な神気や魔力を解放したレシェンテも怒りの表情で叫び
「ななななななっ……!?あ、ありえません、こんな事……!?複数の神々が集結して、エリィ達の味方をするなんて……!?しかも唯の人間までも”神”と同等の霊圧をさらけ出すなんて……!?」
「…………グッ…………!?こ、これが真の神々の力なのか………!?」
エイドス達がさらけ出す霊圧や神気にマリアベルは狼狽え、イアンは信じられない表情でエイドス達がさらけ出す霊圧や神気をその身に受けて呻き
「僕達が信仰している女神どころかその一族達に加えて他の神々が直々に”神罰”を降す相手と認めたからには、いくら聖職者と言えど”騎士団(僕達)”も慈悲は一切かけられないよ?」
「………これが最終通告です。今すぐに武器を捨てて投降しなさい、”外法”!!」
マリアベル達の様子を見たワジは口元に笑みを浮かべて呟き、リースは真剣な表情でマリアベル達を睨んで叫んだ……………!
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