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困った王子様

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第五章

「いいな、それも新型のだ」
「そしてその予算もですか」
「やはり借金をして」
「そのうえで」
「そうだ、鉄砲も多く造る」
 大砲だけでなく、というのだ。
「将兵の訓練は多くし下士官の権限を強める、そして」
「軍のことをですか」
「さらにですか」
「そうだ、軍規軍律は徹底してだ」
 それこそという口調での言葉だった。
「厳しくする」
「そうしたこともされますか」
「ここは」
「そうされますか」
「そうだ、そのうえで砲兵と歩兵、騎兵を組み合わせてだ」
 そのうえでというのだ。
「軍を編成する」
「新型の大砲と鉄砲を使い」
「そのうえで」
「軍を編成し」
「軍規軍律も厳しくですか」
「そうする、尚傭兵を雇うがそれ以上に臣民から兵を募り」
 そうしてというのだ。
「彼等を主力としていく」
「傭兵ではなく」
「臣民を兵としていきますか」
「これからは」
「そうされますか」
「そうしていく」
 士官経ちにも言った。
「わかったな」
「あの、民を兵にとは」
「それはです」
「役に立たないのでは」
「傭兵の方が」
「傭兵は金がかかるしだ」
 新王は士官達にこう返した。
「しかも略奪を働くことが多い」
「だからですか」
「そうしたことはせずに」
「民を兵にする」
「そうされますか」
「そうだ、ただ彼等はだ」 
 こうも言った新王だった。
「他に行き場所のない、農家の次男や三男をだ」
「そうした者達をですか」
「兵にする」
「そうされますか」
「そうした者達を兵として雇い入れ」
 そしてというのだ。
「徹底した訓練を課し軍規軍律を守らせ」
「新型の大砲や鉄砲を備えさせる」
「そうされますか」
「馬に乗れる者は騎兵にしてな」
 新王はこう言うのも忘れなかった。
「鍛え上げてだ」
「精強な軍を作り上げる」
「そうされるというのですか」
「まさに」
「その様にですね」
「そうだ」
 その通りという返事だった。
「わかったな、傭兵ではなくだ」
「民からですか」
「兵を募る」
「そうされますか」
「その様にしていく」
 こう言って実際にだった、新王は軍制も変えた。借金をしてまで内政を行い軍制も変えてだった。領地内の塩山や温泉があるという場所も。
 開発を命じた、ここでこう言った。
「銅がないがそれでもだ」
「塩山をですか」
「掘られるのですか」
「あることはわかっている」
 それ故にというのだ。
「温泉もだ、掘るのだ」
「では塩は」
「それを特産とされる」
「そうされますか」
「そうする、温泉は開いてだ」
 そのうえでというのだ。 
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