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とある科学の捻くれ者

作者:おにゅー
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3話

前回の事件は御坂が首謀者の犯人を捕まえる事で事態は収拾した。だが、問題点があったのだ。それは首謀者である少年が、つい先日までレベル2の能力者だったという事だ。明らかに爆発の規模を考えるとれべる4は下らないはずなのだが.....。そして、問題とは問題をひきおこすものである。

虚空爆破事件から数日後首謀者の少年が取り調べ中に、突然倒れたらしいのだ。
それにより、風紀委員である俺にも招集がかかってしまった。


***

で、今その原因を調べるために来た木山という科学者に、話を聞くためファミレスに入った。

「さて、先ほどの話の続きだが、同程度の露出度でも、なぜ水着は良くて下着はダメなのか」

「いや、そこじゃなくて」

「つまりネット上で噂の幻想御手なるものがあり、君たちはそれがーーー」

と、いう感じにおれ抜きで会話がスタートしてしまった。にしても、暇だな。空気だな、俺。これ俺いなくてもいいんじゃね?帰っていいんじゃないの?と思ったが、口に出すのはやめておく。なぜなら白井からOSHIOKI☆なるものが飛んでくるからだ。まぁ話半分でも聞いて、窓の外の景色でも見ーーー

「おい」

「何よ。今話してるんだから、邪魔しないでよね」

「いや、お前。俺風紀委員でお前一般人だからな。一応」

「一応ってあんたね...」

「それよか、窓の外のやつお前らの知り合いか?」

***

で、外にいた初春と佐天(というらしい)を席に入れて、話が再開した。

「それより、なぜ脳科学者さんとお茶を?もしかして、白井さんの頭に何か...」

真っ先に白井の頭を考える初春さんまじぱねぇっす。

「幻想御手の件ですわよ」

「あ、それなら私ーー」

「幻想御手の所有者は保護することになると思われますの」

「っ!?」

「まだ調査中ですのではっきりしたことは言えませんが、使用者に副作用が出ることや、急激にレベルを上げたことにより、犯罪に走る学生が数件確認されているからですの。」

「佐天さんどうかしたんですか?」

その一言により、今まで固まっていた佐天が意識が戻ったかのように、動き始めた。

「えっ!?やっ別にーーー」

そのとき佐天が後ろに手をやったことにより、飲み物が溢れ、木山のストッキングにかかってしまった。

「わーーー!!すみません!」

「いや、気にしなくていい。濡れたのはストッキングだけだからこうして脱げばーーー」

「だーーかーーらーー!!人前で脱いではいけないと言ってますでしょうが!!!」

「あんたも何じっと見てんのよ!!」

俺が木山を凝視していたことで、急に御坂が俺の頭を殴ってきた。いや、仕方ないじゃん?ほら、八幡だって男の子だもん!

「ほら、目!塞ぐ!!」

「お、おう」

つか、俺とお前まだ二回ぐらいしか会ってないぞ。もう敬語忘れてんじゃん。まぁいいけどさ


***



木山と別れた帰り道、佐天はさっきの会話を思い出していた。

(使用者は...意識不明...)

そう、幻想御手という代物はただただレベルを上げるだけの都合のいい代物ではなかったのだ。

(でも、死ぬわけでは...ないんだよね)

それでも、佐天は希望を捨てない。現実を見ない。せっかく手に入れた唯一の希望なのだ。それが、まったくもって自分の思う通りの物じゃなかったということを信じたくないのだ。

今まで散々惨めな思いをしてきた。確かに、周りの能力者である友人は無能力だからといって佐天を疎かにするわけではなく、何も変わらず優しく接してきてくれた。だが、逆にそれが佐天の心を締め付けた。皆が、

優しすぎたのだ。

「佐天...だったか?」

急に呼ばれたことに、ハッとしながら佐天は八幡の方へと向いた。意識はどこか別のとこにあるようだった。

「.....比企谷さん?どうしたんですか?」

「幻想御手...持ってるなら回収するぞ」

「っ!?...持って...ませんよ」

急に、幻想御手のことを話題に出され思わず固まる佐天。それに、八幡は言葉を重ねた。

「お前もさっき聞いただろう。使ったら100%の確率で意識不明になるぞ。まだ使ってないんなら今のうちに渡しとけ。」

「だから、持ってませんって。」

「ならさっきまでの挙動はおかしすぎるだろう。幻想御手の話題が出た途端態度変わりすぎだ。だれにも言わねぇからほら」

「持ってないって言ってるでしょ!!」

それを言い残し、佐天は走って行った。

「......やっぱだめか。俺にはこんなのは無理だな」

八幡を照らすように、鉄橋の後ろの夕焼けがこちらを覗いた。 
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