| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ヨハンだがこんな状況を覆す

作者:刀の道
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

ガンダム00
  4枚羽に憧れて

  夢をみた。

 4枚の羽根を持つ鳥が

 果てない空へ飛んでいく姿を



 「……あれ?俺は…ここは……一体」

 【よう!!】

 「誰?」

 【よくぞ聞いてくれた。
 俺はお前たちが世界と呼ぶ存在。
 あるいは宇宙、
或いは神、
或いは真理、
或いは全、
或いは一……
 そして俺は、

お前だ】

 目の前のぼやけて見える存在が、自分を指さすのと同時に
 先ほど迄は存在を感じなかった扉から、黒い手が俺を扉の中へと引きづりこもうとする。



 【ここは輪廻を司どる場所、半端な奴は真っ白にされてリリース、資格ある者だけがここから先にいける。
 さぁ…お前はどっちかな?】


 自分が何なのかわからない状態で頭の中を物凄いスピードで映画を見せられたような感覚だった。

 「ぐおぉおおお!!頭が!…」

 理屈はわからないが、漠然とそれが自分の記憶だった物だと何となく感じた。
 自分という存在が薄くなるような、体が砕け散りそうな感覚の中
 目の前を4枚の羽をはやした鳥が、横切った気がした。

 「こんな…こんな所で、死んでたまるかぁぁあああ!!」

 その鳥を見た瞬間、何故だかわいた言葉だった。
 そして俺は必至に前に手を出すと、ふいに何かに触れて声が聞こえた。

 (お前の声、たしかに届いたぞ)


 俺は自分がどうなったのか知ること叶わず、意識が途切れた。




 【驚きだね~、こいつが片目の犠牲でここを通ったのも、偶然とはいえ
 アンタの魂と片目の代替え品を掴み取ってくるなんて】


 (魂の半分を私が補う事でこれより先に通れたのだろうがな。しかし私を受けれる器があったのは確かだ)

 【だろうね、じゃぁまたここにこないことを願ってるよ】


 片目の住人を残し、この場所は誰もいなくなった。


 【彼らに少しプレゼントをしとくか……楽しみだ】


 ―――――――――――――――――――――――


 俺がまだデザインベビーとして培養器の中にいた時
 意識だけだが、イオリアという天才ツンデレ爺さんと対話した。
 
俺たちが異次元世界の住人だった事から接触をしメッセージを送ってきたようだ。
 彼自身はコールドスリープの状態であり、意識体のような物らしい。
 俺は記憶の中に、この世界の事を映画のようにだが知っている。何故知っているのか、事の細かい所まではわからない迄もだ。

 自分の名前がヨハン・トリニティだと培養器に着けられた名前でわかったとき、俺は……


 絶望した。


 まさかの噛ませ犬、しかも状況は詰んでるに等しい。


 幸運なのは、俺の魂の片割れが【ビアン・ゾルダーク】だと言う事だろう。
 覚醒して状況を説明され、混乱しながらもまずい状況なのはわかった。

 意識の深層にて彼に肉体の使い方を叩き込んでもらった。

 俺は脳のリミッターを外すことができるらしく、そのお陰で超人的反射神経や空間認識力・脳の思念波が強いらしい。


 が、いい事ばかりではない。朧げながら覚えている『あの場所』
 そこで俺は片目を失っている。
 そしてまずい事にリボンズ・アルマークにバレたら即終わりの状況だ。

 身体操作を一定レベルもっていなければ直ぐ発覚する。片目が見えない事や脳量子波の事がバレたらダメだからだ。
 パイロットの腕も弱ければあのサイコパスにやられるだろう。
 ビアンは俺の記憶の中のことは知っている。だからこそ経験をつまされた。あと日本文化がいかに素晴らしいか説明された。


 誕生して直ぐに資金(株etc)を作り、資源を確保した。そして医療設備をつくりサポートロボを制作
 兄弟たちも生まれた。さぁ動かなければ…。


 「ねぇねぇ、ヨハン兄?あたしたち三人だけで話って?」

 「そうだぜ兄貴、最近疲れてるみたいだしよ」

 「ネーナ、ミハエルこれを見ろ」

 時を図り、脳量子波遮断施設を小型だが作り二人を呼んだ。

 「「これって?!(これは?!)」」

 「そうだ、俺達は使い捨ての道具として生み出された。
 ガンダムマイスターとして産まれたのは間違いではないが正しくもない」

 「くっそ!ぶっ殺…いや無理か…」
 ミハエルもネーナも気が付いたか。

 「ああ、現状では太刀打ちできない。そのために替え玉を作った。」

 俺達三人の肉体、そして偽りの記憶を持たせたコピー

 「暫くは俺達の寿命を延ばす治療をしなくてはな。確認するがついてくるか?」

 「「もちろん!!」」

 「よし、じゃぁ移動するぞ」

 (これからだなヨハン、まずは手勢を増やさねばな)
 ああ、そうだな…考えはある。



 「で、ヨハ兄これからどうする?あたしたちガンダムないし」

 「兄貴も考えてんだろ?なぁ?」

 「まず訓練は必須だろう。そして仲間もだ」

 秘境のような森林地帯の地下に建造した基地。
 そこの医療スペースで三人と話す。

 「えー!大丈夫かよ兄貴、ザコじゃ話にならねえだろ?!」
 ミハエル、ブーメランだそれは。

 「問題ない、紹介しようもう一人の俺であり、先生でもある人を」

 小さいPCのようなディスプレイにビアンの顔が映る。

 「初めましてだな二人とも。私の名はビアン・ゾルダーク
 別世界では科学者をしていた」

 「ビアンはパイロットとしても一流だ。詳細は後で教えよう。」

 「「は~い」」
 納得した感じではないが、一応の了承といった感じか

 「現在私たち4人だけでは手も足りず、そして人員も足りない
 事実上三人の我らではガンダムを制作するなどは不可能に近い。
 無論手伝ってもらうが多いに越したことはない
 都合がいいのは死んだとされる人物だな。それを考えると
 この二人が目下の目標だ。以上だ」

 「ひゅ~、美人さんじゃん!」

 「ぶ~!あたしイケメンがよかったのに」

 「ミハエル、お前が美人と言った人は人妻だ。手を出すなよ殺されるぞ」
 ミハエル落ち込むな…誰か拾ってくれるさ


 その後ビアンにVRシステムを作ろうと提案し制作、訓練を開始した。
 勿論、敵機体のデータは金ぴか大好きのバk…ゲフンゲフンの所から借りた。

 返すことはないだろう。


 あとHAROを何体か作成、疑似太陽炉や様々なパーツ作成を手伝ってもらう事にした。
 ネーナが一体を紫に染めていたのは、見なかったことにしたい。呪われているのだろうか…



 (ヨハン、そろそろじゃぞ集中せい)
 わかってるよビアン。それにしてもティエレンを奪うなんてよく考えたね

 (こんな暗闇じゃ、探すのは至難。そして鎧無しでこんな所を闊歩していれば一瞬でお陀仏だな)
 そうだね…、悲しいけど実践経験も積めるしね。それに命の重さに慣れないと

 (安心せい、下手な奴よりよっぽど強いぞお主は)
 そうだ、こんな所で死ぬなんて御免だ。まだビアンが言ってた宇宙にもいってないのに

 俺は周りが倒れていく中を目的の人物を探す。
 途中で嫌な予感とでもいうべき勘が働き乗り捨てたがよかった。
 降りて数分もしない間にガラクタになっていたからだ。

 目的の人物を探し当て急いでこの地域を脱出。
 拠点に戻った。



 「ようやく一人増えたねヨハ兄」
 「やっぱ美人だな血にぬれても…」

 「ああ、

ホリー・スミルノフ……

ロシアの荒熊の奥さんだ」

 


何故だかこの人を救ったその時、俺は不思議な達成感を感じていた。 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧