聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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112部分:第十三話 帰還してその五
第十三話 帰還してその五
「俺の巨蟹宮にな」
「ああ、そういうことですか」
「それで」
「わかったな」
ここまで話してあらためて述べたデスマスクだった。
「これでな。御前等と飲むのは後だ」
「そうですか」
「まずは巨蟹宮に戻ってな。あそこの連中に声をかけないといけないからな」
「ああ、そういえばそうですね」
「十二宮にはそれぞれ人がついてきてるんですよね」
黄金聖闘士がそれぞれ守護する十二宮には人が配されている。黄金聖闘士の付き人達であり彼等の身辺の世話や宮の管理運営を行っている。基本的に女人禁制なのは聖闘士と同じである。だからデスマスクの周りも男ばかりであったりする。
「だからですか」
「黄金聖闘士は基本的にそれぞれの宮を護るんでしたよね」
「知ってるだろ、それはよ」
レッシュに対して答えるデスマスクだった。
「御前も聖闘士の端くれならな」
「まあ確かに」
「そうですけれど」
他の面々もデスマスクの言葉に応える。
「けれどそれでもデスマスク様が主ですか」
「何かそれって」
「御前等俺を何だと思ってるんだ?」
怪訝な顔をする彼等のそれぞれの顔を見て問うた。
「一体何だと思ってるんだよ」
「まあそれはその」
「おっかないっていうか?」
「馬鹿、本当のこと言ってどうするんだよ御本人の前で」
「殺されるぞ御前」
「ああ、それはもうわかってるからよ」
しかし彼等の言葉を聞いても特に動じたところのないデスマスクだった。六人はデスマスクの今の言葉にギョッとした顔になって彼を見る。
「げっ、それじゃあやっぱり」
「俺達を」
「殺したりも何もしねえよ」
また言うデスマスクだった。
「俺は闘う相手以外には何もしねえさ」
「そ、そうなんですか!?」
「本当にですか!?」
「俺はアテナの聖闘士だぞ」
ここを強調して言ってきた。今度は。
「しかも黄金聖闘士だぞ。それで何で闘い以外で技を出すんだよ。違うか?」
「まあそれはそうですけれど」
「けれど」
「大体な、相手の考えてることはちょっとした相手ならわかるんだよ」
「げっ、どうしてですか」
「黄金聖闘士は全員それなり以上の超能力を持ってるんだよ」
今黄金聖闘士の力の一部を明かすのだった。これは他の聖闘士が持っていない場合もあるものであった。
「その中には当然テレパシーだってある」
「そうだったんですか」
「そうだよ、御前等の中にもそういうのいるだろ?」
「ええ、まあ」
「そういう奴もいますけれど」
「そういうことなんだよ」
これがデスマスクの説明であった。
「だからな。俺達なんかは特にだよ」
「そういう力は強いんですか」
「当然俺だけじゃない」
こうも言う。
「さっきも言ったが他の奴も全員使えるぜ」
「ですよね。それだと」
「あの筋肉馬鹿だって使えるさ」
「筋肉馬鹿!?」
「アイオリアだよ」
彼のことであった。
「あのライオン野郎な。あいつとかアルデバランやミロだって得意じゃないにしろ使えることは使えるんだぜ」
「あの人達を言われると」
「本当に使えるんですね、何か」
「意外か」
「はい」
本人達がいないこともあってはっきりと答えた面々だった。
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