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詩集「棘」

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瞳を閉じても変わらない



返るはずもない想いは痛み
どこへなりと吹く風に
ただ憧れて…嫉妬する…

昇りくる朝陽を蹴散らし
今日で全てが終わればいい…
突き抜ける感情は
どこまでも心を刻み続け…

瞳を閉じても変わらない
この世界から逃れたい
自分が自分であるゆえに
罪の重さに頽れる…


君へ触れたくて 手を握りしめ…
叶わないと解っていても
遠い影へと…身を焦がし…

月明かりさえ厭わしく
空ごと落ちてしまえばいい…
淋しさに喘いでは
いつまでも温もり求め続け…

瞳を閉じても変わらない
希望の朽ちたこの道で
気持ちばかりが空回りし
愛おしすぎて名を呼んだ…


愚かな僕は夢を見た
決して叶いはしないけど…
それでも歩み続けることに
何の意味があるのだろう…?

瞳を閉じても変わらない
今日も明日も流されて
星さえ翳って足下も
見えない夜を歩いてく…

瞳を閉じても変わらない
この世界から逃れたい
自分が自分であるゆえに
子供みたいに泣いている…



 
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