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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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外伝~クロスベル帝国~

~オルキスタワー・屋上~



「リセルさん……!」

「エルファティシアさんまで……!」

「みんな同じ軍服や鎧を身につけてやがるな……」

「それにマスコミの人達までいるな……」

リセル達を見たティオとエリィは驚き、ランディは目を細めてリセル達が身につけている軍服やドレスを見つめ、リィンはリセル達の背後でカメラなどを構えているマスコミ達を見つめた。

「あの服や鎧はまさか……!」

ある事に思い当たったロイドは真剣な表情でヴァイス達を見つめ

「―――――”クロスベル帝国”の軍服並びに鎧です。」

エリゼは静かな口調で答え

「ああ。今後警備隊は”クロスベル帝国軍”に編成し直す事になる。」

「クロスベル警察は後に状況が落ち着いたら軍とは別の治安組織扱いにするつもりだ。だから国防軍のように軍から下っ端扱いされないようにするから安心しておけ。」

ギュランドロスとヴァイスはそれぞれ答えた。

「…………クロスベル警備隊が”クロスベル帝国軍”ですか…………」

「「「「……………………」」」」

二人の答えを聞いたノエルは複雑そうな表情で呟き、ロイド、ランディ、セルゲイ、ダドリーは複雑そうな表情で黙り込んでいた。

「全く……もうちょっとマシな色はなかった訳?黒とか正直趣味じゃないのよね~。」

「その事については(わたくし)も文句が言いたいわ。私なんか前とあまり変わりばえがしないし。」

その時エルファティシアとフェルアノは呆れた表情で答え

「何を仰います!姉上はどのような服を着ても至高の美を放つ存在です!」

クライスは真剣な表情でフェルアノを見つめて叫び

「あう~……できれば前みたいな色の方がよかったのですが…………」

「マルギレッタ様に黒は正直違和感がありますものね……」

マルギレッタは溜息を吐き、リ・アネスは苦笑した。

「フッ……今回限りでいいぞ?ここにいる皆はクロスベルを率いる将になるのだからな。」

「おうよ!堅っ苦しいのは俺達も嫌いだからな!ガッハハハハハハッ!!」

「ハア……………ヴァイス様御一人でも頭が痛い行動があったというのに、そこにギュランドロスまで加わるなんて………………ギュランドロスについては彼を良く知る”三銃士”達に丸投げした方がいいかもしれませんね……」

「うふふ、そう言わずにお互い協力し合って、ギュランドロス様とヴァイスさんを支えましょうよ♪」

「”王”である2人が真っ先に規律を乱すような事を言わないで下さい!それとリセル!私達だけにギュランドロス様の事を丸投げしないで下さい!私達もギュランドロス様の奇行にはいつも困っていたんですからね!?」

ヴァイスとギュランドロスの言葉を聞いたリセルは疲れた表情で溜息を吐き、ルイーネは微笑み、エルミナはヴァイスとギュランドロスを睨んで指摘した後リセルも睨んで言い

「アハハ………エル姉にとってはようやく自分の負担を減らせるチャンスなんだから、絶対に逃すわけないしね~………まあ、今度からはヴァイスも加わるからもっと苦労するのは間違いなしだね♪」

「きっと今後はリセルとエルミナが一番苦労するんでしょうね…………」

パティルナは苦笑した後口元に笑みを浮かべ、アルは苦笑し

「アルちゃん!お願いですから不吉な事を言わないで下さい!」

「パティ!貴女もです!」

二人の言葉を聞いたリセルとエルミナは疲れた表情でパティルナとアルを見つめて言った。



「――――それで。俺達の鎧は。」

そしてヴァイスは真剣な表情でリセルを見つめ

「はい、こちらに。」

「どうぞ、ギュランドロス様。」

リセルとルイーネはそれぞれヴァイスとギュランドロスに外套が付いた漆黒の鎧を渡し、渡された二人はそれぞれ鎧を装備した。

「フッ。ヴァイスハイトにとっては懐かしき色だな。」

「フフ、そうですね。」

漆黒の鎧を身につけたヴァイスを見たガルムスとベルは口元に笑みを浮かべ

「そういえば……代々のメルキア皇帝の鎧は漆黒だったな。」

「…………ようやくヴァイスハイトが”王”になる瞬間を見届ける事ができたな……」

「ヴァイスの為に戦い続けた私もようやく見る事ができました…………」

エイフェリアとオルファン、アルは静かな笑みを浮かべ

「今思い出しましたけど私達はヴァイスハイトが帝位に着く前に眠りにつきましたから、これが初めてですの。」

「……まあ、私は見たくなかったのだけど。」

ある事を思い出したリューンは呟き、ナフカは不愉快そうな表情で答えた。

「――――今ここに暗君ディーターは滅び、”クロスベル独立国”は滅んだ!」

「そしてこの俺、ギュランドロス・ヴァスガンを皇帝に即位し…………」

「もう一人の皇帝はこの私ヴァイスハイト・ツェリンダーが即位し……」



「「今ここで”クロスベル帝国”の建国を宣言する!」」



そして覇気を纏ったヴァイスとギュランドロスは叫び、その様子をマスコミ達は次々とカメラで写真を撮り、リセル達――――クライスやエア・シアル等一部を除いたヴァイス達の仲間達は全員その場で跪いた!

「なっ……!?」

その様子を見たダドリーは驚き

「”王”への謁見みたいな状態になってやがるな……」

セルゲイは目を細めて呟いた。

「――――これよりメンフィル帝国軍と共にエレボニア帝国並びにカルバード共和国に侵攻する!」

「全員の力が必要だ!お前らの力、期待しているぜ!」

「ハッ!!」

ヴァイスとギュランドロスの宣言にリセル達はそれぞれ大声で答えた!

「なっ!?」

「い、いくらなんでも早すぎるわ……!」

「おいおい……マジで今から二大国に戦争を仕掛けるのかい?」

「クロスベルの復興すらまだなのに……」

二人の宣言を聞いたロイドとエリィは驚き、ワジは真剣な表情になり、リーシャは不安そうな表情で呟いた。

「フフ、僭越ながらリウイ・マーシルンとペテレーネ・セラの次女、レン・H・マーシルン……我が兄であり、現メンフィル皇帝シルヴァンに代わりましてお二方の即位を祝福させて頂きます。――――おめでとうございます。」

その時レンは上品な微笑みを浮かべてヴァイス達に会釈をした。

「―――感謝する、レン姫。……………では早速皆に指示を与える!エイフェリア、リューン、ネネカ、アルフィミア!お前達はリフィア殿下率いるメンフィル帝国軍と共にエレボニアの都市――――ルーレとエレボニアの重要鉱山であるザクセン鉄鉱山を攻め、制圧しろ!」

「うむ、任せておけ!魔導の力、異世界の者達にとくと見せてやろうぞ!」

「はいですの!」

「ネネカに任せろ!」

「了解した。」

ヴァイスの指示にエイフェリア達は頷き

「オルファン、ナフカ、クライス、ガルムス、ベル、エア・シアル!お前達はカルバードに侵攻するギュランドロス達と共に戦え!」

「承知!我が智を新たなる国の為、とくと震わせていただこう……!」

「……貴方が私に命令しないで。不愉快よ。」

「フン、いいだろう!屑共に俺の力を見せつけてやろう!」

「フッ、”戦鬼”の力、異世界の者達にとくと見せつけてやろう!」

「”鮮血の魔女”の復活だ!我が敵は全て真っ赤に染め上げてくれる!」

「絶対的な”竜”の力………我が友であるお前の為に存分に振るってやろう……!」

さらに指示を出されたオルファン達も頷き

「フェルアノ、エルファティシア、マルギレッタ!お前達はクロスベルの各組織と協力してクロスベルの復興並びに防衛に当たれ!」

「フフ、相変わらず人使いが荒いわね。……ま、この私がいるのだから、復興なんてすぐに終わらせてあげるわ。」

「ま、妥当な判断ね。私は守る方が得意だし。」

「傷ついた人達はみんな助けます……!」

フェルアノ達も頷き

「メイメイ、ミスティ、リ・アネス!お前達はそれぞれ協力してフェルアノ達の補佐をしてやれ!」

「ハッ!お任せ下さい!」

「ご主人様の御心のままに……」

「マルギレッタ様達は私達が必ず支えます!ですので貴方達は安心して”覇道”を歩んで下さい!」

メイメイ達は会釈や敬礼で答え

「―――当然、お前達は俺と一緒にカルバードに殴り込みだ!ルイーネ、エルミナ、パティ!」

「はい、了解しました♪」

「我が策にて必ずギュランドロス様に勝利を奉げてみせます!」

「アハハ!ユン・ガソルの時を思い出すね!」

ギュランドロスの指示にルイーネ達はそれぞれ答え

「―――そして。リセル、アル、ラクリール!お前達は俺とリウイ達と共にエレボニアの都市、バリアハートに進軍する!狙う首はバリアハートを護る”四大名門”の貴族の一人――――ルーファス・アルバレア!今日中で奴の命を刈り取ってやるぞ!」

「ハッ!」

「了解しました!」

「我が武にて必ずや勝利を奉げましょう!」

ヴァイスの指示にリセル達はそれぞれ敬礼して答えた。

「クク………面白くなって来たぜ!ヴァイス!」

「ああ!」

「「総員――――行動開始!!」」

そしてヴァイスとギュランドロスは号令をかけ

「応っ!!」

二人の号令にリセル達はそれぞれ答えてそれぞれの行動を開始する為にエルファティシア達を除き、その場から走り去って行った……! 
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