暗闇を照らす白き日差し【影に身を委ねた一夏】
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学年別トーナメント
第20話 ボーイ・ミーツ・ボーイ Ⅲ
前書き
ああ……お腹痛…てか暑……でも書かなきゃこれ(本作)終わんない……
千冬SIDE
廊下
あいつが……あの実験の奴だと……?馬鹿な…そんな……
ドイツで教官やってた時にあいつ(ボーデヴィッヒ)の事で気になってはいたが、まさかあの実験の被験体だったなどとは流石に知る由も無い話だった。
“あの実験”とは、且てドイツで密かに進められていた“クローン計画”だ。誰かの細胞を使って、細胞の持ち主と瓜二つな輩を造って一人の人間を長生きさせようという内容だった。しかもその計画は第二次大戦のドイツ敗戦と合わせて打切りになった筈だったが……
千冬「まさか本当にやってたとはな」
全く…だとすれば厄介な奴に教育してしまったものだな……
とはいえ過ぎてから思うのはどうかと思うが……
千冬「まあいい、とにかく急ぐか」
あいつ等(白夜とボーデヴィッヒ)の話で時間か取られたからジャージに着替える為に更衣室へと急ぐ……
_______________
白夜SIDE
廊下にて……
≪タッタッタッタッ……≫
白夜「俺達は女子とは違ってアリーナの更衣室で着替えるんだ。
実習の度にこれ(移動)だからサッサと憶えろよ」
シャルル「う…うん……」
廊下を歩きながら後に着いて来るデュノアに実習での着替えついて説明している。
まあ当然と言えば当然だが……
白夜「言っとくが実習の間はトイレにゃ一切行けねぇぞ、何せ織斑先生が容赦しねぇからな。
トイレ行きたきゃ今のウチだぜ?」
シャルル「えっ?それはまあ…大丈夫だけど……」
白夜「ならいい」
それだけ聞いておけばいいだろな……
ーーーー
っと廊下の角を曲がった矢先……
「ああ!噂の転校生発見‼︎」
「しかもあの白夜くんと一緒!」
白夜「うわっ!」
前に女子2人が立ちはたがって道塞ぎ……
≪ガヤガヤ……≫
「居た居た!」
「みんなコッチよ!」
「者ども出あえ出あえ!」
白夜「げっ!」
更に後ろには大群が群がりついには……
≪キャーキャー……!≫
「白夜くんの白髪も良いけど、金髪のブロンドも良いわね♪!」
「うんうん!強面白夜くんにサッパリデュノアくんの組み合わせ素敵♪‼︎」
「あたし地球に産まれて良かった〜〜♪‼︎」
白夜「うぜ……」
つくづく思う……コイツ等マジウゼェ…てかマジヤベェし……
こっち実習で時間ねえってのに!なんでこうなんだたく‼︎
白夜「くっそぉ〜、面倒だが仕方ねぇ!
デュノア!俺の肩に掴まってろ!置いてかれたって知らねぇからな‼︎」
シャルル「えっ⁉︎
ちょっと待って!」
これ以上は埒あかんから強行突破を思い付いてデュノアの背に抱えてそして……
白夜「"白夜-短夜(たんや)"!」
≪ビュン!≫
「うわっ⁉︎」
「えっ、何々⁉︎」
「後ろ後ろ!」
「逃がすな追え〜〜‼︎」
切り抜け技を使って強引に正面突破する形でどうにか切り抜けた。
≪ダダダダ……≫
シャルル「助けてくれたのは嬉しいけど、なんでみんな騒いでるの?」
白夜「お前ここ(IS学園)の男子俺等除いて居ねぇの知らんのか?」
シャルル「えっ?ああ…そう…だったね……」
お前自分が男な事も忘れちまったのか?イヤ、そもそも元からコイツ男じゃない(女)のか?
まあいい……
白夜「とにかく走れ、置いてっちまうぞ!」
シャルル「う…うん……」
≪ダダッ≫
そのまんま俺達は追って来る女子の大群を撒きながらもアリーナへ向けて走り続けた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
アリーナの更衣室
白夜「たく……」
結局撒くのに随分時間が掛かったもののやっと振り切って更衣室に着いたのは実習の5分前だった。
たく奴等め……今度来ようもんなら容赦しねぇぞ……
まあいい……
白夜「とにかく着替えるぞデュノア、実習までそんな時間ねぇんだからな」
シャルル「わ…解った……
でも絶対こっちは見ないで!絶対だよ⁉︎」
おいおい何だその要求は?急ぐんだからんなモン気にする暇ねぇだろが戯け……
まあいつまでも長居してるよりはマシだがな……
白夜「見ねぇよんなモンなんざ、見ねぇから急げ。
いいな?」
シャルル「解ってるよそのくらい」
たくな……急げよ……
≪スッ≫
シャルル「終わったよ」
白夜「はっ?」
シャルル「……」
言って10秒も掛からない速さで後ろからそんな声が聞こえたから振り向いて見れば、そこに居たのはISスーツを着たデュノアだった。
おいおい速くね⁉︎俺もそれなりに速ぇ方だがそんでも言われてすぐなんざ流石に出来ねぇし……!
白夜「オメェ何でそんな速ぇんだよ?」
シャルル「い…いや……何でかな?普段こんな感じだから、もう慣れたせいかな……?」
ふ~ん、“慣れた”ね…まあいいか……
だがコイツの件で少し洗い出す必要があるな……
_______________
シャルルSIDE
着替え終わってすぐ変な事を聞かれちゃったけど、それはウチ(デュノア社のテストパイロット)ではよくある事だから僕は包み隠さずに全てを話した。
フイに僕の素性でも聞いて来るのかと思ったけど全然聞こうともしないから安心しちゃう。だってあのドイツの代表候補生の素顔を知ってるんだったら僕の事も知ってると思ってたからだ。そうだと思うと心臓に悪い……
その途端に僕は白夜くんが操作し始めた機器に目が止まった。何か携帯みたいだけどなんか違う。
シャルル「ねえ白夜くん、今操作してるの何?」
白夜「ああ?
営業用のタブレット端末さ、依頼はよくコイツに入るのさ」
シャルル「ヘェ〜」
営業用ね……確かに白夜くん殺し屋だからそういうの持ってて当然だよね……
シャルル「それで白夜くん、いつも女子に追い掛けられてるの?」
白夜「まぁ…あるにはあるかな……
だが普段は近付いたりしねぇがな。
まっ、おそらく後であん時の何倍かの連中が大挙して来るから気ぃ付けろよ?」
シャルル「う…うん……」
その時ここに来る最中に女子に追われた事でまた聞くけど本人はそう追い掛けられたりしないみたい。
まあ殺し屋なら仕方ないけど……まさかさっきのの何倍って…辛過ぎるよ……
白夜「ところでお前、なんか隠してるだろ?」
シャルル「えっ?」
それを聞いた瞬間に“ドキッ!”っとしちゃった。もしかしてバレてるの僕の秘密が……
白夜「どうなんだ?」
シャルル「い…いやいや……そんなことは……」
うう……怖い顔で睨み付けて来る白夜くん…怖過ぎるよ……もうやだ帰りたい……
でも目的を達成しなきゃ帰れないからそれとなく誤魔化してなんとか切り抜けようと試みたけど……
白夜「俺に冗談が通じると本気で思ってんのか?デュノア社社長の愛人の娘、“シャルロット・デュノア”」
シャルル「⁉︎」
やっぱりバレてた……もう駄目だ、僕は終わりだ。素性を知られた以上もうここ(IS学園)には居られない……
白夜「まあもうすぐ実習だから今はこの辺で勘弁しといてやろう。
だが放課後にみっちり聞かせてもらうから覚悟してろよ?無論逃げようものなら容赦しないからな?」
シャルル「えっ?」
まさか見逃すの?とはいえ実習まで時間が無いから仕方ないとはしても……
白夜「ボケ〜っとしてる暇ありゃ行くぞ」
シャルル「う…うん……」
でも後で問い詰めらる事に変わりは無い……ああ、僕は生きて祖国に帰れるのかな……?
そんな事を考えながら、白夜くんの後についてアリーナへと向かう……
_______________
白夜SIDE
アリーナにて……
千冬「お前にしてはヤケに遅かったな」
白夜「他の女子連中が煩いからに決まってるでしょ?」
千冬「まあそれもそうか」
実習開始まであと2分弱、普段は5分くらい前に着くから明らかに遅い方だ。まあ女子から実質妨害されたから氏方ないとして……
鈴音「それにしちゃ遅過ぎじゃない?何かあったんじゃない、転校生と?」
セシリア「そうですわ。知っていらっしゃる事を包み隠さず全て話して下さいな」
それはそうとこの2人がウザい……
白夜「そいつは織斑先生除いて言えねぇな、悪いがそれに関しては“企業機密”ってヤツなんでな」
鈴音「何で千冬さんは良くてあたし等は駄目な訳⁉︎横暴じゃない!」
セシリア「そうですわ!情報は皆さんで共有するものですわよ⁉︎」
んなワケねぇだろが……って言うか……
白夜「それより余所見してる場合かお前等、黙って正面見ろよ」
セシリア「えっ?」
鈴音「何が__!」
千冬「凰にオルコット、私の授業で雑談とは随分良い度胸だな」
「「〜〜!」」≪ガタガタブルブル……≫
2人が顔を向けた先に居たのはあの織斑先生。こうなっては流石の代表候補生であっても縮みこまざるを得ない。
≪バシーーンッ!≫
その後2人が織斑先生から鉄拳制裁を喰らったのは言うまでもない……
ーーーー
千冬「それでは、今日から本格的な実戦訓練を行う。
それと良い機会だから、専用機持ちに実戦を踏まえた模擬試合を見せてもらう。凰にオルコット、前に出ろ!」
鈴音「全く白夜のせいなのに何であたし等が……」
セシリア「オマケに何だか見世物みたいで腑に落ちませんわ……」
おいテメェ等、責任転嫁も甚だしいぞ……てか見てて見苦しいぞ……
千冬「たく…お前等チョットはヤル気出せ、アイツ(白夜)に少しは良いところ見せられるぞ」
「「!」」
セシリア「やはりここはイギリス代表候補生のわたくし、セシリア・オルコットの出番ですわね!」
鈴音「この前は白夜が相手だったから仕方なかったけど、今度はもう油断しないからね!」
さっきまで“青菜に塩”みたいな状態だった2人だけど、織斑先生からの言葉に急に元気を取り戻した。
てか“アイツ”って一体誰だ……?
セシリア「ところで、わたくしのお相手は何処に?場合によっては鈴との一騎討ちでも構いませんが……?」
鈴音「それはこっちの台詞よ、アンタなんて返り討ちにしてやるんだから」
さ〜て、あの2人と手合わせすんのは一体何処の誰だろな?
まさか織斑先生か、それとも__?
「それは私です」
『!』
真耶「……」
名乗り出る声が聞こえてその方向を向いた先に居たのは副担任の山田先生だった。
オイオイ山田先生がか、大丈夫なのか……?
千冬「お前が考える程甘くは無いぞ白夜、何せ山田先生は元代表候補生だったのだからな」
真耶「そ…それは昔の話ですよ。
それに…候補生止まりでしたし」
まさか俺の考えが織斑先生に筒抜けとはな……俺もまだ修行が足りんな…あの人を越えるのに……
千冬「さて小娘共、ISを展開次第サッサと始めるぞ」
セシリア「えっ、二対一ですか?」
鈴音「それは流石に……」
千冬「じゃあ白夜に変えるか?」
セシリア「い…いえ!」
鈴音「やりますやります!」
お前等俺の事となると随分大人しくなるな……
何故だ……いや、単に俺が強過ぎるからか?
ならしゃあないか……
千冬「それで良い、それに今のお前達ならすぐ負けるから安心しろ」
本当かよ……?
イマイチ疑ってしまう……てか不安だ……
まあそんな見解など当然無視されて凰とセシリアと山田先生はすぐ専用機(山田先生のはラファール・リヴァイヴ)を展開して模擬試合が始まった。
ーーーーーーーーーー
≪ドガガガガガガ……!≫
≪ビシューーッ!≫
≪キュウゥ……、ドンッ!≫
開始から数分、上空では3機による闘いの乱舞が繰り広げられてるけど、形勢は明らかに山田先生に傾いているのが俺には解った。第一として、凰とセシリアの2人は全く連携を取ろうとせず自分勝手に攻撃してるから自身の攻撃が味方に直撃したりが目立って2人が段々追い詰められてるのは目に見えていた。
ーーーー
千冬「デュノア、山田先生の専用機について説明してみろ」
シャルル「はい。
山田先生の使用しているISはデュノア社製の第二世代“ラファール・リヴァイヴ”です。第二世代としては後期の機体ですけど、第三世代と劣らず勝らずなスペックを持ち、安定した性能と操縦者を選ばない高い汎用性能、加えて後付武装の豊富さが特徴の機体です。
今日に至るまでの量産型ISの中では配備されてる数が最も多く、世界三位を誇るシェアを持ち、計7ヶ国にてライセンス生産され、日本,イギリス,アメリカ,ドイツなどの12ヶ国で採用されています」
うん。流石はデュノア社のテストパイロットだな……詳しくて当然だが……
そろそろ決着つくかな……
ーーーー
その頃……
≪ドカッ!≫
セシリア「きゃっ!」
鈴音「うわっ!」
連携を取らない戦い方をしてるせいでか、山田先生の攻撃でいとも簡単に互いが衝突するように誘導されて……
≪ドカーーンッ!≫
「「うわ〜〜〜!!!!??」」
手榴弾をブチまけられて敗北。
まあ連携取らんのじゃあ負けて当然だかな……
ーーーーーーーーーー
鈴音「ちょっとセシリア、アンタ回避読まれ過ぎよ……」
セシリア「そういう鈴さんこそ……」
揃いも揃って互いに言い合う2人。
見苦しいにも程がある……
千冬「おい白夜、2人の戦い方を見て気付いた事はあるか?」
白夜「そうですね。
戦いを見ただけで言うと、2人は一切連携を取らずに自分勝手な攻撃を行っていました。そんな輩が戦場に立とうものなら一瞬で足手まといになりますしすぐ無駄死にします。折角のISの性能を最大限活かすことなく落とされるだけですから、“飛んで火に入る夏の虫”とはまさにこの2人(凰とセシリア)の事ですよ」
千冬「成る程、良い見解だ。流石は傭兵兼殺し屋稼業の戦場経験者だ」
白夜「フン……」
まあこのくらい修羅場経験してねぇと解んねぇものだ……
とはいえ、こういうのは痛い目に遭わなきゃ解らん様な連中の集まりだからな、ここ(IS学園)は……
後書き
イマイチ中途半端ですが今回はここで区切ります。
次回の内容は、白夜対ラウラと箒の闘い……
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