英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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第122話
~西クロスベル街道~
「――――来たか。」
法陣の前で待っていた人物の一人――――セリカはロイド達を見て呟き
「主……!」
「セリカ様……!それにマリーニャ達も………!」
セリカを見たリタは驚き、さらにセリカやレシェンテの周囲にいるセリカの”使徒”達――――マリーニャ、シュリ、サリアを見たエクリアは驚き
「やっほ。久しぶりね。」
「皆さんとまた会えて何よりです。」
「えへへ~、こんなにもまた早く会えるなんて、夢にも思いませんでした~、エクリア母様♪」
マリーニャとシュリはエクリア、カーリアン、ティオ、リタに微笑み、サリアは嬉しそうな表情でエクリアに抱き付き
「もう、この娘ったら………」
抱きつかれたエクリアは苦笑しながらサリアの頭を撫でた。
「随分と早かったですね………」
セリカ達を見たティオは驚き
「以前エヴリーヌが俺の屋敷に俺の便りを届けた時にリフィアの指示で未登録の”帰還の耳飾り”をいくつか俺の屋敷を登録させていたからな。それを使ってマリーニャ達と合流した後、”冥き途”でナベリウスを加えた後、こちらの世界に戻った後、ケビンに連絡してケビン達がお前達の今の居場所をアッバスに聞いた後”メルカバ”でここまで送ってもらった所だ。」
「え………ナ、ナベリウスさんまでいるんですか……!?」
「わあ……!どこにナベリウスが?」
セリカの説明を聞いたティオは驚き、リタは嬉しそうな表情をした。すると
「こ……………こ……………みんな………おひさ………」
セリカの背中からナベリウスが姿を現した。
「わあ………!可愛い~♪」
「か、可愛い……!お人形さんみたいです……!」
ナベリウスを見たキーアとノエルは嬉しそうな表情で言い
「馬鹿な!?そんな小娘がソロモンの大悪魔の一柱だと……!?確かに相当な力を持っているようだが……」
「………………………マジでその娘がソロモン72柱の一柱にして”冥門候”なのかい?」
ツァイトは驚き、ワジはその場で固まって呆けた後信じられない表情をし
「ええ、そうですよ。久しぶりね、ナベリ―――」
ワジの言葉に微笑みながら答えたリタが嬉しそうな表情でナベリウスに近づこうとしたその時、その場に旋風が起こり
「可愛い――――――――――ッ!リタちゃんやレシェンテちゃん、レンちゃんやミントちゃん、そしてティオちゃんとも違う可愛さっ!あ~ん、絶対にお持ち帰りするわっ!」
旋風を起こすほどの光の速さでナベリウスに詰め寄ったエオリアは興奮しながらナベリウスを抱きしめて自分の頬とナベリウスの頬をスリスリし
「だ……………れ…………………?」
エオリアに抱きしめられ、頬をスリスリされ続けているナベリウスは首を傾げ
「予想通りの反応ですね。」
「全くじゃ………ま、これでわらわ達の負担も減るな。」
エオリアの反応を見たティオは呆れ、レシェンテは溜息を吐いた後口元に笑みを浮かべた。
「ねえねえ、エクリア。ご主人様の手紙にあった新しい”使徒”は誰なの?」
その時マリーニャはエクリアに尋ね
「……今もナベリウスさんを抱きしめている人よ。」
尋ねられたエクリアは呆れた表情でナベリウスを抱きしめているエオリアに視線を向けた。
「うわ~……さすがはご主人様の”使徒”の一人だけあって、今度の娘もやっぱりクセのある娘ね~。」
「おい………」
「マ、マリーニャさん………それだと私達も同じという意味になりますよ……?」
「??よくわからないですけど、あの人がこれから屋敷で一緒に住む人ですね~。サリア、挨拶して来るです~。」
エオリアを見たマリーニャは苦笑し、マリーニャの言葉を聞いたセリカはマリーニャを睨み、シュリは冷や汗をかいて苦笑し、サリアは首を傾げた後エオリアに近づき
「初めましてです~。ご主人様の”第四使徒”のサリア・レイツェンです~。よろしくお願いしますです~。」
「あら……貴女がセリカさんの他の”使徒”…………………」
サリアに話しかけられたエオリアはナベリウスから離れた後サリアの顔をジッと見つめ
「??サリアの顔に何かついているですか~?」
見つめられたサリアが首を傾げたその時
「あ~ん、大人でありながらもこの娘も可愛い―――――ッ!!さすがレシェンテちゃんを”使徒”にしたセリカさん!見る目がありますね!!」
エオリアは今度はサリアを抱きしめて真剣な表情でセリカを見つめて言い
「どういう理屈じゃ……………」
「言っておくが見た目だけで”使徒”にしている訳ではないぞ………」
エオリアの言葉を聞いたレシェンテとセリカは呆れた表情で溜息を吐いた。
「はいはい。抱きしめる機会はいくらでもあるから、あたし達にも自己紹介をしてよ。」
その時マリーニャが手を叩いてエオリアを見つめて言い
「あっと……私とした事が2人の可愛さに夢中になって、後輩として先輩の方達に自己紹介するのを忘れていたわ―――――”第六使徒”エオリア・フォーリアよ。よろしくね♪」
マリーニャの手を叩く音と言葉を聞いて我に返ったエオリアはサリアから離れてマリーニャ達に微笑み
「”第二使徒”のマリーニャ・クルップよ。そっちの子達もよろしくね!」
「ご主人様の”第三使徒”でサリアの姉のシュリ・レイツェンと申します。サリア共々よろしくお願いします。」
「です~♪」
マリーニャとシュリはそれぞれ自己紹介をした後サリアと共にロイド達に微笑んだり会釈をした。
「こ、この人達がセリカさんの他の”使徒”……………」
「はい。エクリアさんやエオリアさんも含めて総勢6人です。セリカさんの”使徒”の方達は、それぞれわたし達とは比べものにならないくらいの”超越した力”を持っているんです。」
「へえ?よく見たら綺麗所ばかりじゃないか?」
「た、確かに………実際こうして見ると容姿で選んでいるんじゃないかと勘違いしてしまいますね……」
「畜生!このリア充神がっ!!」
(フフ……将来ロイドのお嫁さんは一体何人になるのかしらね?)
マリーニャ達を見回したロイドは驚き、ティオは頷いて説明し、ワジは口元に笑みを浮かべ、ノエルは苦笑し、ランディは悔しそうな表情でセリカを睨み、セシルは微笑みながらロイドを見つめ
(ハハハハハハハッ!言われたい放題だな、セリカよ?)
(………………………)
ワジ達の話を聞いたハイシェラは高笑いし、セリカは黙り込み
「フ………”神”に力をわけてもらい、仕える存在か………私や他の同胞達とは似て非なる存在だな……」
ツァイトは静かな笑みを浮かべていた。
「ここまで色んな”伝説の存在”の人達が揃うと、なんか”伝説の存在”の安売りセールを見ている気分だね~。」
「た、確かに………”神殺し”に”古神”、”姫神”の継承者に”神狼”……そして”使徒”………こんなにたくさんいたら、そう思うのも仕方ありませんね……」
「二人とも、そんな事を言ってはダメですよ?本来なら一生に一度、会えるかどうかわからない存在の方々ばかりなのですから。」
シャマーラは呑気そうな様子で言い、シャマーラの言葉を聞いたエリナは表情を引き攣らせ、二人の言葉を聞いたセティは苦笑しながら注意し
「………兄様。兄様もロイドさんやセリカ様みたいにたくさんの女性の方々を侍らしたら、絶対に許しませんよ?」
「ちょっ!?なんでそこで俺を睨むんだよ、エリゼ!?というかそれを言うならリウイ陛下だって同じだろうが!?」
エリゼはジト目でリィンを睨み、睨まれたリィンは慌てた表情で言い訳をし
「陛下は皇族……それも皇帝であった方なのですから、世継ぎを多く残す為にも仕方ないかと。第一それを言ったら貴族であり、シュバルツァー家の跡継ぎの長男でもある兄様も同じ理屈になるのですが………?」
「う”……………い、いや……その………以前にも何度か言ったけど、跡継ぎは父さん達の血を引くエリゼが継ぐべきじゃ……」
ジト目で言ったエリゼの言葉を聞いたリィンは唸ってエリゼから後ずさって言いかけたが
「に・い・さ・ま?まだそんな事を仰るのですか?伝統や血筋を重んじるエレボニア貴族の方達と違い、実力主義派のメンフィルの貴族の方々はそんな下らない事で父様達を侮辱していない事はご存知でしょう?それに私達は兄様の事は本当の家族だと思っているのに………その思いを無下にする気ですか?(まあ、私は兄様の事を初恋の殿方として見ていますが……………全く……私の気も知らないで、よくそんな事が言えますね……!)」
エリゼは威圧感と怒気を纏った微笑みを浮かべてリィンを見つめ
「そ、それはそうだけど………」
見つめられたリィンは大量の冷や汗をかいていた。
(フフ、この子もリウイ達と同じみたいね♪)
その様子を見ていたカーリアンは微笑み
(な、なんかエリゼさんの俺への扱いがどんどんぞんざいになってきたような……)
二人の会話を聞いていたロイドは冷や汗をかいて苦笑していた。
「――――何はともあれ。これで”影の国”の時の俺達のメンバーはサティアを除いて全員集結した。ここからは俺達全員がお前達の力になろう。因果を操る存在……そしてその者―――キーアを操る黒幕の存在………俺達にとっても無視できん話だ。」
「……下手をすれば今の歴史が変えられる恐れもある事です。私達”使徒”一同も全力でクロイス家の野望を阻止をする為に皆様の目的―――キーアさんの奪還を手伝わさせて頂きます。」
「勿論、私も引き続きナベリウスと共に力を貸させて頂きます。ようやく取り戻した主の記憶にいつか訪れる主の幸せ、主に出来たたくさんの理解者の方々……そして私達にできた多くの友達を”無かった事”にするなんて、絶対に許せない所業です。」
「が………ん………ばる………タルちゃんも………セリカ………話……聞いて………止めて来い………って………言ってた………」
その時気を取り直したセリカとエクリア、リタとナベリウスがそれぞれロイド達を見回して言い
「ありがとうございます………!」
「みんな、よろしくねー♪」
「フフ、あの”嵐の剣神”達に加え、”聖典”にも記されている程の伝説の悪魔――――ソロモン72柱の大悪魔まで仲間になってくれたら、”風の剣聖”だろうが”赤の戦鬼”、”結社”の”使徒”や”執行者”だろうが恐いものなしだね。」
ロイドは明るい表情をし、キーアは嬉しそうな表情をし、ワジは静かな笑みを浮かべて言った。
その後、セリカ達を加えたロイド達はメルカバに乗艦した。そして、出迎えたフランは問答無用でノエルに抱き付いてから泣きじゃくってしまい………ノエルもまた、妹をなだめながら目を潤ませて涙を浮かべるのだった……………
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