英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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第118話
~ベルガード門・会議室~
「リーシャ……!」
「リーシャさん……」
「ようやく会えたな……!」
リーシャを見たロイドやティオ、ランディは明るい表情をし
「……皆さん……………あの、リウイ陛下。これは一体どういう事でしょうか?」
ロイド達を見たリーシャは複雑そうな表情をした後、戸惑いの表情で尋ねた。
「――――俺達がリウイ陛下に頼んで、君との面会を頼んだんだ。」
「え…………………………」
そしてロイドの話を聞いたリーシャは呆けた後ある事に気付いて複雑そうな表情で黙り込み
「……ロイドさん。今はどうか見逃してください。この地で私が行ってきた数々の違法行為……捕まるわけにはいきませんが、せめてこれ以上迷惑をかけないよう異世界―――メンフィル帝国に行き、2度とこの世界に……クロスベルに戻って来ないつもりです。――――事を為したら、きっと。」
決意の表情でロイド達を見つめて言った後目を伏せた。
「それは………」
リーシャの決意を聞いたティオは複雑そうな表情をし
「……復讐ってことか。君がラギール商会に……メンフィルに雇われたのはイリアさんを治療してもらうためと、ディーター大統領や赤い星座に復讐するのが目的だったのか……」
ロイドは疲れた表情で言い
「………………………」
リーシャは複雑そうな表情で黙り込み
「あの人達は……何よりも大切なものを奪った。みんなの太陽を………かけがえのない希望を。決して……許されるものではありません。」
ロイド達に背を向けて全身に怒りを纏った様子で静かな口調で言った。
「……なあ、リーシャ。イリアさんが目を覚ましたのは知っているのか?」
その時考え込んでいたロイドは真剣な表情で尋ね
「ええ…………………リウイ陛下達から状況は知らされています。―――下半身の損傷があまりにもひどく、現代医療での治療での完治はあまりにも難しい事を。だからこそ私は頼ったんです。”奇蹟”を起こせる”聖女”を………実際”癒しの聖女”と”闇の聖女”は過去、イリアさんが負ったような重傷者を完治させた事が何度もあると聞いています。ですから全て終わればイリアさんもまた舞台に……………」
尋ねられたリーシャは頷いた後振り向いてロイド達を見つめて言いかけたその時
「―――そのイリアさんがリーシャに伝言があるって。」
ロイドがリーシャを見つめて言い
「え……………」
ロイドの言葉を聞いたリーシャは呆けたが
「………結構です。聞きたくありません。私は私なりのけじめを付けてから……クロスベルの地を去るだけなのですから。イリアさんの言葉を聞く資格は今の私にありません。………既に私はベルガード門で工作活動を行い、さらにベルガード門の制圧をする際、ノエルさんやソーニャ司令、砦内で多くの兵士達を傷つけました。」
すぐに気を取り直して淡々とした口調でロイド達を見つめて言った。
「リーシャさん………」
リーシャの様子を見たセティは心配そうな表情をし
「決意は固いようですね………」
「どうするの~、ロイドさん?」
エリナは目を伏せ、シャマーラは不安そうな表情でロイドに尋ねた。
「……………――――だったら今ここで俺と勝負をしてくれ。」
その時考え込んでいたロイドは真剣な表情でリーシャを見つめて言い
「え…………」
ロイドの言葉を聞いたリーシャは呆け
「ロ、ロイドさん?」
「いきなり何言ってんだ?」
ティオとランディは戸惑い
「ほう?」
ギュランドロスは興味深そうな表情をしてロイドを見つめた。
「―――どれだけ感情をコントロールしようと俺にはわかる。今も必死で迷いを抑えつづけている事を。」
「!!!」
そして静かな表情で自分を見つめて言ったロイドの言葉にリーシャは目を見開き
「以前と違い、本物の実力を出せるようになっても迷いがある今の君相手なら………俺だって勝てる。――――武装は自由。俺一人で君の相手をする。君が勝ったら俺達はイリアさんの伝言を君に伝えないし、イリアさんに嫌われてでも君に伝言を伝えられなかった事を言う。その代わり――――俺が勝ったら、”君は俺がもらう”。そしてその時にイリアさんの伝言を聞いてもらう。」
さらにロイドは真剣な表情でリーシャを見つめ、トンファーを構えて宣言した!
(キタ――――――――――ッ!まさかのこんな予想外な場所でこんな事を発言するとは!さすがはロイドだよ、くかかかかかかっ!)
(こ、この子は………)
ロイドの言葉を聞いたギレゼルは興奮した後笑い始め、ルファディエルは頭に手を押さえ
「え”。」
リーシャは呆けた声を出し
「い、いい、一体何をっ………!?」
さらに顔を赤らめて身体を震わせて驚きの表情で後ろに下がってロイドを見つめ
「見ていられないって事さ。君が、君らしく在れない場所に居続けている……君の友人としてこれ以上、放っておくわけにはいかない。既にチキさんから君がラギール商会から抜ける事の許可ももらっている。勝負してもらうぞ――――”銀”……いや、リーシャ・マオ!」
ロイドは疲れた表情で答えた後決意の表情でリーシャを見つめ
「くっ………」
見つめられたリーシャは唇を噛みしめた後、後ろに跳躍してロイドから距離を取り、武器を構えた!
(オイオイオイオイ……!そんなのアリかよ!?)
(あっははははははっ!相変わらず笑かしてくれる男だねえ!)
(………とんでもないです。)
(この男は……!ルファディエル!いい加減この男の性格を矯正すべきだぞ……!)
(まさかロイド君がこれほどのとんでもない人物とはねえ……)
(フフ、ひょっとしたら主以上の女殺しかもしれませんね。)
(下手したらリウイも越えていそうね♪)
その様子を見たランディは呆れ、エルンストは笑い、ティオはジト目になり、ラグタスは全身に怒気を纏い、エオリアとリタは苦笑し、カーリアンは口元に笑みを浮かべ
(うーん、何かの異能とか言わないだろうね……?)
(フフ、確かにな。)
ワジは口元に笑みを浮かべ、ツァイトは頷き
(フフ……きっとリーシャママはこの時の告白でパパを本気に好きになったんだろうな♪)
(うーん。うかうかしていたらリーシャさんにロイドの”一番の恋人”……いえ、”正妻”の座を彼女に取られるかもしれないわよ?エリィさん。)
キーアとセシルは微笑み
(さ、さすがロイドさんというか……)
(よく無意識であそこまで言えるよね~?)
(ええ………それでいて鈍感とはあまりにも罪すぎる事ですね……)
セティやシャマーラ、エリナは冷や汗をかきながら苦笑し
(兄様も将来、ロイドさんみたいになりそうで、他人事ではないわね……)
(そこで何で俺を睨むんだよ、エリゼ……)
エリゼはジト目でリィンを睨み、睨まれたリィンは疲れた表情で溜息を吐き
「ガッハハハハハハッ!面白くなってきたじゃねえか!」
「うむ、全くじゃな!」
「フフ、まさかこんな面白い場面を見せてもらえるなんてね♪」
「クスクス♪さすがね、ロイドお兄さん♪」
ギュランドロスは豪快に笑い、リフィアは頷き、ルイーネとレンは微笑み
(エリィも将来、私や姉様みたいに色々と苦労するでしょうね………)
(ええ…………)
イリーナは苦笑しながらエクリアと共にロイドを見つめ
「……どうでもいいが、こんな所で暴れられたらこっちが迷惑だ。戦うのなら外で存分に戦え。」
リウイは呆れた表情でロイドとリーシャを見つめて言った。その後ロイド達は外に出て、ロイドとリーシャは1体1で距離を取って向かい合った。
「―――改めて。勝負だ、リーシャ・マオ!」
リーシャと向き合ったロイドはトンファーを構えてリーシャを睨んで叫び
「………私の決意は誰にも揺るがせません。だから……絶対にロイドさんに負ける訳にはいきません!――――勝負です!ロイド・バニングス捜査官!」
「ああ、かかって来いっ!!」
リーシャは目を伏せて呟いた後武器を構えて決意の表情でロイドを睨んで叫び、ロイドとの戦闘を開始した!
こうしてロイドはリーシャとの一騎打ちの戦闘を開始した……………!
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