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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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第102話

~ノックス拘置所~



脱出を開始したロイド達が少し進むと扉が開き

「……あいつらいったい何をしてるんだ?」

「こっちは早く引継ぎをして帰りたいってのに……」

扉からは兵士達が出てきた。

「え………」

「お前達は……!」

そして兵士達はある方向を見つめて驚き

「遅えッ!」

「行くぞ……!」

「行くぜぃっ!!」

ある方向―――からはガルシア、ロイド、ギレゼルが突撃し

「―――光よ、降り注げ!爆裂光弾!!」

後方では既に詠唱を終えたルファディエルが魔術を放った!

「ぐあっ!?」

「ががっ!?」

天井から降り注いできた光の魔力弾を受けた兵士達は怯んだ。

「せいっ、はっ、やあっ!!」

「ヒャッハーッ!!」

そこにロイドがクラフト―――アクセルラッシュを、ギレゼルがクラフト―――流黒の闇槍を放って追撃し

「オォォォオ……フンッ!!」

「ぎゃあっ!?」

「ガッ!?」

ガルシアがクラフト―――大回転旋風脚を放ち

「ぐっ………貴様ら………」

攻撃を受けた兵士の一人は気絶し

「に、逃がすものか……」

もう一人の兵士はエニグマを取りだしたが

「―――させないわよ!」

「な――――」

なんとルファディエルが杖を振るって兵士の手からエニグマを弾き飛ばし

「寝てなっ!!」

「ガッ!?く、くそ………………」

ガルシアが兵士の腹を殴って気絶させた!しかしその時!

「なっ!?」

「脱走者だ!!」

扉から新手の兵士達が現れた後、警報が鳴り出したが

「くかかかかかッ!面白い事をしてくれたじゃねえかっ!!」

「ぎゃあっ!?」

「ぐあっ!?」

ギレゼルが強襲して来て放ったクラフト―――薙ぎ払いを受けて吹っ飛ばされて壁にぶつかり、気絶した!

「少々見つかるのが早すぎたわね……!」

「くっ、エニグマを使った緊急警報システムか……!」

拘置所内に鳴り響く警報を聞いたルファディエルは厳しい表情をし、ロイドは唇を噛みしめ

「クク………さぁて、どうする?」

ガルシアは口元に笑みを浮かべてロイドに尋ねた。

「想定内だ……!このまま強引に突破する!」

「ハハ、いいだろう!」

そしてロイドの答えを聞いたガルシアは好戦的な笑みを浮かべて言った。そしてロイド達はしばらくの間走り、階段を降りた。するとそこには兵士達と軍用犬達が待ち構えていた!



「いたぞ!」

「そこを動くな!」

ロイド達を見つけた兵士達は軍用犬達と共に突撃してロイド達に襲い掛かった!

「―――守護方陣!!」

「ぐあっ!?」

「「ギャン!?」」

しかしルファディエルが展開した光の結界によってダメージを受けると共に怯み

「いくぞ……!喰らえっ!!」

「ガッ!?」

その隙を狙ったロイドはクラフト―――スタンブレイクで兵士を気絶させ

「オォォォォ………フン!!」

「我輩の一撃、受けてみなぁっ!!」

「「ギャン!?」」

ガルシアはクラフト――ベアキックで、ギレゼルはクラフト―――宵闇の一撃で軍用犬達の頭を破壊して絶命させた!

「クソッ!!」

「調子にのるなっ!!」

その時後方にいる銃を持った兵士達はそれぞれ銃撃を放ち

「ぐっ!?」

「チッ!?」

銃撃に命中したロイドとガルシアは顔を顰めたが

「――――光よ、我等に守りの加護を!防護の聖域!!」

「………!よし、これなら……!」

「クク、痛くもかゆくもねえなあっ!!」

ルファディエルの魔術によって防御能力が強化され、銃撃を受けても平気になり、そして二人は突撃し

「う、うわああああっ!?」

「銃撃を受けても怯まないなんて、奴等は本当に人間か!?」

銃撃を受けても怯まず突撃して来る二人を見た兵士達は悲鳴を上げたその時!

「エニグマ駆動だあっ!エアリアル!!」

「ぐっ!?」

「がっ!?」

ギレゼルのアーツによって発生した竜巻をその身に受けて怯み

「だああああああああああ………!タイガー………チャージ!!」

「ぐがっ!?」

兵士の一人はロイドのSクラフトを受けて戦闘不能になると共に気絶した。

「そこだっ!!」

「うわあああああああっ!?」

一方突撃したガルシアは兵士の持ち上げて天井近くまで飛び上がり

「こいつで沈みなっ!!」

「があっ!?……………」

兵士の頭を地面に叩きつけて攻撃した!ガルシアが放ったかつて多くの敵兵を屠った、軍用格闘技の奥義――――キリングドライバーをその身に受けた兵士はうめき声を上げると共に頭から血を流して気絶した!



「………軍用犬を使い始めたのか。警備隊の時にはそんなの使っていなかったはずなのに……」

戦闘終了後、ロイドは疲れた表情で溜息を吐いた後考え込み

「フン、俺達(ルバーチェ)の運用成果を利用したのかもしれねぇな。ひょっとしたらクスリで操っているのかもしれねぇ。クク、いい感じでエゲつなくなってるみてぇじゃねえか?」

「………ディーター大統領が”教団”と繋がっている事を考えると十分に考えられる事ね……」

ガルシアは口元に笑みを浮かべた後笑いながらロイドに視線を向け、ルファディエルは考え込み

「くっ……あんたが言うな!(ソーニャ副司令やダグラス少尉の判断とは思えないけど……)」

ガルシアの言葉を聞いたロイドは唇を噛みしめてガルシアを睨んだ。

「今の声は………もしかしてロイド君かい?そうか、この騒ぎは君が……」

その時聞き覚えのある青年の声が部屋から聞こえてきた。

「んあ?この声は………」

声を聞いたギレゼルは首を傾げ

「この声……もしかしてアーネストさんですか!?」

ロイドは驚いた後声が聞こえた部屋に近づいて尋ね

「………元市長秘書か。そういえばここに入っていたんだったな。」

(…………………アーネストか。現在の今の状況では即戦力として使えるレベルだけど…………)

ガルシアは静かな口調で呟き、ルファディエルは考え込んでいた。

「ロイド君がここに入れられたと聞いた時は驚いていたけど……はは、また会えて嬉しいよ。」

「よかった……その様子だと、もうグノーシスはほとんど抜けているみたいですね。」

「ああ、おかげさまでね。君達には本当に申し訳ない事を……いや、今はやめておこう。どうやらそんな状況でもなさそうだ。罪を償ってここを出たら、改めて、君やエリィ達に謝罪をさせてもらいたいと思ってる。どうか、今は構わず行ってくれ……女神の加護を祈っているよ。」

「……ありがとうございます。」

アーネストの言葉を聞いたロイドは静かな笑みを浮かべた。

「――――アーネスト。貴方、脱走の手助けや脱走未遂の罪が増えてでもロイドの脱走を手助けするつもりはあるかしら?」

するとその時ルファディエルは静かな口調で尋ね

「お?」

「ほう?」

ルファディエルの質問を聞いたギレゼルとガルシアは興味深そうな表情をし

「ル、ルファ姉!?」

ロイドは驚いた。

「………ロイド君を脱走させる手助けができるならどれだけ罪が重くなろうと構わないさ。僕もできる事なら彼を手助けをしてあげたいけど………だけど例えここを出られても剣がなければ…………」

「そう……………その答えを聞けて何よりよ。今、扉を破壊するから下がっていなさい。」

「あ、ああ……」

「――――炸裂せよ、イオ=ルーン!!」

そしてアーネストの返事を聞いたルファディエルはアーネストに警告した後魔術でアーネストがいる部屋の扉を破壊した!

「―――これを使いなさい。」

扉を破壊したルファディエルは異空間から剣――――”アーナトス”を取り出して、破壊された扉に驚いているアーネストの前に投げ捨て

「ああ………!ロイド君、僕でよければ力にならせてくれ……!」

驚いていたアーネストは目の前にある剣を拾ってロイド達に近づいて決意の表情で言い

「ありがとうございます……!」

アーネストの言葉にロイドは明るい表情で答え

「クク………元市長秘書の罪悪感を利用するとはな。こっちはこっちでとんでもねえ策士じゃねえか?」

その様子を見ていたガルシアは不敵な笑みを浮かべてルファディエルに視線を向け

「利用しているとは失礼な言い方ね。私はあくまでアーネストの望みを叶えただけなのだから。」

「くかかかかっ!よく言うぜ!今の尋ね方だと、まさに悪魔の誘いだったじゃねえか♪」

ガルシアの言葉を聞いたルファディエルは静かな口調で答え、ルファディエルの答えを聞いたギレゼルは陽気に笑った。



こうしてアーネストを加えたロイド達は再び脱出を始めた………………… 
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