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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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外伝~反撃の狼煙~

~行政区~



「やれやれ………今回は久しぶりにヒヤヒヤする相手だったな……」

戦闘続行が不可能と思われるアリアンロードの状態を見たヴァイスは安堵の溜息を吐き

「……………デュバリィ達が逝きましたか……………今回の”戦”は私達の完全敗北ですね…………………私はここで退かせて頂きます。……お見事でした、ヴァイス殿。貴方のこれからの”覇道”に”軍神(マーズテリア)”の加護があらんことを。」

デュバリィ達の死体に気付いたアリアンロードは目を伏せた後、デュバリィ達やブルブランの死体と共にヴァイスを見つめて微笑みながらその場を転移して消えた!

「!?……………(”軍神(マーズテリア)”だと……?マーズテリア関係者で俺のプライベートの呼び方を知っている騎士といえば、”影の国”で出会ったあの聖騎士だけ……………まさかあの鎧の騎士は………)…………」

アリアンロードが消えるとヴァイスは目を見開いて驚いた後、真剣な表情で考え込んでいた。

「………退いたか。しかしあれほどの強者が敵とは、勿体ない話だな。」

「……この場で排除できなかったのが実に惜しい。」

一方アリアンロードが消えた場所を見つめながらガルムスとオルファンは静かな口調で呟き

「フフ、お見事です、ヴァイス様。それにお父様もさすがは元四元帥の一角を担っていただけはありますね。」

リセルは微笑みながらヴァイス達を見つめた。

「ん?………どうやら”今回は”リセルとの仲は良好のようですね?」

「……うむ。それに以前と違って、大病も患っていない為、全力で戦えるぞ?それよりヴァイスハイトよ。お前の事だから生まれ変わっても相変わらず身を固めず、女遊びが以前以上により激しくなっているのではないか?」

リセルの言葉を聞いたヴァイスは目を丸くした後口元に笑みを浮かべてオルファンに視線を向け、視線を向けられたオルファンは静かな笑みを浮かべて答えた後ヴァイスに視線を向け

「フッ……オルファン様こそ人の事を言えないのでは?かつてのオルファン様も若き頃は女遊びが激しかったと聞きますし。」

「ハッハッハッ!一本とられたな!」

ヴァイスの言葉を聞いて大声で笑い

「全くもう……………二人とも”そういう事”に関しては変わっていて欲しかったのですけどね。」

二人の会話を聞いたリセルは呆れた表情で溜息を吐いた。するとその時

「あらあらまぁまぁ。何だか凄い事になっているわね?」

「な、な、なっ……!?”メルキア四元帥”や”魔導功殻”どころか、各国の王や将達まで勢揃いしているなんて……!」

「あはははっ!何だかよくわかんないけど、とにかくあたし達にとっては有利な状況へとなっているんじゃないの?」

歓楽街方面から目を丸くしたルイーネ、信じられない表情をして口をパクパクさせているエルミナ、無邪気な笑顔を浮かべているパティルナが警備隊員達を引き連れて現れた!

「ユン・ガソルの”三銃士”!?リウイ陛下達から話には聞いていましたが、まさか本当にいるなんて………!」

一方エルミナたちを見たリセルは驚いた。



「あら……貴女は………フフ、エルちゃんにとって最強のライバルの登場ね♪」

「あははっ、確かにそうだね♪なんせ元正妃の登場だもんね♪次の正妃を狙っているエル姉にとっては大ピンチかも?」

リセルを見たルイーネは目を丸くした後微笑み、パティルナはからかいの表情でエルミナを見つめ

「なっ!?ルイーネ様!パティ!こんな時にふざけないで下さい!」

二人の言葉を聞いたエルミナは顔を真っ赤にして叫んだ。

「フウ………どうやら私がいない間にずいぶんとエルミナ達と親しくなったようですね?」

エルミナの様子を見たリセルは溜息を吐いた後頬を膨らませてヴァイスを睨み

「フッ………後で誰よりも早く一番に愛するつもりだから、それで許してくれ。」

見つめられたヴァイスは口元に笑みを浮かべてリセルを見つめ

「全くもう…………私が満足するまで寝かせませんので、覚悟していてくださいね?」

「……俺としてはその方が願ったりかなったりなのだがな。ちなみに今も”処女”か?」

溜息を吐いた後微笑みながら言ったリセルの言葉に静かな笑みを浮かべて答え

「ヴァイス様……ご自分でもわかり切った事を皆さんがいるこの場で尋ねないで下さい………」

ヴァイスの言葉を聞いたリセルは呆れた表情で溜息を吐いてヴァイスを睨み

「フフ、ちなみに(わたくし)を含めた生まれ変わった者達は皆”処女”だから安心しなさい。私も”今回は”男性との経験は一切ないわよ?」

「ほう?それは嬉しい誤算だな……」

さらに魅惑的な笑みを浮かべて言ったフェルアノの言葉を聞いたヴァイスは静かな笑みを浮かべた。

「えーと……もう出て来ても大丈夫なんですよねー?」

その時フランが警察本部の出入口から現れ

「ふええええええ~!?あ、あのー、ヴァイスさん。これは一体どういう状況なんですかー?」

周囲にある猟兵達の死体やヴァイスの側にいるリセル達、そしてルイーネ達を見て信じられない表情で声を上げた後ヴァイスに尋ねた。



「フム……簡単に説明すれば、こいつらは全員俺の友人か恋人達だ。」

「え……えええええええええええええ~~~~!?こ、こんなにいたんですか~!?」

そしてヴァイスの説明を聞いたフランは驚き

「こ、恋人……えへへ……何だか恥ずかしいですね。」

「その程度で何を恥ずかしがっているのかしら?特に私と貴女はヴァイスの妻の一人だったのだから。」

「こら!今、ネネカの名前がなかったぞ!」

マルギレッタは頬を赤らめて恥ずかしそうな表情をし、フェルアノは呆れ、フェルアノの言葉を聞いたネネカはフェルアノを睨み

「フン。この私がヴァイスハイトの恋人や友人だなんて、虫唾が走るわ。」

ナフカは鼻を鳴らした後嫌悪感を纏った様子でヴァイスを睨み

「あ、あの人達全員が……う、羨ましい~!みんな、美女や可愛い娘達ばかりじゃないですか!しかも中には天使までいるし……!なんで局長ばかり……!一人ぐらい分けてくださいよ~!!」

話を聞いていたレイモンドは驚いた後羨ましそうな表情でリセル達を見つめ

「というか全員、とんでもない強さだったよな……」

ドノバンは表情を引き攣らせていた。

「ヴァイス様………まさかその方”も”……?」

一方ヴァイスが親しい者にしか許していない”ヴァイス”という呼び方を呼んだフランに気付いたリセルは呆れた表情でヴァイスに視線を向け

「ああ、フランとも愛し合っている仲だぞ?」

視線を向けられたヴァイスは口元に笑みを浮かべて答え

「え、えーと……ヴァイスさんの恋人の一人のフラン・シーカーですー。同じヴァイスさんを好きな女の子同士仲良くしましょうねー?」

フランは戸惑った後無邪気な微笑みを浮かべてリセル達を見つめ

「ええ、よろしくお願いしますね。」

フランの言葉にリセルは苦笑しながら答えた。

「それよりヴァイスさん。気になっていたんですけど、どうして今までその人達の事を黙っていたんですかー?アルさん達の事はちゃんと教えてくれたのに。別に今更何人増えた所でヴァイスさんがあたしをちゃんと大切にしてくれていたら気にしませんよ?」

そしてある事が気になったフランは不思議そうな表情でヴァイスに尋ね

「……後で説明する。それより状況はどうなっている?何か新しい情報が入ったのか?」

尋ねられたヴァイスは苦笑しながら言った後、気を取り直して真剣な表情で尋ねた。



「あ、はい。現在オルキスタワー周辺では敵の主力部隊と思われる部隊とダドリー捜査官率いる警官隊やギュランドロス司令率いる警備隊達、そしてアリオスさんがそれぞれ戦闘中で、さらに先程ラギール商会の店舗が爆破されたという情報が入って来ました!」

「何……?カーリアンもいるのにみすみすとやられたのか?」

「報告を聞く限り、どうやらメンフィル兵達が戦闘に夢中になっている隙を狙って、店舗の裏手に回った猟兵達が店舗を爆破したようです。」

「フム……………その後ラギール商会の面々はどこに行った?」

「どうやらどこかに去ったようです。それともう一つ重要な情報が入ってきました。IBC方面に”赤の戦鬼”と思われる猟兵が多くの猟兵達を引き連れて向かっているそうです!」

「………一体何を考えているのでしょう?」

「IBCという事はミラ目当てかしら?」

フランの報告を聞いたアルとエルファティシアは考え込み

「……今は考えずに動くことが先決だ。――――ルイーネ。お前達、警備隊はどのように動く算段だ?」

真剣な表情のヴァイスは二人に言った後ルイーネに尋ねた。

「まずは今もオルキスタワー周辺で戦っているギュランドロス様達の加勢、そして襲撃された警察本部の救援に来たのだけど……ヴァイスさん達が撃退してくれたおかげで一つ手間が省けたわ。」

「なお、既に各地区に放たれている人形兵器や魔獣、猟兵達の掃討の為に警備隊員達を向かわせている所です。」

「そうか……―――ならば、ルイーネとパティルナはオルキスタワーに向かってギュランドロス達の加勢に。エルミナは警察本部の守りについてもらってもいいか?」

ルイーネとエルミナの話を聞いたヴァイスはルイーネ達を見つめて尋ね

「ええ、いいわよ。」

「……そうですね。敵にとっても警察本部は落としておきたい拠点の上、オルキスタワーへと続くこの行政区は最優先で抑えておきたい場所でしょうから、今後も激戦区だと考えられますしね。」

尋ねられた2人はそれぞれ頷いた。

「リセル達はどうするつもり?リセル達も使わないともったいないよ?」

その時パティルナはリセル達を見回して尋ね

「勿論、手伝ってもらうつもりだ。……皆、力を貸してくれるな?」

尋ねられたヴァイスは頷いた後リセル達を見回し、リセル達はそれぞれ了解の意の返事をした。

「メルキア四元帥や”魔導功殻”……そこに私達”三銃士”やギュランドロス様が加わったらまさに無敵の軍団のできあがりね♪うん、これで不足気味に考えられた肝心の”将”の数はの問題は一気に解決したわね♪しかもその中には政治に強い人達もいるから、私やエルちゃんも楽ができるわ♪」

「無敵の軍団はさすがに言いすぎだと思いますが………ヴァイスハイトとギュランドロス様が目指す”覇道”の道のりの大きな助けとなる事は事実ですね。」

「あははっ!ギュランドロス様が大喜びするのは間違いないだろうね♪あたし達”六銃士”、メルキア四元帥や”魔導功殻”に加えて各国の王や将達がこのゼムリア大陸で大暴れする時が楽しみだね♪」

リセル達の返事を聞いたルイーネは微笑み、エルミナは苦笑し、パティルナは無邪気な笑顔を浮かべた。

「―――よし。まずは………」

一方リセル達の様子を見たヴァイスは次々とリセル達に指示をし

「これより反撃開始だっ!集結した俺達の力………敵に存分に見せつけてやれっ!」

そしてリセル達を見回して拳を振り上げて号令をかけ

「おおっ!!」

ヴァイスの号令にリセル達はそれぞれの武器を掲げて答えた後、それぞれの行動を開始した!



こうして………心強い仲間達と再会したヴァイス達は仲間達と共にクロスベルを襲撃した武装集団に対しての大反撃を開始し……………エルファティシアとマルギレッタ、ミスティは警察本部内で負傷者達の手当てを担当し………エア・シアルとネネカは遊撃役として各地区を駈け回りながら猟兵達の殲滅の担当をし………激戦区と予想される警察本部周辺の迎撃部隊及びオルキスタワーの加勢部隊ではヴァイスのメンバー以外の残りのメンバー全員が手分けして担当する事になり………ヴァイスはIBCの猟兵達を撃退する為に組んだチームのメンバーであるリセル、アル、ガルムス、ベル、エイフェリア、リューン、そして警官隊と共にIBCに向かったが、港湾区は既に警備隊員や警官達と猟兵達がぶつかり合う戦場と化していた為、逃げ遅れたIBCにいる者達が安全に逃げられるようにヴァイス達は警備隊員達と共に戦闘を再開した。ヴァイス達が戦闘を再開した丁度その頃、装甲車や車両に乗ったミレイユ達やロイド達がようやくクロスベル市に到着した…………… 
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