オズのボタン=ブライト
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第九幕その十二
「オズの国はいいですね」
「だから色々な遊びが出来ることがな」
「オズの国なんですね」
「そういうことじゃ」
「わかりました、それじゃあ」
「明日も遊ぶぞ」
「そうしましょう」
こうしたことをお話してでした、そのうえで。
皆でツーリングも楽しむのでした、この日は一日楽しみました。そしてそのツーリングが終わってからでした。
宮殿に着いてです、王子は王様に笑顔で言いました。
「今日は僕も」
「ほう、この時間にじゃな」
「お風呂に入りたいですね」
「いい汗をかいたからじゃな」
「そうです」
「あれっ、今の二人は」
ボタンは王子と王様のやり取りを聞いて言いました。
「あまりお話していないのに」
「充分お話せたわね」
「うん、そうだよね」
「どうしてかな」
「それはそれだけお互いに知っているからよ」
ジュリアは微笑んでボタンにお話しました。
「だからよ」
「それでなんだね」
「そう、所謂ツーカーの関係よ」
「ツーカーなんだ」
「あまりお話していなくてもね」
「わかるのよ」
お互いに何を言いたいのかです。
「そうしたものなのよ」
「それだけ二人がなんだね」
「お互いを知っていて仲がいいのよ」
「そういうことなんだね」
「そう、僕と王様の付き合いは長いからね」
王子も微笑んでボタンにお話します。
「だからね」
「今みたいなやり取りでもだね」
「わかるんだよ」
そうだというのです。
「僕がロバだった頃からの付き合いだから」
「それじゃあ」
「そう、安心してね」
「わかりました」
こう言うのでした、そして。
ボタンは少し考えるお顔になってです、こう言いました。
「僕もそうした人がいたらいいな」
「そう思うならね」
ジュリアはまたカルロスに言いました。
「より人とお付き合いすることよ」
「誰と?」
「誰でもいいの」
それこそというのです。
「誰とお話してもいいからね」
「それでいいの?」
「そこからそうした人が生まれるから」
「僕がよく知っている人が」
「そしてボタンをよく知っている人がね」
「お互いになんだね」
「生まれるから」
だからというのです。
「誰とでもお付き合いしてね」
「わかったよ」
確かなお顔で頷いたボタンでした、そうしたお話もしたのでした。
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