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第九幕その十一

「赤い草原はないね」
「ここみたいな」
「うん、草の色は緑だから」
「いつも?」
「冬は枯れるけれど」
 冬以外の他の季節はといいますと。
「それ以外の季節はね」
「緑なんだね」
「そうなんだ」
「エメラルドの都の草原みたいかな」
「ちょっと違う緑なんだ」
「外の世界の草原の緑は」
「うん、緑は緑でも黄緑なんだ」
 そちらの緑だというのです。
「どっちかっていうとね」
「そうなんだね」
「そう、都の緑はエメラルドグリーンだね」
「草原はね」
「そこが違うんだ」
 同じ緑でもというのです。
「またね」
「そういえば緑っていっても」
「色々あるよね」
「うん、赤もね」
「このカドリングは赤の国だけれどね」
「色々な赤色があるよ」
「それで外の世界の草原はなんだ」
 そこはというのです。
「黄緑なんだ」
「そうなんだね」
「うん、エメラルドグリーンじゃなくてね」
「あそこはエメラルドの国だから」
 その都からオズの国を治めるオズマの言うことは。
「草原もエメラルドグリーンなのよ」
「まさにエメラルドの都ですね」
「そうなのよ」
 まさにというのです。
「だからね」
「その色なんですね」
「黄緑もあるけれど」
「草原はその色ですね」
「そうなの」
「わかりました、そのことも」
「オズの国は季節はないけれど」 
 またお話したオズマでした。
「国によって色が違うから」
「オズの国を回れば色々な色が見られる」
「そのことを覚えておいてね」
「わかりました」
 カルロスはオズマの言葉に微笑んで頷きました。
「じゃあすぐに色々な色を見たいなら」
「はい、一度に回ります」
「そうしてね」
「そして今はですね」
「うむ、こうしてじゃ」 
 まあt王様が言ってきました。
「わしの国を回るのじゃ」
「そうさせてもらいます」
「ではな」
「こうしてツーリングも楽しめるなんて」
 それこそとです、カルロスは言うのでした。 
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