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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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第48話

~オルキスタワー~



「くっ、こんなものまで……」

戦闘終了後ロイドは唇を噛みしめ

「多分、屋上からタワー内に放ったのだと思います。」

ティオは静かな表情で推測した。

「しかし今のは”結社”ってのが作ったモンじゃねえのか?」

「闇に流れたのを手に入れたかそれとも……」

「……”結社”自身が手を貸しているかもしれないな……」

「あ……!そう言えばリフィア殿下達の情報では”結社”がクロスベルに潜入しているとの事でしたものね……!」

ランディの疑問にワジは答えた後考え込み、リィンは自分の推測を呟き、リィンの推測を聞いたノエルは声を上げた。

「……どうでもいいが、あっちもケリが付きそうだぜ?」

その時ロイド達にレクター書記官が声をかけ、声をかけられたロイド達が背後を見つめるとそこにはアリオス達との戦闘によって地面に跪いているテロリスト達がいた。

「くっ……化物どもが!」

「仕方ない!最終プランに切り替えるぞ!」

テロリストの一人は悔しそうに呟き、もう一人のテロリストは立ち上がった後スタングレネードを投擲し

「む……」

「スタングレネード……!」

それを見たアリオスは唸り、ユリア准佐は驚き

「「下がれ!」」

ミュラー少佐とレオン少佐は警告した後アリオス達と共に後ろに跳躍してスタングレネードによる爆発を回避した!そしてスタングレネードによる光が収まるとテロリスト達の姿はなく、テロリスト達が去ったであろう道に続く通路への道はシャッターによって防がれていた!



「チッ……」

「……逃げられたか。」

アリオス達と共に走って近づいて確認したミュラー少佐は舌打ちをし、レオン少佐は静かに呟き

「このシャッターは……」

ユリア准佐は厳しい表情でシャッターを見つめ

「……どうやら簡単には突破できなさそうですな。」

アリオスは静かな表情で言った。するとその時

「皆さん!」

ロイド達がレクター書記官やキリカ補佐官と共に近づいてきた。

「お前達か……」

「どうやら無事、撃退できたみてぇだな?」

「ああ、しかしこのままでは逃げられてしまうだろう。」

「ティオ、やれるか?」

「自信はありませんがやるだけやってみます。」

ロイドに尋ねられたはティオはシャッター脇のコネクタに導力ケーブルを接続し端末を操作した。

「やはりセキュリティレベルが最大まで上げられています。”エイオン”を使ってもこのノート型の端末では……」

しかし操作の最中にある事に気付いて報告した。

「そうか………」

ティオの報告にロイドが頷いたその時

「――――下がれ。今ここでそのシャッターを破壊する。」

剣を構えたレオン少佐がティオに警告し

「え……?は、はい。」

警告を聞いたティオは一瞬戸惑った後端末を持って下がった。すると

「荒ぶる炎の渦よ……!鬼炎斬!!」

レオン少佐が炎を纏ったすざましい斬撃を放ってシャッターを真っ二つにして破壊した!

「なっ!?」

「す、凄すぎる……!」

それを見たロイドやリィンは驚き

「ヒュウ!さっすが元”結社”の”執行者”だねぇ?」

「フフ、さすがは”剣帝”と呼ばれるだけはあるわね。」

レクター書記官は口笛を吹いた後口元に笑みを浮かべ、キリカ補佐官は静かな笑みを浮かべて言った。

「よし……道は開いた!追うぞ……!」

そしてアリオスの号令によってロイド達は破壊されたシャッターの先にある通路へと行き、エレベーターのボタンを押したが反応はしなかった。

「クソッ!ここで足止めか……!」

「ティオ、難しいとは思うけど頼めるか?」

「……わかりました。やってみます。」

反応がないエレベーターをダドリーは忌々しそうに睨み、ロイドに言われたティオはエレベーター脇にあるコネクタに導力ケーブルを接続し端末を操作を再開した。するとその時、ダドリーのエニグマが鳴り、鳴っているエニグマに気付いたダドリーは通信を開始した。



「―――私だ。ああ、何とかこちらは凌いだばかりだが…………………なに?連中がエレベーターで地下へ降下しているだと……?」

「ど、どうして……?」

「屋上にある飛行艇で逃げるつもりじゃ……?」

通信を聞いた後眉を顰めて呟いたダドリーの言葉を聞いたノエルとエリィはその場にいる全員と共に不思議そうな表情をした。

「んー、考えられるとしたら。飛行艇に搭載した導力爆弾を自爆させるってところか?」

するとその時レクター書記官が自分が推測した事を口にし

「な……!?」

「そうか……確かにそれならば……」

「このビルごと宰相たちを葬り去れるというわけか……!」

推測を聞いたロイドは驚き、アリオスやミュラー少佐は厳しい表情をし

「確かに、テロリストたちならそこまでやりかねないわね。」

「……目的の為には手段は選ばんのがテロリストだからな。」

「くっ、愚かな……」

キリカ補佐官とレオン少佐は静かな表情で呟き、ユリア准佐は唇を噛みしめ

「さすがにピンチだね……」

ワジは疲れた表情で呟き

「クッ、こうなったら屋上と地下まで続く非常階段のシャッターをそれぞれ破壊しつつ進むしかないか……!」

ダドリーは唇を噛みしめた後非常階段がある方向を睨んだ。

「…………いえ…………どうやら何とかなるかもしれません。」

するとその時端末を操作したティオが静かに呟き

「なに……!?」

ダドリーは驚いてロイド達と共にティオを見た。

「へえ……これはこれは。」

「ハッ………てめぇがボクのベースを滅茶苦茶にした犯人か!ゼッテー許さねえ!吠え面かかせてやるっ!」

「あはは、威勢がいいなぁ。」

ヨナが謎の声と電脳戦をしていると

「……そこまでです。大人しくタワーの制御を解放してもらいましょうか。」

ティオが割り込んできた。

「うふふ、仕方ない。まあ、ほんの暇つぶしだったし愉しめたから満足かな。それじゃあせいぜい死なないように頑張ってね♪まあ、”剣帝”がいれば大丈夫だろうけどね♪」

「ああっ!?」

「そちらは後です!早くタワーの制御を!」

そしてティオはヨナと共にタワーの制御を戻すために端末を操作し続け

(……先程の端末から聞こえてきた声や特務支援課が戦った人形兵器……そして俺の事を知っていたといい……カンパネルラか……?……”博士”がからんでいるとなるとレン皇女が”工房”で使っていた結社独自のネットワーク―――”星辰(アストラル)”か………という事は”星辰(アストラル)”の試験をする為にテロリスト達に力を貸しているのか……?)

レオン少佐は目を細めて考え込んでいた。



「ヨナ……戻ってきてくれたのか!」

「ええ、どうやら今日の便で帰ってきたみたいですね。」

明るい表情のロイドの言葉にティオは頷き

「―――やりました。タワーの制御を解放します。」

そして静かな笑みを浮かべたティオが言うとエレベーターの扉が開いた!

「やった……!」

「エレベーターは使えるのだな!?」

それを見たユリア准佐は明るい表情をし、ダドリーは尋ね

「ええ、ロックは解除しました。……どうやらテロリスト達は既に降りたようで、エレベーター全基が使える状況です。」

尋ねられたティオは頷いて答えた。

「ならば私は屋上に。飛行船に搭載された導力爆弾を解除するわ。」

「キリカさん、出来るんですか?」

「ええ、防諜関係者には最低限のスキルだから。レクター書記官、レオン少佐。手分けするとしましょう。」

「ま、しゃーねぇか。」

「……承知した。」

ロイドの疑問に答えた後促されたキリカ補佐官の言葉にレクター書記官とレオン少佐は頷き

「え……レーヴェさんも爆弾の解除ができるのですか?」

「ああ。爆弾の設置、解除は”結社”の”執行者”には必須のスキルだ。」

意外そうな表情で尋ねてきたティオにレオン少佐は頷いて答えた。

「ならば我々も付き合おう。連中が人形兵器の守りを残している可能性はありそうだ。」

さらにミュラー少佐が申し出

「―――そちらはどうか、テロリストたちの追撃を!今なら何とか捕まえられるかもしれません!」

ユリア准佐はロイド達を見て言い

「承知した……!」

アリオスは力強く頷いた。

「バニングス!我々も追撃に出るぞ!敵は2組……手分けする必要がある!」

「了解しました!」

「アイアイ・サー!」

その後ロイド達はエレベーターに乗り、最深部に到着した。



「―――時間が惜しい。先行するぞ。」

「遅れずについてくるがいい!」

エレベーターを降りた後アリオスとダドリーは走り出し

「あ……」

その様子を見たロイドは呆けて見つめ

「やれやれ……元気な兄さんたちだぜ。」

「私達も急ぎましょう……!」

「ああ……!」

その後ダドリー達の後を追った。



「これは……間違いなさそうだな。」

ロイド達がダドリー達に追いつくとダドリーは地面を調べて呟き

「ああ、共同戦線はここまでだったようだ。」

ダドリーの言葉にアリオスは頷いた。

「ダドリーさん、アリオスさん。」

「あの、どうかしたんですか?」

「………面倒な事になった。テロリストどもはここで2手に分かれたらしい。」

「それって……」

「宰相を狙ってた連中と大統領を狙ってた連中がここでわかれたってことか?」

ダドリーの話を聞いたエリィは表情を厳しくし、ランディは真剣な表情で尋ねた。

「ああ、間違いあるまい。共和国のテロリストはそちらのジオフロントC区画―――そして帝国のテロリストはあちらのD区画に逃げたようだ。」

「よ、よくわかりますね。」

「なるほど、決め手は足跡かい?」

アリオスの説明を聞いたエリィは驚き、ワジは口元に笑みを浮かべて尋ねた。

「ああ、偽装している余裕はさすがに無かったと見える。」

「だったら……ここは2手にわかれましょう。急がないとこのまま連中に逃げられてしまいます。」

「ああ、それが最善だろう。―――右手のC区画は、私とマクレインの2人で追う。お前達はD区画に逃げた帝国のテロリストどもを追え。」

「え……人数をわけないんですか?」

「9人もいるんですよ?」

ダドリーの指示を聞いたロイドは驚いてリィンと共に尋ねた。

「こちらのC区画は熱処理プラントなどがあって少々面倒な場所だったはず。逆に、そちらのD区画は広くて探索が大変なはずだ。」

「いい分担かもしれねぇな。ロイド、時間がねぇ。それで行くとしようぜ。」

「……わかった。ダドリーさん、アリオスさん。どうかお気をつけて。」

「フッ、そちらこそな。」

「敵は自分の命すら厭わない危険なテロリストどもだ。くれぐれも気を付けろ……!」

「はい……!」

「了解しました!」

そしてロイド達はジオフロントのD区画に、アリオスとダドリーはC区画に向かった!それぞれテロリスト達を追っていたがテロリスト達は通路やリフトを爆破して破壊していた為、ロイド達は追撃に時間を費やしてしまい、その間にテロリスト達はそれぞれジオフロントの終点の近くに到着した…………… 
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