詩集「棘」
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蝉時雨の降る夏の空に
一人の淋しさが追いかけてくる…
音楽で気を紛らわせても
不意に訪れる静寂…
忙しない時の流れは
僕を過去へと追いやって…
いつかは君の記憶からも
少しずつ消えてゆくんだね…
蝉時雨の降る夏の空に
君の笑顔を思い出しては
チクリと胸に棘が刺さって…
声も聞けないこの淋しさは
君には決して届かない…
誤魔化しようのない心は叫ぶ
恋しくてずっと君といたい…
忘れるなんて出来ないよ…
刺すような陽射しに焼かれ
想いは届かず灰となる
未来を夢見ることもなく
君のない今を…生きてる…
蝉時雨の降る夏の空に
想い描いて消えゆくだけで
僕はこのまま一人で歩き…
落ちた影すら哀しく見えて
瞳を閉じれば君だけが…
所詮全てがピエロ…
世界は三文芝居を繰り広げてる
君の中での僕は脇役
通りすがりの知らぬ人…
蝉時雨の降る夏の空は
愛だ恋だの痴がましいと
僕を嘲り青へと響き…
過ぎ行く淋しさ拭い切れず
今日も一人で君を想う…
蝉時雨の降る夏の空に
君の笑顔を思い出しては
チクリと胸に棘が刺さって…
声も聞けないこの淋しさは
君には決して届かない…
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