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ハイスクールD×D~舞い踊りし剣舞姫~

作者:レゾナ
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第二十四話

「あぁ……私、やっぱり何か重要な会合の最中に来たみたいだな」

「みたいじゃなくて、そうなんだけどな……えっと、紹介させてもらいます。元素精霊界(アストラル・ゼロ)の一国家、ドラクニア竜公国の王女、レオノーラ・ランカスターだ」

「形だけの王女様だけどね」

俺の自己紹介の後になぜかいらん補足を入れるレオノーラ。

「おっほん。それで?なんで元素精霊界(アストラル・ゼロ)の方が遥々あちらからこちらの世界へ?」

呆けていた中でも一番回復が早かったサーゼクスさんがそう聞いてくる。

それに関しては俺にも答えられない。だって、知らなかったんだからな。

と、それに対してのレオノーラの答えが

「いや、その……多少強引な休暇、というか……」

「「「「「「……は?」」」」」」

俺たち元素精霊界(アストラル・ゼロ)組はそろって変な声を出してしまう。いや、だってそうだろ?

こんな重要な場面に現れたかと思ったら、ただの休暇?

「だったら、俺の家にでも転移してくればよかったじゃねぇか?なんだって今この場に?」

「だから、私だって知らないんだよ。竜王様が一度はお前の家に転移させようとしてくれたけど。なぜか「……気配が感じられない?」とか小さな声で言ったのだ。そして、少しして転移が完了したらここに来ていたんだ」

………………………ああ、俺が家にいなかったから、こっちに来たって事?

「…………それって、俺のせい?」

「いや、少なくともイッセーのせいじゃない。サプライズで来ようとしたこちらの不手際のせいなのだ」

いや、それにしてもなんでわざわざサプライズで来るの?意味があるの?俺を驚かせたいの?

(どう思う?)

(どう思うも何も……言った事は真実だと思いますわ)

(問題は……その休暇の先がイッセーの元だという事だな)

(この際だから、接近させようっていう竜王様の意向じゃないかしら)

(えっと、とにかくライバルって事でオッケー?)

((((オッケー))))

「はぁ……まったく、竜王様は……せめて私に一声掛けてからにしてくれないと……」

何か俺を除いたクレア達で話し合いが行われているんだが……一体どうした?

ま、今はいいか。それよりも、レオノーラの登場でうやむやになったであろう事を言っておこう。

「おい、上層部の爺共」

「っは。な、何かね兵藤一誠」

「ソーナ会長の夢を笑った件に関してだが……俺は許す気はねぇからな」

「な、なにを言っている?あんな実現不可能な夢など笑い話にしか」

と、上層部である爺の一人がそれから言葉を続けようとした瞬間、その口は動きを止めた。

それも仕方ないだろう。なぜなら……先ほどまで俺の隣にいた筈のレオノーラがなぜかその上層部の爺の傍にいて首元に自身の契約精霊の精霊魔装(エレメンタル・ヴァッフェ)を展開しているんだから。

そして、それに誰も気づけなかった。

「っ、う、嘘!?」

「僕らが……気づけなかった……」

セラフォルーさんとあれはファルビウムさんか。彼らが驚いている。例外はサーゼクスさんとアジュカさんだけか。それ以外は若手悪魔である他の人たちもその眷属悪魔達も例外なく驚いている。

「あまり状況は把握できてはいませんが……先ほどのイッセーの言葉から察するに……そのソーナという方の夢を侮辱したんですね?」

「そ、それの何が悪い!あんな荒唐無稽な夢、実現できる筈がない!!」

と、爺は声高々にそう言うが

「そんなの、貴方が決める事ではないですし。それに出来ないと決めつけていいものではないでしょう、夢は」

レオノーラはそれを一蹴する。なぜならば、彼女は知っているから。夢が持つ力を。

「夢を実現させようと人は努力する。その夢が大きければ大きい程。もちろん挫折してしまえば、そこで終わりです。ですが……夢を掲げる事を笑う権利は誰にもありませんよ?」

そのレオノーラの言葉には重さが感じられた。

まあ、それも仕方ないだろう。彼女には大きな夢がある。

それは荒唐無稽と言ってもいいもの。彼女の夢—————————それは、ドラクニア竜公国を、元素精霊界(アストラル・ゼロ)最大の国家にする事。

もちろん、それにはフィアナが王女をしているオルデシア帝国、他にもアルファス教国、神聖ルギア王国、ロッソベル公国やクイナ帝国を抑えての最大国家な訳だからどれだけの苦難の道かはよくわかるだろう。

それでも、彼女はそれに向かって日々邁進している。まあ、そのついでに俺の処に来て模擬戦という名の実戦をしていくのは止めてほしいが。

「む、無関係の人間がでしゃばるな!!」

「ま、それもそうですね。それに私は……休暇でこちらに来たので」

そう言ってまた、レオノーラはジャンプして俺の所までやってくると…………俺の腕に腕を絡ませてきた。

「「「「「「「「なっ!?」」」」」」」」

「お、おい、レオノーラ!?」

そんな風にしたらお前のその……む、胸が当たるんだがっ!?

こうして、なぜか波乱に満ちた会合が終わりを告げた。

にしても、最後の最後にサーゼクスさんがこんな事を言ってきた。

「ソーナ、リアス。レーティングゲームをしてみないかい?そして勝った方には……イッセー君達元素精霊界(アストラル・ゼロ)の者達とゲームをしてもらいたい」

…………あの、無茶言ってるってわかってます、サーゼクスさん?


































一応、あの後なんであんな提案をしてきたのか聞いてみた。

すると

「嫌、なに……私たちは君たちの……特にイッセー君の実力は知ってるけど、他の上級悪魔などは知らない方達が多くてね……この際だから、君たちの実力を広く知ってもらおうと思ったんだよ」

なるほど、理には適ってると思う。しかし、それって俺たちが断らない前提の話だろ?

「断ったら断ったで、その時はその時考えるよ。とにかく考えてくれると、嬉しいな」

的な事を言われたんだが……ぶっちゃけ、どうしよう。

いや、戦おうと思えば戦える。レオノーラが来たのは僥倖だし、必要ならゲーム当日になるまでに元素精霊界(アストラル・ゼロ)に行って、一緒に戦ってくれそうな人呼べばいいし。

ただなぁ……正直、メンドクサイんだよな。

一応、他の皆にも聞くけどさ。 
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