カードファイト!!ヴァンガードG ネクステージジェネレーション
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turn:5 ショップ大会
前書き
より高みを目指すためショップ大会に出ることとなったタイガ
その一方でこれまでに出会ったファイターたちも闘志を燃やしていた
タイガはこの戦いの中で大きな壁にぶつかることとなってしまう
強くなり、再びミライと戦い、今度は勝つ
目標を見つけたタイガはその目標を意識するあまり大事なことを見失っていた
「で、あるからして………」
赤味がかった髪の男性が教科書を読み上げていると終業のチャイムが鳴り響く
「おっと、今日はここまでだな」
チャイムに気付いた男性は教科書を閉じてクラスを見回した
その中にはタイガとメグミの姿もある
Tune:5 ショップ大会
「石田先生」
教室で仕事をしていた担任の男性、社会科教師の石田ナオキの下へ日誌を持ってくるタイガ
「おう本城、ご苦労だったな」
「じゃあ俺、これで失礼します」
そう言って帰ろうとしたタイガだったが
「ちょっと待て本城」
ナオキに呼び止められ立ち止まった
「なんすか?」
「お前、最近変わってきたな、なんか熱くなれるもんでも見つけたか?」
ナオキの問いかけにタイガはしばし考え、鞄の中のデッキの事を思い出した
「ええ、まあ」
「やっぱそうか、俺もさ、高校入るまでは何もかもつまんねえ、くだらねえって考えてた」
そう言ってナオキは伸びをすると昔を思い出すかのように天井を見上げた
「おかしいだろ、そんな俺がこうして教師、しかも社会科だぜ」
笑いながら語るナオキに戸惑うタイガ
「そうなったきっかけは、心の底から熱くなれる出会いがあったからだな、そいつはいつもボロボロで、つらい思いをしていた、俺が通ってたのはエスカレーター式の学校だったんだけど、そいつはそのことがきっかけで中等部の間は別の学校へ行っていた」
立ち上がって窓の外を見るナオキ
「高等部に上がって、そいつが戻ってきたとき、別人みたいでさ、仲間に囲まれていて、明るく笑っていた、俺もそいつみたいに変わってみたい、変わりたいと思ったんだ」
ナオキの話に戸惑うタイガを見てナオキは頭を掻いた
「っと、昔話に付き合わせて悪かったな、もういいぞ帰って」
「じゃ、失礼します」
帰り道を歩くタイガは先日の事を思い出していた
「ショップ大会………」
ハジメとのファイトの後ミツキが言っていたショップ大会
先ほどの話でタイガはますますやる気になっていた
「灼熱の獅子ブロンドエイゼルでアタック」
ブロンドエイゼルが炎を纏った剣を真っ直ぐ振り下ろした
その周囲には炎が渦巻いている
「負けたぁ」
対戦相手の男性が頭を抱える中ハジメは先日のファイトを思い出していた
「ありがとう、いいファイトだったよ」
「あ、ああ」
対戦相手と握手を交わすも浮かない表情のハジメ
「ほらお兄ちゃん、帰るよ」
そんな彼にミツキが声をかける、彼女はハジメの考えてることも理解していた
「ミツキ、今日親父は?」
「会議でちょっと遅くなるって、ファイトしてる時間はなさそう、お母さんも今日は帰らないし、あ、ご飯は私に任せてね」
陽気に声を上げるミツキだがハジメはショップ大会の事で頭がいっぱいだった
拳を握る彼のおでこをミツキがつついた
「もぉ、そんな怖い顔して、そんなにファイトしたきゃ私が相手してあげるから」
そう言って自身の茶色いファイカを見せるミツキ
「お前は出ねえのかよショップ大会、優勝すればグレ3に届くだろ?」
「そうなんだけど、午前中別の場所で撮影あるんだよねぇ、時間的に間に合いそうにないかなぁ、一応終わったら見に行くけど」
そう言ってハジメの方に向きなおるミツキ
ショップ大会当日
タイガが店に入ると既にたくさんの参加希望者が集まっていた
「本城じゃねえか」
近くに座っていたナオキがタイガの姿を見つけ声をかけた
彼がいたことに驚くタイガ
「なるほど、お前を変えたのもこいつか」
そう言って自身のデッキを取り出すナオキに目を見開くタイガ
「じゃあ、先生も今日の大会」
「いや、俺は見学だ、カムイたちとは昔からの知り合いでな、ここにはこうしてちょくちょく顔出してんだ」
そう言ってレジで参加希望者たちと手続きをしているカムイたちを見るナオキ
「へぇ………」
「よっ、来たわね」
いきなり背後から背中をたたかれ驚くタイガ
「葛木か、手伝わなくていいのかよ」
「今日は私も参加するのよ」
そう言ってデッキをちらつかせるメグミ
確かに今日は店のエプロンをしていない
「っていっても、お前には一度勝ってるし手の内もわかってるからな、今日の大会は俺がもらうよ」
「えっ?」
タイガの言葉にその場で目を見開くメグミ
気にせずタイガは受付のためその場を後にした
「あいつ………」
大会の開始時間となりカムイがファイトスペースに参加者を集めた
「それじゃあこれからショップ大会を始めるぞ、方式は25分一本勝負のダブルエリミネーション」
ダブルエリミネーションは公式大会でよく用いられるルール
勝率が同じもの同士でランダムに組み合わせを決定し2敗したものからリタイアしていく
一度負けたら即終了のトーナメントと違い一人当たりのファイト出来る回数がその分おおくなる
対戦相手と同じテーブルに立ちファイカをセットするタイガ
同様にハジメとメグミも準備する
「「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」」
「ありがとうございました」
ファイトを終え片づけを始めるタイガ
今のところ順調に勝ち進んでいる
「次の相手は………」
「全勝しているのは私たちを含めて4人、後2試合ってところね」
そう言ってタイガのそばにやってくるメグミ
その表情は心なしか険しく見える
「次の試合はっと」
参加者の勝率を記録したスコアシートを一度整理して2枚取り出すカムイ
「お?」
そこにはメグミとタイガの名前が書かれていた
「次の試合、こっちのテーブルで本城タイガと葛木メグミ、こっちで綺場ハジメと………」
カムイの呼ぶ声にタイガも立ち上がる
「間に合ったぁ」
丁度その時ミツキが店に入ってきた
「今何戦目かなぁ」
メグミとタイガは互いにファイカをセットし手札5枚を引き終えた
「本城、あんたのその甘い考えが間違いだってこと教えてあげる」
ファーストヴァンガードに手をかける直前、メグミはタイガにそう声をかけた
だがタイガはその意味が解らず首を傾げていた
「スタンドアップ!ヴァンガード!」
惑星クレイ、メガラニカの海中ステージ
「ガンナーギア・ドラコキッド!」
「BN-PRISM サファイア!」
海中を漂う2体のユニット
だがサファイアの表情は険しいままだ
「ライド!メーザーギア・ドラゴン!」
ターンを終えたタイガは自身の手札を見る
「(手札は悪くねぇ、一度勝った相手だ、このファイトもらった)」
メーザーギアは笑みを浮かべてサファイアを見据える
「ライド、BN-PRISM エメラル、ヴァンガードにアタック」
エメラルがメーザーギアに向けて突っ込んでいく
「ドライブチェック」
【PRISM-I ヴェール】トリガーなし
エメラルの突進を受けて仰け反るメーザーギア
「ダメージチェック」
【アップストリーム・ドラゴン】トリガーなし
メーザーギアは水中で一回転して体勢を立て直す
「ライド!スモークギア・ドラゴン!更にアップストリーム・ドラゴンをコール」
アップストリームが放った歯車がエメラルに襲い掛かる
「ダメージチェック」
【PRISM-M アドリア】ドロートリガー
「パワーはエメラルに、1枚ドロー」
「ガンナーギア・ドラコキッドのブーストでスモークギア・ドラゴンがアタック!」
動きの制限される水中にもかかわらずスモークギアは滑らかにエメラルへ向かっていく
「ドライブチェック」
【スチームファイター ナンネア】トリガーなし
スモークギアの前足による攻撃でエメラルが切り裂かれる
「ダメージチェック」
【PRISM-M ティモール】ヒールトリガー
「ゲット、ダメージを1枚回復」
「ターン終了」
2回攻撃したタイガだったか結局与えたのは1ダメージ
しかもドロートリガーの効果で手札を増やされてしまった
「ライド、PRISM-I サンシャイン・ローザ」
メグミがライドしたのは前回と同じユニット、だが
「リアガードにPRISM-P プリンセス・ケルトとPRISM-P プリンセス・レイテをコール」
「なっ!?」
同じ列に並んだ2体のリアガード、だがこのユニットにタイガは見覚えがない
「サンシャイン・ローザでアタック」
「ガード!」
向かってきたサンシャイン・ローザに向けてウル・ワタルが拳を振るう
「ドライブチェック」
【BN-PRISM ガーネット】トリガーなし
「(ガーネット………葛木の切り札が入ったか)」
「プリンセス・ケルトでアタック」
ケルトが祈るように組んだ手を広げると大量の泡がスモークギアに襲い掛かった
「ダメージチェック」
【スチームスカラー カー・ランマ】クリティカルトリガー
「くそっ」
「ついてないわね、でもそれだけじゃすまないのよ、アタックがヒットしたことでプリンセス・ケルトのスキル発動」
カウンターブラストを行うメグミ
「これによりリアガードを1枚手札に戻しドロー出来る」
「なっ!また手札が」
ドロートリガーが前のターン発動したこともありメグミの手札はかなり増えている
ファイトが長引くほど不利になることは目に見えていた
「更にレイテのスキル、ソウルチャージとカウンターチャージ、ユニット一体にパワー+4,000、ま、パワーアップの方は今は関係ないけど」
どっち道今のでメグミの攻撃は終了
だが実質コストなしで手札を増やしたようなものだ
「これでもまだわからない?」
「くそっ、負けてたまるか!ライド!」
クロノファング・タイガーが咆哮を上げ姿を現す
「スキルはナシだ!ヒストリーメイカーをコールしてアタック」
「ダメージチェック」
【PRISM-M ティモール】ヒールトリガー
「パワーはローザに」
「ならアップストリームでケルトにアタック」
アップストリームに噛まれ消えるケルト
「クロノファングでアタック」
「ノーガードよ」
「ドライブチェック」
【スチームメイデン アルリム】トリガーなし
【スチームナイト ムダル】トリガーなし
「ダメージチェック」
【PRISM-P プリンセス・ケルト】トリガーなし
「(ダメージは3、リミットブレイクは………)」
「まだ来ない、そう思ってるんでしょ」
「えっ!?」
メグミの言葉に驚くタイガ
「あんたまさか、この間のファイトだけで私のデッキを全部理解したなんて思ってないでしょうね」
「っ!」
メグミの言う通りだった
タイガの反応から自身の考えが当たっていたことにため息をこぼすメグミ
「見損なったわ、あんたが考えているほど甘くないのよ、ヴァンガードファイトは」
そう言って鋭い眼差しでタイガを見ながら手札の1枚を手に取って掲げるメグミ
「見せてあげる、これが私の本当の力!ライド!PRISM-I ヴェール!」
「ヴェール………だって!?」
メグミがライドしたのは先日とは違うユニット
だがその衣装には見覚えがあった
「ローザに似てる………」
「同じチームのユニットよ、ローザ、ヴェール、クリアの3人の歌姫で結成されるPRISM-I、ストライドジェネレーション!」
手札からガーネットをドロップすると以前にも見たGユニットが
「PRISM-P プリンセス・ラブラドル!」
「(こいつは前にも見た!パワーアップして手札に戻すユニットだ!でもまだ序盤、それにこの手札なら防げる)」
「ローザ、レイテ、ガーネット、エメラルをコール!さらにラブラドルのスキル、レイテとガーネットを選択」
「ガーネットをリアガードに!?」
そうまでしてライドしなければいけない理由がヴェールにはあるというのか………
知らずのうちにヴェールの能力を意識してしまうタイガ
「まずはローザでアタック」
「ノーガード!」
ローザの攻撃を何とか受け止めるクロノファングだが勢いに押され後ろに大きく飛ばされてしまう
「ダメージチェック」
【スチームスカラー ジジ】トリガーなし
「ラブラドルのスキルで手札に戻したレイテのスキル、表にするダメージはないけどソウルチャージ、更にガーネットをパワーアップ」
「しまっ!」
レイテのスキルでガーネットのパワーは一気に上昇
パワー27000とかなりの数値になっている
「さらにプリンセス・ラブラドルのアタック」
「ジェネレーションガード!ハイブロースチーム ラファンナ!」
ヒストリーメイカーが時空の穴に飛び込み代わりにウル・ワタルが前転しながらリアガードに現れる、だが
「だめだ………これ以上シールドが出せない」
「ならドライブチェック」
ラファンナを使ってもこれではトリガーを一枚引かれるだけでガードを突破されてしまう
【PRISM-R リュミエール】トリガーなし
【PRISM-M カナリア】クリティカルトリガー
「うっ!」
「効果はすべてラブラドルに、サードチェック」
【PRISM-M ティモール】ヒールトリガー
「効果はガーネットに1枚回復」
ラブラドルの攻撃がラファンナとクロノファングを貫く
【クロノファング・タイガー】トリガーなし
【変革を呼ぶギアイーグル】トリガーなし
「くそっ」
早くもタイガのダメージは5、一気に追い詰められてしまう
もっと言えばメグミのダメージはまだ2枚、手札7枚余力も十分残っている
「今のあんたじゃ、私には勝てない」
後書き
次回予告
強くなろうとするあまり大事なことを見失っていたタイガ
そんなタイガを許せないメグミ
衝突する二人の思いは意外な結果に
turn:6 歌姫の怒り
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